家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律《本則》

法番号:1999年法律第112号

略称: ふん尿法・家畜排せつ物法

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1条 (目的)

1項 この法律は、畜産業を営む者による家畜排せつ物の管理に関し必要な事項を定めるとともに、家畜排せつ物の処理の高度化を図るための施設の整備を計画的に促進する措置を講ずることにより、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進を図り、もって畜産業の健全な発展に資することを目的とする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 家畜排せつ物 」とは、牛、豚、鶏その他政令で定める家畜の排せつ物をいう。

3条 (管理基準)

1項 農林水産大臣は、農林水産省令で、たい肥舎その他の 家畜排せつ物 の処理又は保管の用に供する施設の構造設備及び家畜排せつ物の管理の方法に関し畜産業を営む者が遵守すべき基準(以下「 管理基準 」という。)を定めなければならない。

2項 畜産業を営む者は、 管理基準 に従い、 家畜排せつ物 を管理しなければならない。

4条 (指導及び助言)

1項 都道府県知事は、 家畜排せつ物 の適正な管理を確保するため必要があると認めるときは、畜産業を営む者に対し、 管理基準 に従った家畜排せつ物の管理が行われるよう必要な指導及び助言をすることができる。

5条 (勧告及び命令)

1項 都道府県知事は、前条の規定による指導又は助言をした場合において、畜産業を営む者がなお 管理基準 に違反していると認めるときは、当該畜産業を営む者に対し、期限を定めて、管理基準を遵守すべき旨の勧告をすることができる。

2項 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わなかったときは、当該者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

6条 (報告の徴収及び立入検査)

1項 都道府県知事は、前2条の規定の施行に必要な限度において、畜産業を営む者に対し、必要な報告を命じ、又はその職員に、畜産業を営む者の事業場に立ち入り、 家畜排せつ物 の処理若しくは保管の用に供する施設の構造設備、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2項 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3項 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

7条 (基本方針)

1項 農林水産大臣は、 家畜排せつ物 の利用の促進を図るための 基本方針 以下「 基本方針 」という。)を定めなければならない。

2項 基本方針 においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

1号 家畜排せつ物 の利用の促進に関する基本的な方向

2号 処理高度化施設(送風装置を備えたたい肥舎その他の 家畜排せつ物 の処理の高度化を図るための施設をいう。以下同じ。)の整備に関する目標の設定に関する事項

3号 家畜排せつ物 の利用の促進に関する技術の向上に関する基本的事項

4号 その他 家畜排せつ物 の利用の促進に関する重要事項

3項 農林水産大臣は、情勢の推移により必要が生じたときは、 基本方針 を変更するものとする。

4項 農林水産大臣は、 基本方針 を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

8条 (都道府県計画)

1項 都道府県は、 基本方針 に即して、農林水産省令で定めるところにより、当該都道府県における 家畜排せつ物 の利用の促進を図るための計画(以下「 都道府県計画 」という。)を定めることができる。

2項 都道府県計画 においては、整備を行う処理高度化施設の内容その他の処理高度化施設の整備に関する目標を定めるものとする。

3項 都道府県計画 においては、前項の目標のほか、次に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。

1号 家畜排せつ物 の利用の目標

2号 家畜排せつ物 の利用の促進に関する技術の研修の実施その他の技術の向上に関する事項

3号 その他 家畜排せつ物 の利用の促進に関し必要な事項

4項 都道府県は、 都道府県計画 を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、農林水産大臣に報告しなければならない。

9条 (処理高度化施設整備計画の認定)

1項 畜産業を営む者は、処理高度化施設の整備に関する計画(以下「 処理高度化施設整備計画 」という。)を作成し、これを当該 処理高度化施設整備計画 に係る処理高度化施設の所在地を管轄する都道府県知事に提出して、当該処理高度化施設整備計画が適当である旨の認定を受けることができる。

2項 処理高度化施設整備計画 には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

1号 処理高度化施設の整備の目標

2号 処理高度化施設の整備の内容及び実施時期

3号 処理高度化施設の整備の実施に伴い必要となる資金の額及びその調達方法

3項 都道府県知事は、第1項の認定の申請があった場合において、その 処理高度化施設整備計画 が、 都道府県計画 に照らし適切なものであることその他の農林水産省令で定める基準に適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

10条 (計画の変更等)

1項 前条第1項の認定を受けた者は、当該認定に係る 処理高度化施設整備計画 を変更しようとするときは、当該処理高度化施設整備計画に係る処理高度化施設の所在地を管轄する都道府県知事の認定を受けなければならない。

2項 都道府県知事は、前条第1項の認定を受けた者が当該認定に係る 処理高度化施設整備計画 前項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「 認定処理高度化施設整備計画 」という。)に従って処理高度化施設の整備を行っていないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。

3項 前条第3項の規定は、第1項の認定について準用する。

11条 (株式会社日本政策金融公庫からの資金の貸付け)

1項 株式会社日本政策金融公庫は、 株式会社日本政策金融公庫法 2007年法律第57号第11条 《業務の範囲 公庫は、その目的を達成する…》 ため、次の業務を行うものとする。 1 別表第1の中欄に掲げる者に対して、それぞれ同表の下欄に掲げる資金を貸し付ける業務同表第14号の下欄に掲げる資金を貸し付ける業務にあっては、当該資金を調達するために に規定する業務のほか、 第9条第1項 《公庫の役員等、会計参与会計参与が法人であ…》 るときは、その職務を行うべき社員及び職員は、その職務上知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。 これらの者がその職を退いた後も、同様とする。 の認定を受けた者に対し、畜産業の持続的かつ健全な発展に資する長期かつ低利の資金であって 認定処理高度化施設整備計画 に従って処理高度化施設の整備を実施するために必要なもの(他の金融機関が融通することを困難とするものであって、資本市場からの調達が困難なものに限る。)の貸付けの業務を行うことができる。

2項 前項に規定する資金の貸付けの利率、償還期限及び据置期間については、政令で定める範囲内で、株式会社日本政策金融公庫が定める。

3項 第1項の規定により株式会社日本政策金融公庫が行う同項に規定する資金の貸付けについての 株式会社日本政策金融公庫法 第11条第1項第6号 《公庫は、その目的を達成するため、次の業務…》 を行うものとする。 1 別表第1の中欄に掲げる者に対して、それぞれ同表の下欄に掲げる資金を貸し付ける業務同表第14号の下欄に掲げる資金を貸し付ける業務にあっては、当該資金を調達するために新たに発行する第12条第1項 《公庫は、業務開始の際、前条第1項各号に掲…》 げる業務の方法を定め、主務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。第31条第2項第1号 《2 前項の予算総則においては、次の事項を…》 定めるものとする。 1 次に掲げる業務ごとの政府からの借入金の限度額 イ 第11条第1項第1号の規定による別表第1第1号から第7号までの中欄に掲げる者に対して貸付けを行う業務並びに同項第2号の規定によ ロ、 第41条第2号 《区分経理 第41条 公庫は、次に掲げる業…》 務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。 1 第11条第1項第1号の規定による別表第1第1号から第7号までの中欄に掲げる者に対して貸付けを行う業務並びに同項第2号の規定による第53条 《資金の調達のための貸付債権及び社債の信託…》 及び譲渡 公庫は、第11条第1項第1号に掲げる業務及び同項第2号に掲げる業務並びに同項第5号の規定によるこれらの業務の利用者に対する情報の提供を行う業務並びに同項第6号の規定によるこれらの業務に附帯第58条 《監督 公庫は、主務大臣がこの法律又は中…》 小企業信用保険法の定めるところに従い監督する。 2 主務大臣は、公庫の運営又は管理について、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときその他この法律又は中小企業信用保険法を施行す第59条第1項 《主務大臣は、この法律又は中小企業信用保険…》 法を施行するため必要があると認めるときは、公庫若しくは受託法人第14条第4項又は第54条第2項の規定により委託を受けた法人を含む。以下この項及び第71条において同じ。に対して報告をさせ、又はその職員に第64条第1項第4号 《この法律における主務大臣は、次の各号に掲…》 げる事項の区分に応じ、当該各号に定める大臣とする。 1 役員及び職員その他管理業務に関する事項 財務大臣、農林水産大臣及び経済産業大臣 2 第11条第1項第1号の規定による別表第1第1号及び第2号の中第73条第3号 《第73条 次の各号のいずれかに該当する場…》 合には、その違反行為をした公庫の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役は、1,010,000円以下の過料に処する。 1 この法律の規定により主務大臣の認可又は承認を受けなけれ 及び別表第2第9号の規定の適用については、同法第11条第1項第6号中「掲げる業務」とあるのは「掲げる業務及び 家畜排せつ物 の管理の適正化及び利用の促進に関する法律࿸以下「家畜排せつ物法」という。)第11条第1項に規定する業務」と、同法第12条第1項中「掲げる業務」とあるのは「掲げる業務及び家畜排せつ物法第11条第1項に規定する業務」と、同法第31条第2項第1号ロ、第41条第2号及び第64条第1項第4号中「又は別表第2第2号に掲げる業務」とあるのは「、別表第2第2号に掲げる業務又は家畜排せつ物法第11条第1項に規定する業務」と、「同項第5号」とあるのは「家畜排せつ物法第11条第1項に規定する業務並びに 第11条第1項第5号 《株式会社日本政策金融公庫は、株式会社日本…》 政策金融公庫法2007年法律第57号第11条に規定する業務のほか、第9条第1項の認定を受けた者に対し、畜産業の持続的かつ健全な発展に資する長期かつ低利の資金であって認定処理高度化施設整備計画に従って処 」と、同法第53条中「同項第5号」とあるのは「家畜排せつ物法第11条第1項に規定する業務並びに 第11条第1項第5号 《株式会社日本政策金融公庫は、株式会社日本…》 政策金融公庫法2007年法律第57号第11条に規定する業務のほか、第9条第1項の認定を受けた者に対し、畜産業の持続的かつ健全な発展に資する長期かつ低利の資金であって認定処理高度化施設整備計画に従って処 」と、同法第58条及び第59条第1項中「この法律」とあるのは「この法律、家畜排せつ物法」と、同法第73条第3号中「 第11条 《株式会社日本政策金融公庫からの資金の貸付…》 け 株式会社日本政策金融公庫は、株式会社日本政策金融公庫法2007年法律第57号に規定する業務のほか、第9条第1項の認定を受けた者に対し、畜産業の持続的かつ健全な発展に資する長期かつ低利の資金であっ 」とあるのは「 第11条 《株式会社日本政策金融公庫からの資金の貸付…》 け 株式会社日本政策金融公庫は、株式会社日本政策金融公庫法2007年法律第57号に規定する業務のほか、第9条第1項の認定を受けた者に対し、畜産業の持続的かつ健全な発展に資する長期かつ低利の資金であっ 及び家畜排せつ物法第11条第1項」と、同法別表第2第9号中「又は別表第1第1号から第14号までの下欄に掲げる資金の貸付けの業務」とあるのは「、別表第1第1号から第14号までの下欄に掲げる資金の貸付けの業務又は家畜排せつ物法第11条第1項に規定する業務」とする。

12条 (研究開発の推進等)

1項 及び都道府県は、 家畜排せつ物 のたい肥化その他の利用の促進に必要な技術の向上を図るため、技術の研究開発を推進し、その成果の普及に努めるものとする。

13条 (報告の徴収)

1項 都道府県知事は、 第9条第1項 《畜産業を営む者は、処理高度化施設の整備に…》 関する計画以下「処理高度化施設整備計画」という。を作成し、これを当該処理高度化施設整備計画に係る処理高度化施設の所在地を管轄する都道府県知事に提出して、当該処理高度化施設整備計画が適当である旨の認定を の認定を受けた畜産業を営む者に対し、 認定処理高度化施設整備計画 の実施状況について報告を求めることができる。

14条 (経過措置)

1項 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

15条 (罰則)

1項 第5条第2項 《2 都道府県知事は、前項の規定による勧告…》 を受けた者がその勧告に従わなかったときは、当該者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 の規定による命令に違反した者は、510,000円以下の罰金に処する。

16条

1項 第6条第1項 《都道府県知事は、前2条の規定の施行に必要…》 な限度において、畜産業を営む者に対し、必要な報告を命じ、又はその職員に、畜産業を営む者の事業場に立ち入り、家畜排せつ物の処理若しくは保管の用に供する施設の構造設備、帳簿、書類その他の物件を検査させるこ 若しくは 第13条 《報告の徴収 都道府県知事は、第9条第1…》 項の認定を受けた畜産業を営む者に対し、認定処理高度化施設整備計画の実施状況について報告を求めることができる。 の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は 第6条第1項 《都道府県知事は、前2条の規定の施行に必要…》 な限度において、畜産業を営む者に対し、必要な報告を命じ、又はその職員に、畜産業を営む者の事業場に立ち入り、家畜排せつ物の処理若しくは保管の用に供する施設の構造設備、帳簿、書類その他の物件を検査させるこ の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、210,000円以下の罰金に処する。

17条

1項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。

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