電話加入権質に関する臨時特例法《本則》

法番号:1958年法律第138号

略称: 電質法

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1条 (質権の設定)

1項 電話加入権(電気通信 事業法 1984年法律第86号。以下「 事業法 」という。)附則第9条第1項又は第2項に規定する権利をいう。以下同じ。)を有する者は、同条第1項の規定により事業法附則第3条の規定による廃止前の公衆電気通信法第38条から第38条の三までの規定がなおその効力を有する間は、この法律の定めるところにより、その電話加入権に質権を設定することができる。

2条 (質権者の範囲)

1項 電話加入権を目的とする質権を取得することができる者は、沖縄振興開発金融公庫、株式会社日本政策金融公庫、株式会社商工組合中央金庫、信用金庫、信用協同組合及び政令で定めるその他の金融機関並びに信用保証協会及び事業協同組合に限る。ただし、 民法 1896年法律第89号第500条 《 第467条の規定は、前条の場合弁済をす…》 るについて正当な利益を有する者が債権者に代位する場合を除く。について準用する。 の規定により債権者に代位する者については、この限りでない。

3条 (二重質の禁止)

1項 同1の電話加入権は、二以上の質権の目的とすることができない。

4条 (転質及び流質の禁止)

1項 民法 第348条 《転質 質権者は、その権利の存続期間内に…》 おいて、自己の責任で、質物について、転質をすることができる。 この場合において、転質をしたことによって生じた損失については、不可抗力によるものであっても、その責任を負う。 及び商法(1899年法律第48号)第515条の規定は、電話加入権を目的とする質権には、適用しない。

5条 (対抗要件等)

1項 電話加入権を目的とする質権の設定、変更、移転又は消滅は、電話取扱局(日本電信電話株式 会社 等に関する法律(1984年法律第85号)第1条の2第2項に規定する東日本電信電話株式会社又は同条第3項に規定する西日本電信電話株式会社(以下「 会社 」という。)において電話に関する現業事務を取り扱う事業所をいう。以下同じ。)に備える原簿に登録しなければ、会社その他の第三者に対抗することができない。

2項 前項の原簿及びその登録に関する事項は、政令で定める。

6条

1項 前条第1項の規定による質権の設定、変更、移転又は消滅の登録(以下「 質権の登録 」という。)の請求は、当該電話加入権に係る契約に関する事務を取り扱う電話取扱局に対し、書面をもつてしなければならない。

2項 質権の登録 を請求する書類は、 事業法 附則第9条の規定により、なおその効力を有することとされ、又はその例によることとされる事業法附則第3条の規定による廃止前の公衆電気通信法(1953年法律第97号。次項において「 旧公衆法 」という。)第38条の3第1項第1号に掲げる書類に該当する書類とみなして同項の規定を適用し、質権の登録は、電話加入権の譲渡の承認に該当するものとみなして同条第2項の規定を適用し、同条第3項の規定は、質権の登録と同条第1項第2号の差押え又は同項第3号の差押え、仮差押え若しくは仮処分との関係について準用する。

3項 次の各号のいずれかに該当する書類は、 旧公衆法 第38条の3第1項第2号又は第3号に掲げる書類に該当する書類とみなして同項の規定を適用し、同条第3項の規定は、 質権の登録 と第1号若しくは第2号の処分の制限又は第3号の仮処分との関係について準用する。

1号 電話加入権を目的とする質権の被担保債権に対する滞納処分( 国税徴収法 1959年法律第147号)による滞納処分及びその例による滞納処分をいう。)による差押えによる質権の処分の制限に関する書類

2号 電話加入権を目的とする質権の被担保債権に対する強制執行若しくは担保権の実行(その例による競売を含む。)による差押え若しくは仮差押えによる質権の処分の制限に関する命令書又は当該質権の処分の制限に関する裁判の内容を記載した書面であつて裁判所書記官が当該書面の内容が当該裁判の内容と同一であることを証明したもの

3号 電話加入権を目的とする質権に対する仮処分の命令書又は当該質権に対する仮処分に関する裁判の内容を記載した書面であつて裁判所書記官が当該書面の内容が当該裁判の内容と同一であることを証明したもの

7条 (弁済期後における届出等の催告)

1項 会社 は、質権の被担保債権の弁済期が到来した日から3月を経過してなお 第5条第1項 《電話加入権を目的とする質権の設定、変更、…》 移転又は消滅は、電話取扱局日本電信電話株式会社等に関する法律1984年法律第85号第1条の2第2項に規定する東日本電信電話株式会社又は同条第3項に規定する西日本電信電話株式会社以下「会社」という。にお の規定による質権の消滅の登録がないときは、質権者に対して、一定の期日までに当該質権の存続の届出又は消滅の登録をなすべき旨及びその届出又は登録をしないときは当該期日に消滅の登録があつたものとみなす旨を催告することができる。存続の届出があつた質権について、届出の日から3月を経過したときも、同様とする。

2項 前項の催告は、同項の期日から2週間前までにしなければならない。

8条 (質権設定者の会社に対する請求等の制限)

1項 質権が設定されている電話加入権を有する者は、質権者の承諾がなければ、 会社 に対して、電話加入権に係る契約の解除、電話加入権の譲渡の承認の請求又は総務省令で定める契約の内容の変更の請求をすることができない。

9条 (会社の通知義務)

1項 会社 は、質権が設定されている電話加入権に係る契約の解除をしようとするときは、その解除をする日から10日前までに、当該契約の内容で総務省令で定めるものを変更したときは、速やかに、質権者にその旨を通知しなければならない。

10条 (質権実行の手続)

1項 質権者が電話加入権を目的とする質権の実行をする場合においては、裁判所は、質権者の申立てにより、当該電話加入権に対する差押命令において、 会社 に対し、1月以内の期間を限り、当該電話加入権に係る契約による電気通信役務の提供を停止すべきことを命ずることができる。

11条

1項 質権者が電話加入権を目的とする質権の実行をする場合においては、裁判所は、質権者の申立てにより、質権者に当該電話加入権の換価をさせることができる。ただし、質権者が 第2条 《質権者の範囲 電話加入権を目的とする質…》 権を取得することができる者は、沖縄振興開発金融公庫、株式会社日本政策金融公庫、株式会社商工組合中央金庫、信用金庫、信用協同組合及び政令で定めるその他の金融機関並びに信用保証協会及び事業協同組合に限る。 本文に規定する者以外の者である場合は、この限りでない。

2項 質権者は、前項の規定による換価をする場合においては、当該電話加入権について鑑定人の評価を経ることを要しない。ただし、裁判所の特別の指示がある場合は、この限りでない。

12条 (返還金に対する物上代位)

1項 会社 は、質権が設定されている電話加入権に係る契約の解除をした場合において、当該電話加入権を有していた者に支払うべき金銭(以下「 返還金 」という。)があるときは、質権者から供託しなくてもよい旨の申出がある場合を除き、その 返還金 を供託しなければならない。

2項 質権者は、前項の規定により供託された 返還金 に対して、その権利を行うことができる。

13条 (手数料)

1項 第5条第1項 《電話加入権を目的とする質権の設定、変更、…》 移転又は消滅は、電話取扱局日本電信電話株式会社等に関する法律1984年法律第85号第1条の2第2項に規定する東日本電信電話株式会社又は同条第3項に規定する西日本電信電話株式会社以下「会社」という。にお の規定による質権の設定、変更若しくは移転の登録をしようとする者又は同項の原簿を閲覧しようとする者は、 会社 に対して、会社が総務大臣の認可を受けて定める額の手数料を支払わなければならない。

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