未帰還者に関する特別措置法《本則》

法番号:1959年法律第7号

略称: 未帰還者特別措置法

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1条 (この法律の目的)

1項 この法律は、未帰還者のうち、国がその状況に関し調査究明した結果、なおこれを明らかにすることができない者について、特別の措置を講ずることを目的とする。

2条 (民法第30条の宣告の請求等の特例)

1項 未帰還者 留守家族等援護法(1953年法律第161号)第2条第1項に規定する未帰還者(以下「 未帰還者 」という。)に係る 民法 1896年法律第89号第30条 《失踪そうの宣告 不在者の生死が7年間明…》 らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪そうの宣告をすることができる。 2 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、 の宣告の請求は、厚生労働大臣も行うことができる。

2項 前項の請求をする場合には、厚生労働大臣は、当該 未帰還者 の留守家族の意向を尊重して行わなければならない。

3項 第1項の規定による厚生労働大臣の請求に基く 民法 第30条 《失踪そうの宣告 不在者の生死が7年間明…》 らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪そうの宣告をすることができる。 2 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、 の宣告(以下「 戦時死亡宣告 」という。)の取消の請求は、厚生労働大臣も行うことができる。

4項 厚生労働大臣が第1項又は前項の規定により 戦時死亡宣告 の請求又はその取消の請求を行う場合には、 民事訴訟費用等に関する法律 1971年法律第40号第3条第1項 《別表第1の上欄に掲げる申立てをするには、…》 申立ての区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる額の手数料を納めなければならない。 の規定にかかわらず、その申立ての手数料を納めることを要しない。

3条 (弔慰料の支給)

1項 未帰還者 戦時死亡宣告 を受けたときは、その遺族に対し、弔慰料を支給する。

2項 前項の弔慰料の支給は、これを受けようとする者の請求に基いて行う。

4条 (弔慰料の支給を受けるべき遺族の範囲)

1項 弔慰料の支給を受けるべき遺族の範囲は、 戦時死亡宣告 により 未帰還者 が死亡したものとみなされる日におけるその者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹並びにこれらの者以外の三親等内の親族(未帰還者が死亡したものとみなされる日において帰還していたとすれば、その者によつて生計を維持し、又はその者と生計をともにしていたと認められる者に限る。)とする。ただし、戦時死亡宣告の裁判が確定した日(以下「 基準日 」という。)前に離縁によつて未帰還者との親族関係が終了した者を除く。

5条 (弔慰料の支給を受けるべき遺族の順位)

1項 弔慰料の支給を受けるべき遺族の順位は、次に掲げる順序による。ただし、父母及び祖父母については、 未帰還者 が死亡したものとみなされる日において帰還していたとすれば、その者によつて生計を維持し、又はその者と生計をともにしていたと認められる者を先にし、同順位の父母については、養父母を先にし実父母を後にし、同順位の祖父母については、養父母の父母を先にし実父母の父母を後にし、父母の養父母を先にし実父母を後にする。

1号 配偶者( 未帰還者 が死亡したものとみなされる日以後 基準日 前に前条本文に規定する者(以下この項において「 遺族 」という。)以外の者と婚姻(届出をしないが、事実上婚姻関係と同様の事情に入つていると認められる場合を含む。)し、又は 遺族 以外の者の養子となつた者を除く。

2号 子( 基準日 において 遺族 以外の者の養子となつている者を除く。

3号 父母

4号 孫( 基準日 において 遺族 以外の者の養子となつている者を除く。

5号 祖父母

6号 兄弟姉妹( 基準日 において 遺族 以外の者の養子となつている者を除く。

7号 第2号において同号の順位から除かれている子

8号 第4号において同号の順位から除かれている孫

9号 第6号において同号の順位から除かれている兄弟姉妹

10号 第1号において同号の順位から除かれている配偶者

11号 前各号に掲げる者以外の者

2項 前項の規定により弔慰料の支給を受けるべき順位にある 遺族 が、 基準日 において生死不明であり、かつ、その日以後引き続き2年以上(その者が基準日までに2年以上生死不明であるときは、1年以上)生死不明である場合において、他に同順位者がないときは、次順位者の請求により、その次順位者(その次順位者と同順位の他の遺族があるときは、そのすべての同順位者)を弔慰料の支給を受けるべき順位の遺族とみなすことができる。

6条 (弔慰料の額)

1項 弔慰料の額は、 戦時死亡宣告 を受けた者1人につき40,000円(当該戦時死亡宣告を受けた者が 第13条第1項 《未帰還者であつて次の表の第一欄に掲げるも…》 のが戦時死亡宣告を受けたときは、それぞれ、同表の第二欄に掲げる法律の適用については、その者は、同表の第三欄に掲げる負傷又は疾病により同表の第四欄に掲げる日同日後生存していたと認められる資料のある者につ の規定の適用を受ける者である場合においては、30,000円)とする。

7条 (同順位者が数人ある場合)

1項 弔慰料の支給を受けるべき同順位の 遺族 が数人あるときは、その1人のした弔慰料の支給の請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした弔慰料の支給は、全員に対してしたものとみなす。

8条 (弔慰料の支給を受ける権利を有する者が死亡した場合)

1項 弔慰料の支給を受ける権利を有する者が死亡した場合において、死亡した者がその死亡前に弔慰料の支給の請求をしていなかつたときは、死亡した者の相続人は、自己の名で、死亡した者の弔慰料の支給を請求することができる。

2項 前条の規定は、弔慰料の支給を受ける権利を有する者が死亡し、同順位の相続人が数人ある場合における弔慰料の支給の請求及びその支給について準用する。

9条 (弔慰料の返還の免除)

1項 戦時死亡宣告 の取消があつた場合において、弔慰料が支給されているときは、その支給された弔慰料は、国庫に返還させないことができる。

10条 (時効)

1項 弔慰料の支給を受ける権利は、これを行使することができる時から3年間行使しないときは、時効によつて消滅する。

11条 (譲渡等の禁止)

1項 弔慰料の支給を受ける権利は、譲渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。

12条 (非課税等)

1項 弔慰料として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の公課を課することはできない。

2項 弔慰料に関する書類には、印紙税を課さない。

13条 (戦傷病者戦没者遺族等援護法等の適用)

1項 未帰還者 であつて次の表の第一欄に掲げるものが 戦時死亡宣告 を受けたときは、それぞれ、同表の第二欄に掲げる法律の適用については、その者は、同表の第三欄に掲げる負傷又は疾病により同表の第四欄に掲げる日(同日後生存していたと認められる資料のある者については、戦時死亡宣告が、 民法 第30条第1項 《不在者の生死が7年間明らかでないときは、…》 家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪そうの宣告をすることができる。 の規定によるものであるときは同条同項の期間の初日の前日、同法同条第2項の規定によるものであるときは危難の去つた日)に死亡したものとみなす。ただし、同表の第三欄に掲げる負傷又は疾病により死亡したものとみなすことが相当でないと認められる場合においては、この限りでない。

2項 未帰還者 であつて前項の規定の適用を受けるものが生存していること又は 戦時死亡宣告 により死亡したものとみなされた日と異なる日に死亡したことが判明したときは、当該未帰還者に関しては、はじめから前項の規定の適用がなかつたものとする。

3項 前項の場合において、戦傷病者戦没者 遺族 等援護法又は 恩給法 の規定による給付が行われており、かつ、当該 未帰還者 に関し新たに 戦傷病者戦没者遺族等援護法 若しくは 恩給法 又は 未帰還者留守家族等援護法 の規定による給付を行うべきときは、すでに行つた 戦傷病者戦没者遺族等援護法 又は 恩給法 の規定による給付は、新たに行うべき給付の内払とみなす。

13条の2 (未帰還者とみなす者)

1項 次に掲げる者であつて 未帰還者 でないものは、この法律(前条を除く。)の適用については、未帰還者とみなす。ただし、日本の国籍を有しない者は、この限りでない。

1号 中国本土、フイリピン諸島その他の政令で定める地域内においてそれぞれ当該地域ごとに政令で定める日以後生存していたと認められる資料があるが、諸般の事情からみてすでに死亡していると推測される者(1945年9月2日以後自己の意思により帰還しなかつたと認められる者及び同日以後において自己の意思により本邦に在つた者を除く。

2号 未帰還者 留守家族等援護法第2条第1項第2号に規定する地域(中国本土の地域を除く。又は前号の政令で定める地域内においてそれぞれ1945年8月9日又は同号の政令で定める日前に生存していたと認められる資料があるが、それぞれこれらの日以後生存していたと認められる資料がない者で、諸般の事情からみて同日以後に死亡したと推測されるもの

14条 (都道府県が処理する事務)

1項 この法律に規定する厚生労働大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。

15条

1項 削除

16条 (省令への委任)

1項 この法律に特別の規定がある場合を除くほか、この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は、厚生労働省令で定める。

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