東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則《本則》

法番号:2011年厚生労働省令第152号

略称: 除染電離則

附則 >   別表など >  

制定文 労働安全衛生法 1972年法律第57号及び 労働安全衛生法施行令 1972年政令第318号)の規定に基づき、並びに同法を実施するため、 東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則 を次のように定める。


1章 総則

1条 (事故由来放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る放射線障害防止の基本原則)

1項 事業者は、除染特別地域等内において、除染等業務従事者及び特定線量下業務従事者その他の労働者が電離放射線を受けることをできるだけ少なくするように努めなければならない。

2条 (定義)

1項 この省令で「事業者」とは、除染等業務又は特定線量下業務を行う事業の事業者をいう。

2項 この省令で「除染特別地域等」とは、 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法 2011年法律第110号第25条第1項 《環境大臣は、その地域及びその周辺の地域に…》 おいて検出された放射線量等からみてその地域内の事故由来放射性物質による環境の汚染が著しいと認められることその他の事情から国が土壌等の除染等の措置並びに除去土壌の収集、運搬、保管及び処分以下「除染等の措 に規定する除染特別地域又は同法第32条第1項に規定する汚染状況重点調査地域をいう。

3項 この省令で「除染等業務従事者」とは、除染等業務に従事する労働者をいう。

4項 この省令で「特定線量下業務従事者」とは、特定線量下業務に従事する労働者をいう。

5項 この省令で「電離放射線」とは、 電離放射線障害防止規則 1972年労働省令第41号。以下「 電離則 」という。第2条第1項 《この省令で「電離放射線」以下「放射線」と…》 いう。とは、次の粒子線又は電磁波をいう。 1 アルフア線、重陽子線及び陽子線 2 ベータ線及び電子線 3 中性子線 4 ガンマ線及びエツクス線 の電離放射線をいう。

6項 この省令で「事故由来放射性物質」とは、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により当該原子力発電所から放出された放射性物質( 電離則 第2条第2項の放射性物質に限る。)をいう。

7項 この省令で「除染等業務」とは、次の各号に掲げる業務( 電離則 第41条の3の処分の業務を行う事業場において行うものを除く。)をいう。

1号 除染特別地域等内における事故由来放射性物質により汚染された土壌、草木、工作物等について講ずる当該汚染に係る土壌、落葉及び落枝、水路等に堆積した汚泥等(以下「 汚染土壌等 」という。)の除去、当該汚染の拡散の防止その他の当該汚染の影響の低減のために必要な措置を講ずる業務(以下「 土壌等の除染等の業務 」という。

2号 除染特別地域等内における次のイ又はロに掲げる事故由来放射性物質により汚染された物の収集、運搬又は保管に係るもの(以下「 廃棄物収集等業務 」という。

前号又は次号の業務に伴い生じた土壌(当該土壌に含まれる事故由来放射性物質のうち厚生労働大臣が定める方法によって求めるセシウム百三十四及びセシウム137の放射能濃度の値が一万ベクレル毎キログラムを超えるものに限る。以下「 除去土壌 」という。

事故由来放射性物質により汚染された廃棄物(当該廃棄物に含まれる事故由来放射性物質のうち厚生労働大臣が定める方法によって求めるセシウム百三十四及びセシウム137の放射能濃度の値が一万ベクレル毎キログラムを超えるものに限る。以下「 汚染廃棄物 」という。

3号 前2号に掲げる業務以外の業務であって、特定 汚染土壌等 汚染土壌等であって、当該汚染土壌等に含まれる事故由来放射性物質のうち厚生労働大臣が定める方法によって求めるセシウム百三十四及びセシウム137の放射能濃度の値が一万ベクレル毎キログラムを超えるものに限る。以下同じ。)を取り扱うもの(以下「 特定汚染土壌等取扱業務 」という。

8項 この省令で「特定線量下業務」とは、除染特別地域等内における厚生労働大臣が定める方法によって求める平均空間線量率(以下単に「平均空間線量率」という。)が事故由来放射性物質により2・五マイクロシーベルト毎時を超える場所において事業者が行う除染等業務その他の 労働安全衛生法施行令 別表第2に掲げる業務以外の業務をいう。

9項 この省令で「除染等作業」とは、除染特別地域等内における除染等業務に係る作業をいう。

10項 この省令で「特定線量下作業」とは、除染特別地域等内における特定線量下業務に係る作業をいう。

2章 除染等業務における電離放射線障害の防止 > 1節 線量の限度及び測定

3条 (除染等業務従事者の被ばく限度)

1項 事業者は、除染等業務従事者の受ける実効線量が5年間につき百ミリシーベルトを超えず、かつ、1年間につき五十ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

2項 事業者は、前項の規定にかかわらず、女性の除染等業務従事者(妊娠する可能性がないと診断されたもの及び次条第1項に規定する除染等業務従事者を除く。)の受ける実効線量については、3月間につき五ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

3項 事業者は、除染等業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、除染等業務に従事する者の受ける実効線量が第1項に規定する限度を超えないようにする必要がある旨及び除染等業務に従事する女性(妊娠する可能性がないと診断されたもの及び次条第2項に規定する女性を除く。)の受ける実効線量については、第1項の規定にかかわらず、前項に規定する限度を超えないようにする必要がある旨を周知させなければならない。

4条

1項 事業者は、妊娠と診断された女性の除染等業務従事者の受ける線量が、妊娠と診断されたときから出産までの間(以下「 妊娠中 」という。)につき次の各号に掲げる線量の区分に応じて、それぞれ当該各号に定める値を超えないようにしなければならない。

1号 内部被ばくによる実効線量一ミリシーベルト

2号 腹部表面に受ける等価線量二ミリシーベルト

2項 事業者は、除染等業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、除染等業務に従事する者のうち妊娠と診断された女性の受ける線量が、 妊娠中 につき前項各号に掲げる線量の区分に応じて、それぞれ当該各号に定める値を超えないようにする必要がある旨を周知させなければならない。

5条 (線量の測定)

1項 事業者は、除染等業務従事者( 特定汚染土壌等取扱業務 に従事する労働者にあっては、平均空間線量率が2・五マイクロシーベルト毎時以下の場所においてのみ特定汚染土壌等取扱業務に従事する者を除く。第6項及び第8項並びに次条及び 第27条第2項 《2 第6条第2項、第25条の5第2項又は…》 第25条の9の記録を作成し、保存する事業者は、除染等業務従事者又は特定線量下業務従事者が離職するとき又は事業を廃止しようとするときは、当該除染等業務従事者又は当該特定線量下業務従事者に対し、当該記録の において同じ。)が除染等作業により受ける外部被ばくによる線量を測定しなければならない。

2項 事業者は、前項の規定による線量の測定に加え、除染等業務従事者が除染特別地域等内(平均空間線量率が2・五マイクロシーベルト毎時を超える場所に限る。第8項、第10項、第11項及び 第10条 《作業の届出 事業者労働安全衛生法以下「…》 法」という。第15条第1項に規定する元方事業者に該当する者がいる場合にあっては、当該元方事業者に限る。は、除染特別地域等内において土壌等の除染等の業務又は特定汚染土壌等取扱業務を行おうとするときは、あ において同じ。)における除染等作業により受ける内部被ばくによる線量の測定又は内部被ばくに係る検査を次の各号に定めるところにより行わなければならない。

1号 汚染土壌等 又は 除去土壌 若しくは 汚染廃棄物 これらに含まれる事故由来放射性物質のうち厚生労働大臣が定める方法によって求めるセシウム百三十四及びセシウム137の放射能濃度の値が五十万ベクレル毎キログラムを超えるものに限る。次号において「 高濃度汚染土壌等 」という。)を取り扱う作業であって、粉じん濃度が十ミリグラム毎立方メートルを超える場所において行われるものに従事する除染等業務従事者については、3月以内(1月間に受ける実効線量が1・七ミリシーベルトを超えるおそれのある女性(妊娠する可能性がないと診断されたものを除く。及び 妊娠中 の女性にあっては1月以内)ごとに一回内部被ばくによる線量の測定を行うこと。

2号 次のイ又はロに掲げる作業に従事する除染等業務従事者については、厚生労働大臣が定める方法により内部被ばくに係る検査を行うこと。

高濃度汚染土壌等 を取り扱う作業であって、粉じん濃度が十ミリグラム毎立方メートル以下の場所において行われるもの

高濃度汚染土壌等 以外の 汚染土壌等 又は 除去土壌 若しくは 汚染廃棄物 を取り扱う作業であって、粉じん濃度が十ミリグラム毎立方メートルを超える場所において行われるもの

3項 事業者は、前項第2号の規定に基づき除染等業務従事者に行った検査の結果が内部被ばくについて厚生労働大臣が定める基準を超えた場合においては、当該除染等業務従事者について、同項第1号で定める方法により内部被ばくによる線量の測定を行わなければならない。

4項 第1項の規定による外部被ばくによる線量の測定は、一センチメートル線量当量について行うものとする。

5項 第1項の規定による外部被ばくによる線量の測定は、男性又は妊娠する可能性がないと診断された女性にあっては胸部に、その他の女性にあっては腹部に放射線測定器を装着させて行わなければならない。

6項 前2項の規定にかかわらず、事業者は、除染等業務従事者の除染特別地域等内(平均空間線量率が2・五マイクロシーベルト毎時以下の場所に限る。)における除染等作業により受ける第1項の規定による外部被ばくによる線量の測定を厚生労働大臣が定める方法により行うことができる。

7項 第2項の規定による内部被ばくによる線量の測定に当たっては、厚生労働大臣が定める方法によってその値を求めるものとする。

8項 除染等業務従事者は、除染特別地域等内における除染等作業を行う場所において、放射線測定器を装着しなければならない。

9項 事業者は、除染等業務( 特定汚染土壌等取扱業務 にあっては、平均空間線量率が2・五マイクロシーベルト毎時以下の場所においてのみ行われるものを除く。以下この項から第11項までにおいて同じ。)の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、除染等業務に従事する者が除染等作業により受ける外部被ばくによる線量を第4項から第6項までに定めるところにより測定する必要がある旨を周知させなければならない。

10項 事業者は、除染等業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、除染等業務に従事する者が除染特別地域等内における除染等作業により受ける内部被ばくによる線量の測定又は内部被ばくに係る検査を、第2項各号、第3項及び第7項に定めるところにより行う必要がある旨を周知させなければならない。

11項 事業者は、除染等業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、除染特別地域等内における除染等作業を行う場所において、放射線測定器を装着する必要がある旨を周知させなければならない。

6条 (線量の測定結果の確認、記録等)

1項 事業者は、1日における外部被ばくによる線量が一センチメートル線量当量について一ミリシーベルトを超えるおそれのある除染等業務従事者については、前条第1項の規定による外部被ばくによる線量の測定の結果を毎日確認しなければならない。

2項 事業者は、前条第5項から第7項までの規定による測定又は計算の結果に基づき、次の各号に掲げる除染等業務従事者の線量を、遅滞なく、厚生労働大臣が定める方法により算定し、これを記録し、これを30年間保存しなければならない。ただし、当該記録を5年間保存した後又は当該除染等業務従事者に係る記録を当該除染等業務従事者が離職した後において、厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは、この限りでない。

1号 男性又は妊娠する可能性がないと診断された女性の実効線量の3月ごと、1年ごと及び5年ごとの合計(5年間において、実効線量が1年間につき二十ミリシーベルトを超えたことのない者にあっては、3月ごと及び1年ごとの合計

2号 女性(妊娠する可能性がないと診断されたものを除く。)の実効線量の1月ごと、3月ごと及び1年ごとの合計(1月間に受ける実効線量が1・七ミリシーベルトを超えるおそれのないものにあっては、3月ごと及び1年ごとの合計

3号 妊娠中 の女性の内部被ばくによる実効線量及び腹部表面に受ける等価線量の1月ごと及び妊娠中の合計

3項 事業者は、前項の規定による記録に基づき、除染等業務従事者に同項各号に掲げる線量を、遅滞なく、知らせなければならない。

2節 除染等業務の実施に関する措置

7条 (事前調査等)

1項 事業者は、除染等業務( 特定汚染土壌等取扱業務 を除く。)を行おうとするときは、あらかじめ、除染等作業(特定汚染土壌等取扱業務に係る除染等作業(以下「 特定 汚染土壌等 取扱作業 」という。以下同じ。)を除く。以下この項及び第3項において同じ。)を行う場所について、次の各号に掲げる事項を調査し、その結果を記録しておかなければならない。

1号 除染等作業の場所の状況

2号 除染等作業の場所の平均空間線量率

3号 除染等作業の対象となる 汚染土壌等 又は 除去土壌 若しくは 汚染廃棄物 に含まれる事故由来放射性物質のうち厚生労働大臣が定める方法によって求めるセシウム百三十四及びセシウム137の放射能濃度の値

2項 事業者は、 特定汚染土壌等取扱業務 を行うときは、当該業務の開始前及び開始後2週間ごとに、 特定汚染土壌等取扱作業 を行う場所について、前項各号に掲げる事項を調査し、その結果を記録しておかなければならない。

3項 事業者は、労働者を除染等作業に従事させる場合には、あらかじめ、第1項の調査が終了した年月日並びに調査の方法及び結果の概要を当該労働者(当該除染等作業の一部を請負人に請け負わせたときは、当該労働者及び当該請負人)に明示しなければならない。

4項 事業者は、労働者を 特定汚染土壌等取扱作業 に従事させる場合には、当該作業の開始前及び開始後2週間ごとに、第2項の調査が終了した年月日並びに調査の方法及び結果の概要を当該労働者(当該特定汚染土壌等取扱作業の一部を請負人に請け負わせたときは、当該労働者及び当該請負人)に明示しなければならない。

8条 (作業計画)

1項 事業者は、除染等業務( 特定汚染土壌等取扱業務 にあっては、平均空間線量率が2・五マイクロシーベルト毎時以下の場所において行われるものを除く。次条及び 第20条第1項 《事業者は、除染等業務に常時従事する除染等…》 業務従事者に対し、雇入れ又は当該業務に配置替えの際及びその後6月以内ごとに一回、定期に、次の各号に掲げる項目について医師による健康診断を行わなければならない。 1 被ばく歴の有無被ばく歴を有する者につ において同じ。)を行おうとするときは、あらかじめ、除染等作業( 特定汚染土壌等取扱作業 にあっては、平均空間線量率が2・五マイクロシーベルト毎時以下の場所において行われるものを除く。以下この条及び次条において同じ。)の作業計画を定め、かつ、当該作業計画により除染等作業を行わなければならない。

2項 前項の作業計画は、次の各号に掲げる事項が示されているものでなければならない。

1号 除染等作業の場所及び除染等作業の方法

2号 除染等業務従事者( 特定汚染土壌等取扱業務 に従事する労働者にあっては、平均空間線量率が2・五マイクロシーベルト毎時以下の場所において従事するものを除く。以下この条、次条、 第20条 《健康診断 事業者は、除染等業務に常時従…》 事する除染等業務従事者に対し、雇入れ又は当該業務に配置替えの際及びその後6月以内ごとに一回、定期に、次の各号に掲げる項目について医師による健康診断を行わなければならない。 1 被ばく歴の有無被ばく歴を から 第23条 《健康診断の結果の通知 事業者は、除染等…》 電離放射線健康診断を受けた除染等業務従事者に対し、遅滞なく、当該除染等電離放射線健康診断の結果を通知しなければならない。 まで及び 第28条第2項 《2 除染等電離放射線健康診断個人票を作成…》 し、保存する事業者は、除染等業務従事者が離職するとき又は事業を廃止しようとするときは、当該除染等業務従事者に対し、当該除染等電離放射線健康診断個人票の写しを交付しなければならない。 において同じ。)の被ばく線量の測定方法

3号 除染等業務従事者の被ばくを低減するための措置

4号 除染等作業に使用する機械、器具その他の設備(次条第2号及び 第19条第1項 《事業者は、除染等業務に労働者を就かせると…》 きは、当該労働者に対し、次の各号に掲げる科目について、特別の教育を行わなければならない。 1 電離放射線の生体に与える影響及び被ばく線量の管理の方法に関する知識 2 除染等作業の方法に関する知識 3 において「 機械等 」という。)の種類及び能力

5号 労働災害が発生した場合の応急の措置

3項 事業者は、第1項の作業計画を定めたときは、前項の規定により示される事項について関係労働者に周知しなければならない。

9条 (作業の指揮者)

1項 事業者は、除染等業務を行うときは、除染等作業を指揮するため必要な能力を有すると認められる者のうちから、当該除染等作業の指揮者を定め、その者に前条第1項の作業計画に基づき当該除染等作業の指揮を行わせるとともに、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。

1号 除染等作業の手順及び除染等業務従事者の配置を決定すること。

2号 除染等作業に使用する 機械等 の機能を点検し、不良品を取り除くこと。

3号 放射線測定器及び保護具の使用状況を監視すること。

4号 除染等作業を行う箇所には、関係者以外の者を立ち入らせないこと。

10条 (作業の届出)

1項 事業者( 労働安全衛生法 以下「」という。第15条第1項 《事業者で、1の場所において行う事業の仕事…》 の一部を請負人に請け負わせているもの当該事業の仕事の一部を請け負わせる契約が二以上あるため、その者が二以上あることとなるときは、当該請負契約のうちの最も先次の請負契約における注文者とする。以下「元方事 に規定する元方事業者に該当する者がいる場合にあっては、当該元方事業者に限る。)は、除染特別地域等内において 土壌等の除染等の業務 又は 特定汚染土壌等取扱業務 を行おうとするときは、あらかじめ、様式第1号による届書を当該事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「 所轄労働基準監督署長 」という。)に提出しなければならない。

11条 (診察等)

1項 事業者は、次の各号のいずれかに該当する除染等業務従事者に、速やかに、医師の診察又は処置を受けさせなければならない。

1号 第3条第1項 《事業者は、除染等業務従事者の受ける実効線…》 量が5年間につき百ミリシーベルトを超えず、かつ、1年間につき五十ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。 に規定する限度を超えて実効線量を受けた者

2号 事故由来放射性物質を誤って吸入摂取し、又は経口摂取した者

3号 洗身等により汚染を四十ベクレル毎平方センチメートル以下にすることができない者

4号 傷創部が汚染された者

2項 事業者は、前項各号のいずれかに該当する除染等業務従事者があるときは、速やかに、その旨を 所轄労働基準監督署長 に報告しなければならない。

3項 事業者は、除染等業務の一部を請負人に請け負わせる場合においては、当該請負人に対し、除染等業務に従事する者が第1項各号のいずれかに該当するときは、速やかに医師の診察又は処置を受ける必要がある旨を周知させなければならない。

3節 汚染の防止

12条 (粉じんの発散を抑制するための措置)

1項 事業者は、除染等作業( 特定汚染土壌等取扱作業 を除く。以下この条において同じ。)のうち 第5条第2項 《2 事業者は、前項の規定による線量の測定…》 に加え、除染等業務従事者が除染特別地域等内平均空間線量率が2・五マイクロシーベルト毎時を超える場所に限る。第8項、第10項、第11項及び第10条において同じ。における除染等作業により受ける内部被ばくに 各号に規定するものを除染等業務従事者( 特定汚染土壌等取扱業務 に従事する労働者を除く。)に行わせるときは、当該除染等作業の対象となる 汚染土壌等 又は 除去土壌 若しくは 汚染廃棄物 を湿潤な状態にする等粉じんの発散を抑制するための措置を講じなければならない。

2項 事業者は、除染等作業のうち 第5条第2項 《2 事業者は、前項の規定による線量の測定…》 に加え、除染等業務従事者が除染特別地域等内平均空間線量率が2・五マイクロシーベルト毎時を超える場所に限る。第8項、第10項、第11項及び第10条において同じ。における除染等作業により受ける内部被ばくに 各号に規定するものの一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、当該除染等作業の対象となる 汚染土壌等 又は 除去土壌 若しくは 汚染廃棄物 を湿潤な状態にする等粉じんの発散を抑制するための措置を講ずる必要がある旨を周知させなければならない。

13条 (廃棄物収集等業務を行う際の容器の使用等)

1項 事業者は、 廃棄物収集等業務 を行うときは、汚染の拡大を防止するため、容器を用いなければならない。ただし、容器に入れることが著しく困難なものについて、 除去土壌 又は 汚染廃棄物 が飛散し、及び流出しないように必要な措置を講じたときは、この限りでない。

2項 事業者は、前項本文の容器については、次の各号に掲げる 廃棄物収集等業務 の区分に応じ、当該各号に定める構造を具備したものを用いなければならない。

1号 除去土壌 又は 汚染廃棄物 の収集又は保管に係る業務除去土壌又は汚染廃棄物が飛散し、及び流出するおそれがないもの

2号 除去土壌 又は 汚染廃棄物 の運搬に係る業務除去土壌又は汚染廃棄物が飛散し、及び流出するおそれがないものであって、容器の表面(容器をこん包するときは、そのこん包の表面)から1メートルの距離における一センチメートル線量当量率が、0・一ミリシーベルト毎時を超えないもの。ただし、容器を専用積載で運搬する場合であって、運搬車の前面、後面及び両側面(車両が開放型のものである場合にあっては、その外輪郭に接する垂直面)から1メートルの距離における一センチメートル線量当量率の最大値が0・一ミリシーベルト毎時を超えないように、放射線を遮蔽する等必要な措置を講ずるときは、この限りでない。

3項 事業者は、第1項本文の容器には、 除去土壌 又は 汚染廃棄物 を入れるものである旨を表示しなければならない。

4項 事業者は、 除去土壌 又は 汚染廃棄物 を保管するときは、第1項本文の容器を用い、又は同項ただし書の措置を講ずるほか、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

1号 除去土壌 又は 汚染廃棄物 を保管していることを標識により明示すること。

2号 関係者以外の者が立ち入ることを禁止するため、囲い等を設けること。

14条 (退出者の汚染検査)

1項 事業者は、除染等業務が行われる作業場又はその近隣の場所に汚染検査場所を設け、除染等作業を行わせた除染等業務従事者が当該作業場から退出するときは、その身体及び衣服、履物、作業衣、保護具等身体に装着している物(以下この条において「 装具 」という。)の汚染の状態を検査しなければならない。

2項 事業者は、前項の検査により除染等業務従事者の身体又は 装具 が四十ベクレル毎平方センチメートルを超えて汚染されていると認められるときは、同項の汚染検査場所において次の各号に掲げる措置を講じなければ、当該除染等業務従事者を同項の作業場から退出させてはならない。

1号 身体が汚染されているときは、その汚染が四十ベクレル毎平方センチメートル以下になるように洗身等をさせること。

2号 装具 が汚染されているときは、その装具を脱がせ、又は取り外させること。

3項 除染等業務従事者は、前項の規定による事業者の指示に従い、洗身等をし、又は 装具 を脱ぎ、若しくは取り外さなければならない。

4項 第1項の作業場において除染等作業に従事する者(労働者を除く。)は、当該作業場から退去するときは、同項の汚染検査場所において、その身体及び 装具 の汚染の状態を検査しなければならない。

5項 前項の者は、同項の検査によりその身体又は 装具 が四十ベクレル毎平方センチメートルを超えて汚染されていると認められるときは、第1項の汚染検査場所において次の措置を講じなければ、同項の作業場から退出してはならない。

1号 身体が汚染されているときは、その汚染が四十ベクレル毎平方センチメートル以下になるように洗身等をすること。

2号 装具 が汚染されているときは、その装具を脱ぎ、又は取り外すこと。

15条 (持出し物品の汚染検査)

1項 事業者は、除染等業務が行われる作業場から持ち出す物品については、持出しの際に、前条第1項の汚染検査場所において、その汚染の状態を検査しなければならない。ただし、 第13条第1項 《事業者は、廃棄物収集等業務を行うときは、…》 汚染の拡大を防止するため、容器を用いなければならない。 ただし、容器に入れることが著しく困難なものについて、除去土壌又は汚染廃棄物が飛散し、及び流出しないように必要な措置を講じたときは、この限りでない 本文の容器を用い、又は同項ただし書の措置を講じて、他の除染等業務が行われる作業場まで運搬するときは、この限りでない。

2項 事業者及び労働者は、前項の検査により、当該物品が四十ベクレル毎平方センチメートルを超えて汚染されていると認められるときは、その物品を持ち出してはならない。ただし、 第13条第1項 《事業者は、廃棄物収集等業務を行うときは、…》 汚染の拡大を防止するため、容器を用いなければならない。 ただし、容器に入れることが著しく困難なものについて、除去土壌又は汚染廃棄物が飛散し、及び流出しないように必要な措置を講じたときは、この限りでない 本文の容器を用い、又は同項ただし書の措置を講じて、汚染を除去するための施設、貯蔵施設若しくは廃棄のための施設又は他の除染等業務が行われる作業場まで運搬するときは、この限りでない。

3項 第1項の作業場において除染等作業に従事する者(労働者を除く。)は、当該作業場から持ち出す物品については、持出しの際に、前条第1項の汚染検査場所において、その汚染の状態を検査しなければならない。ただし、第1項ただし書の場合は、この限りでない。

4項 前項の者は、同項の検査により、当該物品が四十ベクレル毎平方センチメートルを超えて汚染されていると認められるときは、その物品を持ち出してはならない。ただし、第2項ただし書の場合は、この限りでない。

16条 (保護具)

1項 事業者は、除染等作業のうち 第5条第2項 《2 事業者は、前項の規定による線量の測定…》 に加え、除染等業務従事者が除染特別地域等内平均空間線量率が2・五マイクロシーベルト毎時を超える場所に限る。第8項、第10項、第11項及び第10条において同じ。における除染等作業により受ける内部被ばくに 各号に規定するものを除染等業務従事者に行わせるときは、当該除染等作業の内容に応じて厚生労働大臣が定める区分に従って、防じんマスク等の有効な呼吸用保護具、汚染を防止するために有効な保護衣類、手袋又は履物を備え、これらを当該除染等作業に従事する除染等業務従事者に使用させなければならない。

2項 除染等業務従事者は、前項の作業に従事する間、同項の保護具を使用しなければならない。

3項 事業者は、第1項の除染等作業の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、同項の保護具を使用する必要がある旨を周知させなければならない。

17条 (保護具の汚染除去)

1項 事業者は、前条第1項の規定により使用させる保護具が四十ベクレル毎平方センチメートルを超えて汚染されていると認められるときは、あらかじめ、洗浄等により四十ベクレル毎平方センチメートル以下になるまで汚染を除去しなければ、除染等業務従事者に使用させてはならない。

2項 事業者は、前条第1項の除染等作業の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、同条第3項の規定に基づく周知により使用する保護具が四十ベクレル毎平方センチメートルを超えて汚染されていると認められるときは、あらかじめ洗浄等により四十ベクレル毎平方センチメートル以下になるまで汚染を除去しなければ使用してはならない旨を周知させなければならない。

18条 (喫煙等の禁止)

1項 事業者は、除染等業務を行うときは、事故由来放射性物質を吸入摂取し、又は経口摂取するおそれのある作業場における除染等業務に従事する者の喫煙又は飲食について、禁止する旨を明示することその他の方法により禁止するとともに、明示以外の方法により禁止したときは、当該作業場において喫煙又は飲食が禁止されている旨を、あらかじめ、当該者に明示しなければならない。

2項 前項の作業場において除染等業務に従事する者は、当該作業場で喫煙し、又は飲食してはならない。

4節 特別の教育

19条 (除染等業務に係る特別の教育)

1項 事業者は、除染等業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、次の各号に掲げる科目について、特別の教育を行わなければならない。

1号 電離放射線の生体に与える影響及び被ばく線量の管理の方法に関する知識

2号 除染等作業の方法に関する知識

3号 除染等作業に使用する 機械等 の構造及び取扱いの方法に関する知識( 特定汚染土壌等取扱業務 に労働者を就かせるときは、 特定汚染土壌等取扱作業 に使用する機械等の名称及び用途に関する知識に限る。

4号 関係法令

5号 除染等作業の方法及び使用する 機械等 の取扱い( 特定汚染土壌等取扱業務 に労働者を就かせるときは、 特定汚染土壌等取扱作業 の方法に限る。

2項 労働安全衛生規則(1972年労働省令第32号)第37条及び第38条並びに前項に定めるほか、同項の特別の教育の実施について必要な事項は、厚生労働大臣が定める。

5節 健康診断

20条 (健康診断)

1項 事業者は、除染等業務に常時従事する除染等業務従事者に対し、雇入れ又は当該業務に配置替えの際及びその後6月以内ごとに一回、定期に、次の各号に掲げる項目について医師による健康診断を行わなければならない。

1号 被ばく歴の有無(被ばく歴を有する者については、作業の場所、内容及び期間、放射線障害の有無、自覚症状の有無その他放射線による被ばくに関する事項)の調査及びその評価

2号 白血球数及び白血球100分率の検査

3号 赤血球数の検査及び血色素量又はヘマトクリット値の検査

4号 白内障に関する眼の検査

5号 皮膚の検査

2項 前項の規定にかかわらず、同項の健康診断(定期のものに限る。以下この項において同じ。)を行おうとする日の属する年の前年1年間に受けた実効線量が五ミリシーベルトを超えず、かつ、当該健康診断を行おうとする日の属する1年間に受ける実効線量が五ミリシーベルトを超えるおそれのない者に対する当該健康診断については、同項第2号から第5号までに掲げる項目は、医師が必要と認めないときには、行うことを要しない。

21条 (健康診断の結果の記録)

1項 事業者は、前条第1項の健康診断( 第66条第5項 《5 労働者は、前各項の規定により事業者が…》 行なう健康診断を受けなければならない。 ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健 ただし書の場合において当該除染等業務従事者が受けた健康診断を含む。以下「 除染等電離放射線健康診断 」という。)の結果に基づき、 除染等電離放射線健康診断 個人票(様式第2号)を作成し、これを30年間保存しなければならない。ただし、当該記録を5年間保存した後又は当該除染等業務従事者に係る記録を当該除染等業務従事者が離職した後において、厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは、この限りでない。

22条 (健康診断の結果についての医師からの意見聴取)

1項 除染等電離放射線健康診断 の結果に基づく 第66条の4 《健康診断の結果についての医師等からの意見…》 聴取 事業者は、第66条第1項から第4項まで若しくは第5項ただし書又は第66条の2の規定による健康診断の結果当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に係るものに限る。に基づき、当該労働 の規定による医師からの意見聴取は、次の各号に定めるところにより行わなければならない。

1号 除染等電離放射線健康診断 が行われた日( 第66条第5項 《5 労働者は、前各項の規定により事業者が…》 行なう健康診断を受けなければならない。 ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健 ただし書の場合にあっては、当該除染等業務従事者が健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出した日)から3月以内に行うこと。

2号 聴取した医師の意見を 除染等電離放射線健康診断 個人票に記載すること。

2項 事業者は、医師から、前項の意見聴取を行う上で必要となる労働者の業務に関する情報を求められたときは、速やかに、これを提供しなければならない。

23条 (健康診断の結果の通知)

1項 事業者は、 除染等電離放射線健康診断 を受けた除染等業務従事者に対し、遅滞なく、当該除染等電離放射線健康診断の結果を通知しなければならない。

24条 (健康診断結果報告)

1項 事業者は、 除染等電離放射線健康診断 定期のものに限る。)を行ったときは、遅滞なく、除染等電離放射線健康診断結果報告書(様式第3号)を 所轄労働基準監督署長 に提出しなければならない。

25条 (健康診断等に基づく措置)

1項 事業者は、 除染等電離放射線健康診断 の結果、放射線による障害が生じており、若しくはその疑いがあり、又は放射線による障害が生ずるおそれがあると認められる者については、その障害、疑い又はおそれがなくなるまで、就業する場所又は業務の転換、被ばく時間の短縮、作業方法の変更等健康の保持に必要な措置を講じなければならない。

3章 特定線量下業務における電離放射線障害の防止 > 1節 線量の限度及び測定

25条の2 (特定線量下業務従事者の被ばく限度)

1項 事業者は、特定線量下業務従事者の受ける実効線量が5年間につき百ミリシーベルトを超えず、かつ、1年間につき五十ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

2項 事業者は、前項の規定にかかわらず、女性の特定線量下業務従事者(妊娠する可能性がないと診断されたもの及び次条第1項に規定する特定線量下業務従事者を除く。)の受ける実効線量については、3月間につき五ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

3項 事業者は、特定線量下業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、特定線量下業務に従事する者の受ける実効線量が第1項に規定する限度を超えないようにする必要がある旨及び特定線量下業務に従事する女性(妊娠する可能性がないと診断されたもの及び次条第2項に規定する女性を除く。)が受ける実効線量については、第1項の規定にかかわらず、前項に規定する限度を超えないようにする必要がある旨を周知させなければならない。

25条の3

1項 事業者は、妊娠と診断された女性の特定線量下業務従事者の腹部表面に受ける等価線量が、 妊娠中 につき二ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

2項 事業者は、特定線量下業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、特定線量下業務に従事する者のうち妊娠と診断された女性の腹部表面に受ける等価線量が、 妊娠中 につき前項に規定する限度を超えないようにする必要がある旨を周知させなければならない。

25条の4 (線量の測定)

1項 事業者は、特定線量下業務従事者が特定線量下作業により受ける外部被ばくによる線量を測定しなければならない。

2項 前項の規定による外部被ばくによる線量の測定は、一センチメートル線量当量について行うものとする。

3項 第1項の規定による外部被ばくによる線量の測定は、男性又は妊娠する可能性がないと診断された女性にあっては胸部に、その他の女性にあっては腹部に放射線測定器を装着させて行わなければならない。

4項 特定線量下業務従事者は、除染特別地域等内における特定線量下作業を行う場所において、放射線測定器を装着しなければならない。

5項 事業者は、特定線量下業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、特定線量下業務に従事する者が特定線量下作業により受ける外部被ばくによる線量を、第2項及び第3項に定めるところにより測定する必要がある旨を周知させなければならない。

6項 事業者は、特定線量下業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、除染特別地域等内における特定線量下作業を行う場所においては、放射線測定器を装着する必要がある旨を周知させなければならない。

25条の5 (線量の測定結果の確認、記録等)

1項 事業者は、1日における外部被ばくによる線量が一センチメートル線量当量について一ミリシーベルトを超えるおそれのある特定線量下業務従事者については、前条第1項の規定による外部被ばくによる線量の測定の結果を毎日確認しなければならない。

2項 事業者は、前条第3項の規定による測定に基づき、次の各号に掲げる特定線量下業務従事者の線量を、遅滞なく、厚生労働大臣が定める方法により算定し、これを記録し、これを30年間保存しなければならない。ただし、当該記録を5年間保存した後又は当該特定線量下業務従事者に係る記録を当該特定線量下業務従事者が離職した後において、厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは、この限りでない。

1号 男性又は妊娠する可能性がないと診断された女性の実効線量の3月ごと、1年ごと及び5年ごとの合計(5年間において、実効線量が1年間につき二十ミリシーベルトを超えたことのない者にあっては、3月ごと及び1年ごとの合計

2号 女性(妊娠する可能性がないと診断されたものを除く。)の実効線量の1月ごと、3月ごと及び1年ごとの合計(1月間に受ける実効線量が1・七ミリシーベルトを超えるおそれのないものにあっては、3月ごと及び1年ごとの合計

3号 妊娠中 の女性の腹部表面に受ける等価線量の1月ごと及び妊娠中の合計

3項 事業者は、前項の規定による記録に基づき、特定線量下業務従事者に同項各号に掲げる線量を、遅滞なく、知らせなければならない。

2節 特定線量下業務の実施に関する措置

25条の6 (事前調査等)

1項 事業者は、特定線量下業務を行うときは、当該業務の開始前及び開始後2週間ごとに、特定線量下作業を行う場所について、当該場所の平均空間線量率を調査し、その結果を記録しておかなければならない。

2項 事業者は、労働者を特定線量下作業に従事させる場合には、当該作業の開始前及び開始後2週間ごとに、前項の調査が終了した年月日並びに調査の方法及び結果の概要を当該労働者(当該作業の一部を請負人に請け負わせたときは、当該労働者及び当該請負人)に明示しなければならない。

25条の7 (診察等)

1項 事業者は、次の各号のいずれかに該当する特定線量下業務従事者に、速やかに、医師の診察又は処置を受けさせなければならない。

1号 第25条の2第1項 《事業者は、特定線量下業務従事者の受ける実…》 効線量が5年間につき百ミリシーベルトを超えず、かつ、1年間につき五十ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。 に規定する限度を超えて実効線量を受けた者

2号 事故由来放射性物質を誤って吸入摂取し、又は経口摂取した者

3号 洗身等により汚染を四十ベクレル毎平方センチメートル以下にすることができない者

4号 傷創部が汚染された者

2項 事業者は、前項各号のいずれかに該当する特定線量下業務従事者があるときは、速やかに、その旨を 所轄労働基準監督署長 に報告しなければならない。

3項 事業者は、特定線量下業務の一部を請負人に請け負わせる場合においては、当該請負人に対し、特定線量下業務に従事する者が第1項各号のいずれかに該当するときは、速やかに医師の診察又は処置を受ける必要がある旨を周知させなければならない。

3節 特別の教育

25条の8 (特定線量下業務に係る特別の教育)

1項 事業者は、特定線量下業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、次の各号に掲げる科目について、特別の教育を行わなければならない。

1号 電離放射線の生体に与える影響及び被ばく線量の管理の方法に関する知識

2号 放射線測定の方法等に関する知識

3号 関係法令

2項 労働安全衛生規則第37条及び第38条並びに前項に定めるほか、同項の特別の教育の実施について必要な事項は、厚生労働大臣が定める。

4節 被ばく歴の調査

25条の9

1項 事業者は、特定線量下業務従事者に対し、雇入れ又は特定線量下業務に配置換えの際、被ばく歴の有無(被ばく歴を有する者については、作業の場所、内容及び期間その他放射線による被ばくに関する事項)の調査を行い、これを記録し、これを30年間保存しなければならない。ただし、当該記録を5年間保存した後又は当該特定線量下業務従事者に係る記録を当該特定線量下業務従事者が離職した後において、厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは、この限りでない。

4章 雑則

26条 (放射線測定器の備付け)

1項 事業者は、この省令で規定する義務を遂行するために必要な放射線測定器を備えなければならない。ただし、必要の都度容易に放射線測定器を利用できるように措置を講じたときは、この限りでない。

27条 (記録等の引渡し等)

1項 第6条第2項 《2 事業者は、前条第5項から第7項までの…》 規定による測定又は計算の結果に基づき、次の各号に掲げる除染等業務従事者の線量を、遅滞なく、厚生労働大臣が定める方法により算定し、これを記録し、これを30年間保存しなければならない。 ただし、当該記録を第25条の5第2項 《2 事業者は、前条第3項の規定による測定…》 に基づき、次の各号に掲げる特定線量下業務従事者の線量を、遅滞なく、厚生労働大臣が定める方法により算定し、これを記録し、これを30年間保存しなければならない。 ただし、当該記録を5年間保存した後又は当該 又は 第25条の9 《 事業者は、特定線量下業務従事者に対し、…》 雇入れ又は特定線量下業務に配置換えの際、被ばく歴の有無被ばく歴を有する者については、作業の場所、内容及び期間その他放射線による被ばくに関する事項の調査を行い、これを記録し、これを30年間保存しなければ の記録を作成し、保存する事業者は、事業を廃止しようとするときは、当該記録を厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すものとする。

2項 第6条第2項 《2 事業者は、前条第5項から第7項までの…》 規定による測定又は計算の結果に基づき、次の各号に掲げる除染等業務従事者の線量を、遅滞なく、厚生労働大臣が定める方法により算定し、これを記録し、これを30年間保存しなければならない。 ただし、当該記録を第25条の5第2項 《2 事業者は、前条第3項の規定による測定…》 に基づき、次の各号に掲げる特定線量下業務従事者の線量を、遅滞なく、厚生労働大臣が定める方法により算定し、これを記録し、これを30年間保存しなければならない。 ただし、当該記録を5年間保存した後又は当該 又は 第25条の9 《 事業者は、特定線量下業務従事者に対し、…》 雇入れ又は特定線量下業務に配置換えの際、被ばく歴の有無被ばく歴を有する者については、作業の場所、内容及び期間その他放射線による被ばくに関する事項の調査を行い、これを記録し、これを30年間保存しなければ の記録を作成し、保存する事業者は、除染等業務従事者又は特定線量下業務従事者が離職するとき又は事業を廃止しようとするときは、当該除染等業務従事者又は当該特定線量下業務従事者に対し、当該記録の写しを交付しなければならない。

28条

1項 除染等電離放射線健康診断 個人票を作成し、保存する事業者は、事業を廃止しようとするときは、当該除染等電離放射線健康診断個人票を厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すものとする。

2項 除染等電離放射線健康診断 個人票を作成し、保存する事業者は、除染等業務従事者が離職するとき又は事業を廃止しようとするときは、当該除染等業務従事者に対し、当該除染等電離放射線健康診断個人票の写しを交付しなければならない。

29条 (調整)

1項 除染等業務従事者又は特定線量下業務従事者のうち 電離則 第4条第1項の放射線業務従事者若しくは同項の放射線業務従事者であった者、電離則第7条第1項の緊急作業に従事する放射線業務従事者及び同条第3項(電離則第62条の規定において準用する場合を含む。)の緊急作業に従事する労働者(以下この項においてこれらの者を「緊急作業従事者」という。)若しくは緊急作業従事者であった者又は電離則第8条第1項(電離則第62条の規定において準用する場合を含む。)の管理区域に1時的に立ち入る労働者(以下この項において「 1時立入労働者 」という。)若しくは 1時立入労働者 であった者が放射線業務従事者、緊急作業従事者又は1時立入労働者として電離則第2条第3項の放射線業務に従事する際、電離則第7条第1項の緊急作業に従事する際又は電離則第3条第1項に規定する管理区域に1時的に立ち入る際に受ける又は受けた線量については、除染特別地域等内における除染等作業又は特定線量下作業により受ける線量とみなす。

2項 除染等業務従事者のうち特定線量下業務従事者又は特定線量下業務従事者であった者が特定線量下業務従事者として特定線量下業務に従事する際に受ける又は受けた線量については、除染特別地域等内における除染等作業により受ける線量とみなす。

3項 特定線量下業務従事者のうち除染等業務従事者又は除染等業務従事者であった者が除染等業務従事者として除染等業務に従事する際に受ける又は受けた線量については、除染特別地域等内における特定線量下作業により受ける線量とみなす。

30条

1項 除染等業務に常時従事する除染等業務従事者のうち、当該業務に配置替えとなる直前に 電離則 第4条第1項の放射線業務従事者であった者については、当該者が直近に受けた電離則第56条第1項又は第56条の2第1項の規定による健康診断(当該業務への配置替えの日前6月以内に行われたものに限る。)は、 第20条第1項 《事業者は、除染等業務に常時従事する除染等…》 業務従事者に対し、雇入れ又は当該業務に配置替えの際及びその後6月以内ごとに一回、定期に、次の各号に掲げる項目について医師による健康診断を行わなければならない。 1 被ばく歴の有無被ばく歴を有する者につ の規定による配置替えの際の健康診断とみなす。

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