船舶復原性規則《本則》

法番号:1956年運輸省令第76号

附則 >  

制定文 船舶復原性規則 を次のように定める。


1章 総則

1条

1項 削除

2条 (定義)

1項 この省令において「 貨物船 」とは、旅客船及び漁船以外の船舶をいう。

2項 この省令において「 漁船 」とは、 船舶安全法施行規則 1963年運輸省令第41号第1条第2項第1号 《2 この省令において「漁船」とは、次の各…》 号の1に該当する船舶をいう。 1 もつぱら漁ろう附属船舶を用いてする漁ろうを含む。以下次号において同じ。に従事する船舶 2 漁ろうに従事する船舶であつて漁獲物の保蔵又は製造の設備を有するもの 3 もつ の船舶及び同項第2号の船舶(同令第18条第2項の表第6号上欄に掲げる船舶に限る。)をいう。

3項 この省令において「 特定の水域のみを航行する船舶 」とは、沿海区域を航行区域とする船舶であつて 満載喫水線規則 1968年運輸省令第33号第79条 《特定の水域のみを航行する船舶 航行区域…》 が、平水区域からその船舶の最強速力で2時間以内に往復できる区域又は和歌山県日の御埼から徳島県弁天島南端まで引いた線、当該南端から同県蒲生田埼まで引いた線、愛媛県佐田岬から大分県鶴見埼まで引いた線、福岡 に規定するものをいう。

4項 この省令において「 ロールオン・ロールオフ旅客船 」とは、船舶設備規程(1934年逓信省令第6号)第2条第4項の ロールオン・ロールオフ旅客船 をいう。

5項 この省令において「げん甲板 」とは、 満載喫水線規則 第2条第1項 《この省令において「乾舷げん甲板」とは、船…》 舶構造規則1998年運輸省令第16号第1条第2項の上甲板をいう。げん甲板 をいう。ただし、同条第2項に規定する船舶にあつては、同項に規定する乾げん甲板とする。

6項 この省令において「 船の長さ 」とは、 満載喫水線規則 第4条 《 この省令において「船の長さ」とは、最小…》 の型深さの85パーセントの位置における計画喫水線に平行な喫水線の全長の96パーセント又はその喫水線上の船首材の前端からだ頭材の中心までの距離のうちいずれか大きいもの最小の型深さの85パーセントの位置に 船の長さ をいう。

7項 この省令において「 海水流入角 」とは、船舶の直立状態から、強度及び水密性について管海官庁が有効と認める閉鎖装置を備えない開口の下縁が水面に達するまでの横傾斜角をいう。

8項 この省令において「 復原力曲線 」とは、直角座標において、横軸に船舶の横傾斜角を、縦軸に船舶の復原てこをとり、船舶が排水量を変化することなく横傾斜したときの復原てこを標示した曲線をいう。

2条の2 (適用の特例)

1項 極海域航行船(船舶設備規程 第2条第6項 《6 この省令において「船の長さ」とは、満…》 載喫水線規則第4条の船の長さをいう。 に規定する極海域航行船をいう。以下この条及び 第10条の2 《着氷の影響 極海域航行船の復原性に関す…》 る事項の計算においては、着氷による影響を考慮しなければならない。 ただし、管海官庁が当該船舶の航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合には、この限りでない。 において同じ。)であつて公用に供するものについては、管海官庁が差し支えないと認める場合に限り、この省令の規定のうち極海域航行船に関する規定は、適用しない。

2章 復原性試験

3条 (試験の内容)

1項 復原性試験においては、傾斜試験及び動揺試験を行う。ただし、管海官庁が差し支えないと認める船舶にあつては、傾斜試験又は動揺試験を省略することがある。

4条 (傾斜試験)

1項 傾斜試験は、移動重量物を横方向に移動させることにより、船舶を横傾斜させて行うものとする。

2項 傾斜試験においては、すべての使用状態における船舶の重心の位置を算定するために必要な事項を測定するものとする。

5条 (動揺試験)

1項 動揺試験は、人の移動その他適当な方法により、船舶を横揺れさせて行うものとする。

2項 動揺試験においては、すべての使用状態における船舶の横揺れ周期を算定するために必要な事項を測定するものとする。

6条 (準備)

1項 復原性試験を受ける場合に必要な準備は、次の通りとする。

1号 風、波、潮流等による影響ができる限り少ない場所を選定し、かつ、船舶が復原性試験の実施中に予想される外力による影響をできる限り避けることができるようにけい留その他の措置をすること。

2号 船舶の完成の際にとう載すべき設備その他の物は、船内の定位置にとう載すること。

3号 船舶の完成の際にとう載しない設備その他の物で復原性試験に必要でないものは、船内から除去すること。

4号 やむを得ない事情により前2号により難い場合は、定位置にとう載しなかつたもの又は除去しなかつたものについて、その重量及びとう載位置についての詳細な資料を作成すること。

5号 船内のすべてのタンクをからにし、又は満たし、かつ、タンク以外の船内の水、油等を除去すること。

6号 やむを得ない事情によりタンクをからにし、又は満たすことが困難な場合は、タンク内の液体の自由表面による影響を正確に算定するための資料を作成すること。

7号 船内の移動しやすいとう載物は、復原性試験の実施中に移動しないように固定すること。

8号 船舶の計画トリム以外のトリムをなるべく少なくすること。

2項 傾斜試験を受ける場合に必要な準備は、前項に規定するもののほか、次の通りとする。

1号 船舶を横傾斜させるのに適当な重量のコンクリート、砂、鉄等の移動重量物でその重量を正確に測定したものを船舶にとう載すること。

2号 船舶の横傾斜角の測定に下げ振りを使用する場合は、なるべく長い下げ振り及びその動揺を少なくするための水そうを船舶にとう載すること。

3項 動揺試験を受ける場合に必要な準備は、第1項に規定するもののほか、船舶の横揺れ角をなるべく大きくすることができる人員又は適当な用具の準備とする。

3章 復原性の計算

7条 (復原性の計算)

1項 船舶のすべての使用状態における重心の位置、復原てこ、横揺れ周期その他の復原性に関する事項は、復原性試験における測定値( 第3条 《試験の内容 復原性試験においては、傾斜…》 試験及び動揺試験を行う。 ただし、管海官庁が差し支えないと認める船舶にあつては、傾斜試験又は動揺試験を省略することがある。 ただし書の規定により傾斜試験又は動揺試験を省略した場合にあつては、管海官庁が適当と認める方法により得られた値)に基づいて算定するものとする。

8条 (浮力の算入範囲)

1項 復原てこを計算する場合においては、船舶のげん甲板 下の部分及び閉囲船楼( 満載喫水線規則 第12条 《 この省令において「閉囲船楼」とは、船楼…》 の種類に応じ、次の表に掲げる要件に適合する船楼をいう。 船楼の種類 要件 船首楼 1 堅固な構造の隔壁で閉囲されていること。 2 前号の隔壁に出入口があるときは、船舶構造規則第1条第7項の告示で定める の閉囲船楼をいう。)その他これに準ずる乾げん甲板上の 構造物 以下「 構造物 」という。)以外のものの浮力は算入しない。

2項 前項の規定にかかわらず、管海官庁は、船舶の構造又はその水密性を考慮して前項の規定による浮力の算入範囲を適当に増減することができる。

9条

1項 前条の規定による浮力の算入範囲内にある 構造物 の一部が、 海水流入角 又は管海官庁が指定する横傾斜角のうちいずれか小さい横傾斜角をこえる範囲にある場合は、その構造物の浮力は算入しない。

10条 (液体の自由表面の影響)

1項 復原性に関する事項の計算においては、船内における液体の自由表面による影響を考慮しなければならない。

10条の2 (着氷の影響)

1項 極海域航行船の復原性に関する事項の計算においては、着氷による影響を考慮しなければならない。ただし、管海官庁が当該船舶の航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合には、この限りでない。

4章 旅客船の復原性の基準

11条 (基準)

1項 平水区域を航行区域とする旅客船(係留船を除く。)の復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。

1号 限界傾斜角における復原てこが風及び旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。

2号 一〇度の横傾斜角における復原てこが旋回により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。

3号 横メタセンタ高さが、0・15メートル以上であること。

2項 前項に規定する船舶以外の旅客船の復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。

1号 限界傾斜角における復原てこが風により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。

2号 一〇度の横傾斜角における復原てこが次に掲げる要件を満足するものであること。

旋回により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。

旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。

3号 横メタセンタ高さが、0・15メートル以上であること。

4号 復原力曲線 が次に掲げる要件を満足するものであること。

横軸と 復原力曲線 に囲まれた部分の面積が、次表の上欄に掲げる横傾斜角の範囲内において、それぞれ同表の下欄に掲げる値以上であること。

三〇度以上の横傾斜角において、0・2メートル以上の復原てこを有すること。

復原てこの最大値の生じる横傾斜角は、二五度以上であること。

5号 次の 復原力曲線 図における面積ABCが面積BDE以上であること。

3項 第1項に規定する船舶以外の旅客船であつて ロールオン・ロールオフ旅客船 であるものの復原性は、前項に定めるところによるほか、管海官庁が指定する使用状態において、横揺れ角が、二〇度を超えるものであつてはならない。この場合において、横揺れ角は 第15条第1項 《第11条第2項第5号の横揺れ角は、次の算…》 式で定めるものとする。 109kX1X2rs1/2度 この場合において、 rは、次項に規定する係数 kは、次表に掲げる値。ただし、ビルジキール又は方形キールを有しない船舶であつて、当該船舶のビルジ部が の規定により算定した横揺れ角とする。ただし、管海官庁が当該船舶の航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合には、この限りでない。

12条 (限界傾斜角)

1項 前条の限界傾斜角は、船舶の直立状態から、げん端が水面に達するまでの横傾斜角の5分の4の値又は一六度の横傾斜角のうちいずれか小さいものとする。

13条

1項 削除

14条 (傾斜偶力てこ)

1項 第11条第1項第1号 《平水区域を航行区域とする旅客船係留船を除…》 く。の復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風及び旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜 の風及び旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこは、次の算式で定めるものとする。

2項 第11条第1項第2号 《平水区域を航行区域とする旅客船係留船を除…》 く。の復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風及び旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜 及び第2項第2号イの旋回により生ずる傾斜偶力てこは、次の算式で定めるものとする。

3項 第11条第2項第1号 《2 前項に規定する船舶以外の旅客船の復原…》 性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜角における復原てこが次に 及び第5号の風により生ずる傾斜偶力てこは、次の算式で定めるものとする。

4項 第11条第2項第2号 《2 前項に規定する船舶以外の旅客船の復原…》 性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜角における復原てこが次に ロの旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこは、次の算式で定めるものとする。

15条 (横揺れ角)

1項 第11条第2項第5号 《2 前項に規定する船舶以外の旅客船の復原…》 性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜角における復原てこが次に の横揺れ角は、次の算式で定めるものとする。

2項 係数rは、次の算式で定めるものとする。

15条の2 (ロールオン・ロールオフ旅客船の傾斜偶力てこ及び横揺れ角)

1項 平水区域を航行区域とする ロールオン・ロールオフ旅客船 の風及び旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこは、 第14条第1項 《第11条第1項第1号の風及び旅客の移動に…》 より生ずる傾斜偶力てこは、次の算式で定めるものとする。 1.71AH+0.268Σ7-n/anb/100Wメートル この場合において、 Aは、直立状態における船舶の喫水線上の部分及び暴露部に積載する貨 の規定にかかわらず、次の算式で定めるものとする。ただし、管海官庁が当該船舶の航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合には、この限りでない。

2項 前項に規定する船舶以外の ロールオン・ロールオフ旅客船 の風により生ずる傾斜偶力てこは、 第14条第3項 《3 第11条第2項第1号及び第5号の風に…》 より生ずる傾斜偶力てこは、次の算式で定めるものとする。 kAH/Wメートル この場合において、 A、H及びWは、それぞれ第1項のA、H及びWに同じ。 kは、次表に掲げる係数 船舶の分類 k 特定の水域 の規定にかかわらず、次の算式で定めるものとする。

3項 前項の ロールオン・ロールオフ旅客船 の横揺れ角は、 第15条第1項 《第11条第2項第5号の横揺れ角は、次の算…》 式で定めるものとする。 109kX1X2rs1/2度 この場合において、 rは、次項に規定する係数 kは、次表に掲げる値。ただし、ビルジキール又は方形キールを有しない船舶であつて、当該船舶のビルジ部が の規定にかかわらず、次の算式で定めるものとする。

16条 (係留船の傾斜偶力てこ及び横揺れ角)

1項 前3条の規定にかかわらず、係留船の傾斜偶力てこ及び横揺れ角は、当該係留船の係留場所の風、波、潮流等を考慮して管海官庁が適当と認める算式で定めるものとする。

16条の2 (船の長さが24メートル未満の旅客船に対する特例)

1項 船の長さ が24メートル未満の旅客船(係留船を除く。)については、 第11条第1項 《平水区域を航行区域とする旅客船係留船を除…》 く。の復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風及び旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜 及び第2項の規定にかかわらず、次項又は第3項の規定によることができる。

2項 前項に規定する旅客船であつて平水区域を航行区域とするものの復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。

1号 横メタセンタ高さが正であること。

2号 第11条第1項第1号 《平水区域を航行区域とする旅客船係留船を除…》 く。の復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風及び旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜 に掲げる要件

3項 第1項に規定する旅客船であつて遠洋区域、近海区域又は沿海区域を航行区域とするものの復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。

1号 復原てこの最大値が船の幅の0・〇二一五倍又は0・275メートルのいずれか小さい値以上であること。この場合において、船の幅は、船体の最広部において、フレームの外面から外面までの水平距離とする。

2号 第11条第1項第1号 《平水区域を航行区域とする旅客船係留船を除…》 く。の復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風及び旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜 及び第2項第5号並びに前項第1号に掲げる要件

17条 (特殊の旅客船)

1項 特殊の構造又は形状を有する旅客船で管海官庁がこの章の規定を適用することが妥当でないと認めるものの復原性の基準は、管海官庁の適当と認めるところによる。

5章 貨物船の復原性の基準

18条 (基準)

1項 第11条第1項 《平水区域を航行区域とする旅客船係留船を除…》 く。の復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風及び旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜第2号に係る部分を除く。)の規定は、平水区域を航行区域とする 貨物船 の復原性について準用する。この場合において、同項第1号中「風及び旅客の移動」とあるのは、「風」と読み替えるものとする。

2項 第11条第2項 《2 前項に規定する船舶以外の旅客船の復原…》 性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜角における復原てこが次に第2号に係る部分を除く。)の規定は、前項に規定する船舶以外の 貨物船 の復原性について準用する。

3項 第12条 《限界傾斜角 前条の限界傾斜角は、船舶の…》 直立状態から、げん端が水面に達するまでの横傾斜角の5分の4の値又は一六度の横傾斜角のうちいずれか小さいものとする。 の規定は、 貨物船 の限界傾斜角について準用する。この場合において、同条中「前条」とあるのは、「前2項において準用する 第11条第1項第1号 《平水区域を航行区域とする旅客船係留船を除…》 く。の復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風及び旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜 及び同条第2項第1号」と読み替えるものとする。

19条 (傾斜偶力てこ)

1項 前条第1項において準用する 第11条第1項第1号 《平水区域を航行区域とする旅客船係留船を除…》 く。の復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風及び旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜 の風により生ずる傾斜偶力てこは、次の算式で定めるものとする。

20条 (船の長さが24メートル未満の貨物船に対する特例)

1項 船の長さ が24メートル未満の 貨物船 については、 第18条 《基準 第11条第1項第2号に係る部分を…》 除く。の規定は、平水区域を航行区域とする貨物船の復原性について準用する。 この場合において、同項第1号中「風及び旅客の移動」とあるのは、「風」と読み替えるものとする。 2 第11条第2項第2号に係る部 及び 第19条 《傾斜偶力てこ 前条第1項において準用す…》 る第11条第1項第1号の風により生ずる傾斜偶力てこは、次の算式で定めるものとする。 1.71AH/100Wメートル この場合において、 A、H及びWは、それぞれ第14条第1項のA、H及びWに同じ。 の規定にかかわらず、次項から第5項までの規定によることができる。

2項 前項に規定する 貨物船 であって平水区域を航行区域とするものの復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。

1号 限界傾斜角における復原てこが風により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。

2号 第16条の2第2項第1号 《2 前項に規定する旅客船であつて平水区域…》 を航行区域とするものの復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 横メタセンタ高さが正であること。 2 第11条第1項第1号に掲げる要件 に掲げる要件

3項 第1項に規定する 貨物船 であって遠洋区域、近海区域又は沿海区域を航行区域とするものの復原性は、すべての使用状態において、 第11条第2項第5号 《2 前項に規定する船舶以外の旅客船の復原…》 性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜角における復原てこが次に 並びに 第16条の2第2項第1号 《2 前項に規定する旅客船であつて平水区域…》 を航行区域とするものの復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 横メタセンタ高さが正であること。 2 第11条第1項第1号に掲げる要件 及び第3項第1号並びに前項第1号に掲げる要件に適合するものでなければならない。

4項 第12条 《限界傾斜角 前条の限界傾斜角は、船舶の…》 直立状態から、げん端が水面に達するまでの横傾斜角の5分の4の値又は一六度の横傾斜角のうちいずれか小さいものとする。 の規定は、 船の長さ が24メートル未満の 貨物船 の限界傾斜角について準用する。この場合において、同条中「前条」とあるのは、「第2項第1号」と読み替えるものとする。

5項 第19条 《傾斜偶力てこ 前条第1項において準用す…》 る第11条第1項第1号の風により生ずる傾斜偶力てこは、次の算式で定めるものとする。 1.71AH/100Wメートル この場合において、 A、H及びWは、それぞれ第14条第1項のA、H及びWに同じ。 の規定は、 船の長さ が24メートル未満の 貨物船 の傾斜偶力てこについて準用する。この場合において、同条中「前条第1項において準用する 第11条第1項第1号 《平水区域を航行区域とする旅客船係留船を除…》 く。の復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風及び旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜 」とあるのは、「第2項第1号」と読み替えるものとする。

21条 (甲板積み木材を運送する場合の特例)

1項 貨物船 げん甲板 又は船楼甲板の暴露部に木材を積載して運送する場合の 第18条第2項 《2 第11条第2項第2号に係る部分を除く…》 。の規定は、前項に規定する船舶以外の貨物船の復原性について準用する。 の規定の適用については、同項の規定にかかわらず、次に掲げる基準によることができる。

1号 横軸と 復原力曲線 に囲まれた部分の面積が、〇度から四〇度までの横傾斜角の範囲内において、0・8メートル・ラジアン以上であること。

2号 復原てこの最大値が、0・25メートル以上であること。

3号 横メタセンタ高さが、0・1メートル以上であること。

4号 一六度の横傾斜角における復原てこが、 第14条第3項 《3 第11条第2項第1号及び第5号の風に…》 より生ずる傾斜偶力てこは、次の算式で定めるものとする。 kAH/Wメートル この場合において、 A、H及びWは、それぞれ第1項のA、H及びWに同じ。 kは、次表に掲げる係数 船舶の分類 k 特定の水域 の規定により算定した傾斜偶力てこ以上であること。

5号 第11条第2項第5号 《2 前項に規定する船舶以外の旅客船の復原…》 性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜角における復原てこが次に に掲げる要件

22条

1項 削除

23条 (特殊の貨物船)

1項 特殊の構造又は形状を有する 貨物船 で管海官庁がこの章の規定を適用することが妥当でないと認めるものの復原性の基準は、管海官庁の適当と認めるところによる。

6章 漁船の復原性の基準

24条 (基準)

1項 漁船 の復原性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。

1号 横メタセンタ高さが、0・35メートル以上であること。

2号 第11条第2項第5号 《2 前項に規定する船舶以外の旅客船の復原…》 性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜角における復原てこが次に に掲げる要件

2項 前項に定めるところによるほか、 漁船 の復原性は、管海官庁が指定する使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。

1号 次の 復原力曲線 図における面積ABCと面積BDEとが等しくなる横傾斜角が一七度以下であること。

2号 前号の 復原力曲線 図における面積ABCと面積BDEとが等しくなる横傾斜角は、次の算式を満足するものでなければならない。

3項 管海官庁が特殊な方法と認める方法により漁ろうに従事する 漁船 にあつては、限界傾斜角における復原てこは、漁具等の操作により生ずる傾斜偶力てこ以上でなければならない。この場合において、限界傾斜角は当該漁船の直立状態からげん端が水面に達するまでの横傾斜角(その横傾斜角が十二度より大なるときは、十二度)とする。

24条の2 (傾斜偶力てこ)

1項 前条第2項第1号の風及び漁具等の操作により生ずる傾斜偶力てこは、次の算式で定めるものとする。

24条の3 (横揺れ角)

1項 第24条第2項第1号 《2 前項に定めるところによるほか、漁船の…》 復原性は、管海官庁が指定する使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 次の復原力曲線図における面積ABCと面積BDEとが等しくなる横傾斜角が一七度以下であること。 この場 の横揺れ角は、次の算式で定めるものとする。

25条 (特殊の漁船)

1項 特殊の構造又は形状を有する 漁船 で管海官庁が前条第1項の規定を適用することが妥当でないと認めるものの復原性の基準は、管海官庁の適当と認めるところによる。

7章 仮想状態におけるタンカーの復原性

26条 (基準)

1項 載貨重量トン数五千トン以上のタンカー(貨物倉の大部分がばら積みの液体貨物の輸送のための構造を有する船舶(専らばら積みの油( 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律 1970年法律第136号第3条第2号 《定義 第3条 この法律において、次の各号…》 に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 1 船舶 海域港則法1948年法律第174号に基づく港の区域を含む。以下同じ。において航行の用に供する船舟類をいう。 2 油 原油、重油、 に規定する油をいう。)以外の貨物の輸送の用に供されるものを除く。)をいう。以下「タンカー」という。)の復原性は、当該船舶が10分な復原性を保持することが著しく困難であるとして告示で定める 仮想状態 次条において「 仮想状態 」という。)において、次に掲げる要件(湖川港内においてのみ液体貨物の積込み、取卸し及び移送並びにバラスト水の張水、排水及び移送の作業を行う船舶にあつては、 第11条第2項第3号 《2 前項に規定する船舶以外の旅客船の復原…》 性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜角における復原てこが次に に掲げる要件)に適合するものでなければならない。ただし、ばら積みの固体貨物の輸送のための構造を有するタンカーであつて管海官庁が当該船舶の復原性を考慮して差し支えないと認めるものは、この限りでない。

1号 第11条第2項第3号 《2 前項に規定する船舶以外の旅客船の復原…》 性は、すべての使用状態において、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。 1 限界傾斜角における復原てこが風により生ずる傾斜偶力てこ以上であること。 2 一〇度の横傾斜角における復原てこが次に 及び第4号イに掲げる要件

2号 復原てこの最大値は、三〇度を超える横傾斜角において生じ、かつ、0・2メートル以上であること。ただし、三〇度以上の横傾斜角において0・2メートル以上の復原てこを有し、かつ、復原てこの最大値の生じる横傾斜角が二五度以上である場合にあつては、この限りでない。

《本則》 ここまで 附則 >  

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