財政融資資金法《本則》

法番号:1951年法律第100号

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1条 (目的)

1項 この法律は、財政融資資金を設置し、政府の特別会計の積立金及び余裕金その他の資金で法律又は政令の規定により財政融資資金に預託されたもの、財政投融資特別会計の財政融資資金勘定の積立金及び余裕金並びに当該勘定からの繰入金を統合管理し、その資金をもつて国、地方公共団体又は特別の法律により設立された法人に対して確実かつ有利な運用となる融資を行うことにより、公共の利益の増進に寄与することを目的とする。

2条 (財政融資資金の設置)

1項 この法律の目的を達成するため、財政融資資金を設置する。

3条 (財政融資資金の管理及び運用並びに区分経理)

1項 財政融資資金は、財務大臣が、法令で定めるところに従い、管理及び運用する。

2項 財政融資資金は、他の政府資金と区分して経理するものとする。

4条 (財政融資資金に充てる財源)

1項 財政融資資金は、次条若しくは 第6条第1項 《国庫余裕金は、財政融資資金に預託すること…》 できる。 又は他の法律若しくは政令の規定により預託された資金(以下「 財政融資資金預託金 」という。)、財政投融資特別会計の財政融資資金勘定の積立金及び余裕金並びに 特別会計に関する法律 2007年法律第23号第64条第1項 《財政融資資金勘定において、借入金をし、又…》 は公債を発行した場合には、当該借入金又は公債の発行収入金に相当する金額を、財政融資資金に繰り入れるものとする。 の規定による繰入金をもつて充てる。

5条 (財政融資資金への預託の義務)

1項 政府の特別会計の歳入歳出の決算上の剰余金を積み立てた積立金(財政投融資特別会計の財政融資資金勘定並びに年金特別会計の国民年金勘定及び厚生年金勘定に係る積立金を除く。)は、すべて財政融資資金に預託しなければならない。

6条 (国庫余裕金及び特別会計の余裕金の運用)

1項 国庫余裕金は、財政融資資金に預託することができる。

2項 政府の特別会計(財政投融資特別会計の財政融資資金勘定を除く。)の余裕金は、財政融資資金への預託の方法によるほか、運用してはならない。ただし、国債整理基金特別会計において国債を保有する場合は、この限りでない。

7条 (財政融資資金預託金)

1項 財政融資資金預託金 の契約上の預託期間(以下「 約定期間 」という。)は、1月を下らないものとする。

2項 財政融資資金預託金 約定期間 満了前の払戻しを受けようとするときは、預託者は、その払戻しを受けようとする日前30日を超えない範囲内で財務大臣が定める期間以前に、あらかじめその旨を財務大臣に通知しなければならない。

3項 財政融資資金預託金 には、 約定期間 に応じ、国債の利回りに即して財務大臣が定める利率により利子を付する。

4項 第2項の規定により 約定期間 満了前に払戻しを行つた金額に対しては、その金額の預託されていた期間が1月未満のときは利子を付さず、当該期間が1月以上のときは、前項の規定にかかわらず、同項の利率より低い利率であつて政令で定めるところにより財務大臣が定めるものにより利子を付する。

5項 財政融資資金預託金 に対しては、その 約定期間 満了の日又は第2項の規定により期限前の払戻しをした日のほか、約定期間1年以上の財政融資資金預託金については、6月ごとに、財務大臣が定める日に、当該預託金の経過預託期間に対する前2項の規定による利子を支払う。

6項 財政融資資金預託金 に対しては、預託金証書を発行する。

8条 (財政融資資金預託金の取扱手続)

1項 前条に規定するものを除くほか、 財政融資資金預託金 の取扱手続は、財務大臣が定める。

9条 (財政融資資金補足のための1時借入金及び融通証券並びに繰替金)

1項 財政融資資金に属する現金に不足があるときは、財政投融資特別会計の財政融資資金勘定の負担において、1時借入金をし、又は融通証券を発行して、1時これを補足することができる。この場合において、1時借入金又は融通証券に代え、国庫余裕金を繰り替えて使用することができる。

2項 前項の規定による1時借入金及び融通証券の限度額については、予算をもつて、国会の議決を経なければならない。

3項 第1項の規定により、財政投融資特別会計の財政融資資金勘定の負担において、1時借入金をし、又は融通証券を発行している場合においては、国庫余裕金を繰り替えて使用して、支払期限の到来していない1時借入金又は融通証券を償還することができる。

4項 第1項の規定による1時借入金及び融通証券並びに同項及び前項の規定による繰替金は、1年内に償還しなければならない。

10条 (財政融資資金の運用)

1項 財政融資資金は、次に掲げるものに運用することができる。

1号 国債

2号 国に対する貸付け

3号 法律の定めるところにより、予算について国会の議決を経、又は承認を得なければならない法人の発行する債券

4号 前号に規定する法人に対する貸付け

5号 地方債

6号 地方公共団体に対する貸付け

7号 特別の法律により設立された法人(第3号に規定する法人を除く。)で国、第3号に規定する法人及び地方公共団体以外の者の出資のないもののうち、特別の法律により債券を発行し得るものの発行する債券

8号 前号に規定する法人に対する貸付け

9号 外国政府、国際機関及び外国の特別の法令により設立された外国法人の発行する債券(次項において「 外国債 」という。

10号 財政融資資金をもつて引受け、応募又は買入れを行つた債券であつて政令で定めるものの金融機関その他政令で定める法人に対する貸付け

2項 前項の規定により 外国債 に運用する財政融資資金の額は、財政融資資金の総額の10分の1を超えてはならない。

3項 第1項の規定にかかわらず、財政融資資金は、 特別会計に関する法律 第66条第1項 《財務大臣は、財政融資資金において運用の財…》 源に充てるために必要があるときは、財政融資資金の運用資産以下この条において「運用資産」という。を財政融資資金勘定に帰属させ、当該運用資産について、当該帰属させた年度内に、次に掲げる措置をとることができ 各号に掲げる措置をとる必要があるときは、同項第1号に規定する信託の受益権又は同項第2号に規定する資産対応証券に運用することができる。

11条 (財政融資資金運用計画の諮問)

1項 財務大臣は、毎年度財政融資資金の運用に関して必要な計画を定め、あらかじめ財政制度等 審議会 以下「 審議会 」という。)の意見を聴かなければならない。その計画を変更しようとするときも、また同様とする。

2項 前項の場合においては、財務大臣が 審議会 の意見を聴いて定めるところにより、その資金運用計画を使途別に分類した表を、当該計画に関する書類に添付して提出しなければならない。

12条 (財政融資資金運用報告書)

1項 財務大臣は、毎年度財政融資資金運用報告書を作成し、当該年度経過後4月以内に、 審議会 に提出しなければならない。

2項 前項の報告書には、当該年度の財政融資資金の運用の状況及び運用資産の異動に関する重要な事項を記載するとともに、当該年度の財政投融資特別会計の財政融資資金勘定の貸借対照表及び損益計算書を添付しなければならない。

3項 第1項の報告書には、前項に定めるもののほか、前条第2項の分類に応じて財政融資資金の運用状況をとりまとめた表を添付しなければならない。

13条 (財政融資資金の出納執行命令権の委任)

1項 財務大臣は、財政融資資金の出納執行の命令を部下の部局の長に行わせることができる。

14条 (財政融資資金の運用に関する事務の委任)

1項 財務大臣は、財務省令で定めるところにより、財政融資資金の運用に関する事務の一部を日本銀行に取り扱わせることができる。

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