事務所衛生基準規則《本則》

法番号:1972年労働省令第43号

略称: 事務所則

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制定文 労働安全衛生法 1972年法律第57号)の規定に基づき、及び同法を実施するため、 事務所衛生基準規則 を次のように定める。


1章 総則

1条 (適用)

1項 この省令は、事務所( 建築基準法 1950年法律第201号第2条第1号 《用語の定義 第2条 この法律において次の…》 各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するものこれに類する構造のものを含む。、これに附属する門若しくは塀、観覧のため に掲げる建築物又はその一部で、事務作業(タイプライターその他の事務用機器を使用して行う作業を含む。)に従事する労働者が主として使用するものをいう。)について、適用する。

2項 事務所(これに附属する食堂及び炊事場を除く。)における衛生基準については、 労働安全衛生規則 1972年労働省令第32号)第3編の規定は、適用しない。

2章 事務室の環境管理

2条 (気積)

1項 事業者は、労働者を常時就業させる以下「」という。)の気積を、設備の占める容積及び床面から4メートルをこえる高さにある空間を除き、労働者1人について、十立方メートル以上としなければならない。

3条 (換気)

1項 事業者は、においては、窓その他の開口部の直接外気に向つて開放することができる部分の面積が、常時床面積の20分の一以上になるようにしなければならない。ただし、換気が10分に行なわれる性能を有する設備を設けたときは、この限りでない。

2項 事業者は、における一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率(一気圧、温度二十五度とした場合の空気中に占める当該ガスの容積の割合をいう。以下同じ。)を、それぞれ1,010,000分の五十以下及び1,010,000分の五千以下としなければならない。

4条 (温度)

1項 事業者は、の気温が十度以下の場合は、暖房する等適当な温度調節の措置を講じなければならない。

2項 事業者は、を冷房する場合は、当該室の気温を外気温より著しく低くしてはならない。ただし、電子計算機等を設置する室において、その作業者に保温のための衣類等を着用させた場合は、この限りでない。

5条 (空気調和設備等による調整)

1項 事業者は、空気調和設備(空気を浄化し、その温度、湿度及び流量を調節して供給することができる設備をいう。以下同じ。又は機械換気設備(空気を浄化し、その流量を調節して供給することができる設備をいう。以下同じ。)を設けている場合は、に供給される空気が、次の各号に適合するように、当該設備を調整しなければならない。

1号 浮遊粉じん量(一気圧、温度二十五度とした場合の当該空気一立方メートル中に含まれる浮遊粉じんの重量をいう。以下同じ。)が、0・一五ミリグラム以下であること。

2号 当該空気中に占める一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率が、それぞれ1,010,000分の十以下(外気が汚染されているために、一酸化炭素の含有率が1,010,000分の十以下の空気を供給することが困難な場合は、1,010,000分の二十以下及び1,010,000分の千以下であること。

3号 ホルムアルデヒドの量(一気圧、温度二十五度とした場合の当該空気一立方メートル中に含まれるホルムアルデヒドの重量をいう。以下同じ。)が、0・一ミリグラム以下であること。

2項 事業者は、前項の設備によりに流入する空気が、特定の労働者に直接、継続して及ばないようにし、かつ、室の気流を0・5メートル毎秒以下としなければならない。

3項 事業者は、空気調和設備を設けている場合は、の気温が十八度以上二十八度以下及び相対湿度が40パーセント以上70パーセント以下になるように努めなければならない。

6条 (燃焼器具)

1項 事業者は、燃焼器具(発熱量が著しく少ないものを除く。以下同じ。)を使用する室又は箇所には、排気筒、換気扇その他の換気のための設備を設けなければならない。

2項 事業者は、燃焼器具を使用するときは、毎日、当該器具の異常の有無を点検しなければならない。

3項 第3条第2項 《2 事業者は、室における一酸化炭素及び二…》 酸化炭素の含有率一気圧、温度二十五度とした場合の空気中に占める当該ガスの容積の割合をいう。以下同じ。を、それぞれ1,010,000分の五十以下及び1,010,000分の五千以下としなければならない。 の規定は、第1項の換気のための設備を設ける箇所について準用する。

7条 (作業環境測定等)

1項 事業者は、 労働安全衛生法施行令 1972年政令第318号第21条第5号 《作業環境測定を行うべき作業場 第21条 …》 法第65条第1項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。 1 土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場で、厚生労働省令で定めるもの 2 暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場で、厚生について、2月以内ごとに一回、定期に、次の事項を測定しなければならない。ただし、当該測定を行おうとする日の属する年の前年1年間において、当該室の気温が十七度以上二十八度以下及び相対湿度が40パーセント以上70パーセント以下である状況が継続し、かつ、当該測定を行おうとする日の属する1年間において、引き続き当該状況が継続しないおそれがない場合には、第2号及び第3号に掲げる事項については、3月から5月までの期間又は9月から11月までの期間、6月から8月までの期間及び12月から2月までの期間ごとに一回の測定とすることができる。

1号 一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率

2号 室温及び外気温

3号 相対湿度

2項 事業者は、前項の規定による測定を行なつたときは、そのつど、次の事項を記録して、これを3年間保存しなければならない。

1号 測定日時

2号 測定方法

3号 測定箇所

4号 測定条件

5号 測定結果

6号 測定を実施した者の氏名

7号 測定結果に基づいて改善措置を講じたときは、当該措置の概要

7条の2

1項 事業者は、の建築( 建築基準法 第2条第13号 《用語の定義 第2条 この法律において次の…》 各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するものこれに類する構造のものを含む。、これに附属する門若しくは塀、観覧のため に規定する建築をいう。)、大規模の修繕(同条第14号に規定する大規模の修繕をいう。又は大規模の模様替(同条第15号に規定する大規模の模様替をいう。)(以下「建築等」と総称する。)を行つたときは、当該建築等を行つた室における 第5条第1項第3号 《建築基準適合判定資格者検定は、建築士の設…》 計に係る建築物が第6条第1項の建築基準関係規定に適合するかどうかを判定するために必要な知識について、国土交通大臣が行う。 に規定する事項について、当該建築等を完了し、当該室の使用を開始した日以後最初に到来する6月から9月までの期間に一回、測定しなければならない。

8条 (測定方法)

1項 この章( 第7条 《作業環境測定等 事業者は、労働安全衛生…》 法施行令1972年政令第318号第21条第5号の室について、2月以内ごとに一回、定期に、次の事項を測定しなければならない。 ただし、当該測定を行おうとする日の属する年の前年1年間において、当該室の気温 を除く。)に規定する次の表の上欄に掲げる事項についての測定は、同表の下欄に掲げる測定器又はこれと同等以上の性能を有する測定器を使用して行うものとする。

9条 (点検等)

1項 事業者は、機械による換気のための設備について、はじめて使用するとき、分解して改造又は修理を行なつたとき、及び2月以内ごとに一回、定期に、異常の有無を点検し、その結果を記録して、これを3年間保存しなければならない。

9条の2

1項 事業者は、空気調和設備を設けている場合は、病原体によつての内部の空気が汚染されることを防止するため、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

1号 冷却塔及び加湿装置に供給する水を水道法(1957年法律第177号)第4条に規定する水質基準に適合させるため必要な措置

2号 冷却塔及び冷却水について、当該冷却塔の使用開始時及び使用を開始した後、1月以内ごとに一回、定期に、その汚れの状況を点検し、必要に応じ、その清掃及び換水等を行うこと。ただし、1月を超える期間使用しない冷却塔に係る当該使用しない期間においては、この限りでない。

3号 加湿装置について、当該加湿装置の使用開始時及び使用を開始した後、1月以内ごとに一回、定期に、その汚れの状況を点検し、必要に応じ、その清掃等を行うこと。ただし、1月を超える期間使用しない加湿装置に係る当該使用しない期間においては、この限りでない。

4号 空気調和設備内に設けられた排水受けについて、当該排水受けの使用開始時及び使用を開始した後、1月以内ごとに一回、定期に、その汚れ及び閉塞の状況を点検し、必要に応じ、その清掃等を行うこと。ただし、1月を超える期間使用しない排水受けに係る当該使用しない期間においては、この限りでない。

5号 冷却塔、冷却水の水管及び加湿装置の清掃を、それぞれ1年以内ごとに一回、定期に、行うこと。

10条 (照度等)

1項 事業者は、の作業面の照度を、次の表の上欄に掲げる作業の区分に応じて、同表の下欄に掲げる基準に適合させなければならない。ただし、感光材料の取扱い等特殊な作業を行う室については、この限りでない。

2項 事業者は、の採光及び照明については、明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じさせない方法によらなければならない。

3項 事業者は、の照明設備について、6月以内ごとに一回、定期に、点検しなければならない。

11条 (騒音及び振動の防止)

1項 事業者は、室内の労働者に有害な影響を及ぼすおそれのある騒音又は振動について、隔壁を設ける等その伝ぱを防止するため必要な措置を講ずるようにしなければならない。

12条 (騒音伝ぱの防止)

1項 事業者は、タイプライターその他の事務用機器で騒音を発するものを、五台以上集中して同時に使用するときは、騒音の伝ぱを防止するため、遮音及び吸音の機能をもつ天井及び壁で区画された専用の作業室を設けなければならない。

3章 清潔

13条 (給水)

1項 事業者は、労働者の飲用に供する水その他の飲料を10分に供給するようにしなければならない。

2項 事業者は、水道法第3条第9項に規定する給水装置以外に給水に関する設備を設けて飲用し、又は食器の洗浄に使用する水を供給するときは、当該水について、次に定めるところによらなければならない。

1号 地方公共団体等の行う水質検査により、水道法第4条の規定による水質基準に適合していることを確認すること。

2号 給水せんにおける水に含まれる遊離残留塩素の含有率を1,010,000分の0・一(結合残留塩素の場合は、1,010,000分の0・四)以上に保持するようにすること。ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染されるおそれのある場合又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を多量に含むおそれのある場合は、1,010,000分の0・二(結合残留塩素の場合は、1,010,000分の1・五)以上にすること。

3号 有害物、汚水等によつて水が汚染されないように、適当な汚染防止の措置を講ずること。

14条 (排水)

1項 事業者は、排水に関する設備については、当該設備の正常な機能が阻害されることにより汚水の漏出等が生じないように、補修及び掃除を行わなければならない。

15条 (清掃等の実施)

1項 事業者は、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

1号 日常行う清掃のほか、大掃除を、6月以内ごとに一回、定期に、統一的に行うこと。

2号 ねずみ、昆虫等の発生場所、生息場所及び侵入経路並びにねずみ、昆虫等による被害の状況について、6月以内ごとに一回、定期に、統一的に調査を実施し、当該調査の結果に基づき、ねずみ、昆虫等の発生を防止するため必要な措置を講ずること。

3号 ねずみ、昆虫等の防除のため殺そ剤又は殺虫剤を使用する場合は、 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 1960年法律第145号第14条 《医薬品、医薬部外品及び化粧品の製造販売の…》 承認 医薬品厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品を除く。、医薬部外品厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬部外品を除く。又は厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品の製造販売をしようとする者は 又は 第19条の2 《外国製造医薬品等の製造販売の承認 厚生…》 労働大臣は、第14条第1項に規定する医薬品、医薬部外品又は化粧品であつて本邦に輸出されるものにつき、外国においてその製造等をする者から申請があつたときは、品目ごとに、その者が第3項の規定により選任した の規定による承認を受けた医薬品又は医薬部外品を用いること。

16条 (労働者の清潔保持義務)

1項 労働者は、事務所の清潔に注意し、廃棄物を定められた場所以外の場所にすてないようにしなければならない。

17条 (便所)

1項 事業者は、次に定めるところにより便所を設けなければならない。

1号 男性用と女性用に区別すること。

2号 男性用大便所の便房の数は、次の表の上欄に掲げる同時に就業する男性労働者の数に応じて、同表の下欄に掲げる数以上とすること。

3号 男性用小便所の箇所数は、次の表の上欄に掲げる同時に就業する男性労働者の数に応じて、同表の下欄に掲げる数以上とすること。

4号 女性用便所の便房の数は、次の表の上欄に掲げる同時に就業する女性労働者の数に応じて、同表の下欄に掲げる数以上とすること。

5号 便池は、汚物が土中に浸透しない構造とすること。

6号 流出する清浄な水を10分に供給する手洗い設備を設けること。

2項 事業者は、便所を清潔に保ち、汚物を適当に処理しなければならない。

17条の2 (独立個室型の便所の特例)

1項 前条第1項第1号から第4号までの規定にかかわらず、同時に就業する労働者の数が常時10人以内である場合は、男性用と女性用に区別しない四方を壁等で囲まれた1個の便房により構成される便所(次項において「 独立個室型の便所 」という。)を設けることで足りるものとする。

2項 前条第1項の規定にかかわらず、 独立個室型の便所 を設ける場合(前項の規定により独立個室型の便所を設ける場合を除く。)は、次に定めるところにより便所を設けなければならない。

1号 独立個室型の便所 を除き、男性用と女性用に区別すること。

2号 男性用大便所の便房の数は、次の表の上欄に掲げる同時に就業する男性労働者の数に応じて、同表の下欄に掲げる数以上とすること。

3号 男性用小便所の箇所数は、次の表の上欄に掲げる同時に就業する男性労働者の数に応じて、同表の下欄に掲げる数以上とすること。

4号 女性用便所の便房の数は、次の表の上欄に掲げる同時に就業する女性労働者の数に応じて、同表の下欄に掲げる数以上とすること。

5号 便池は、汚物が土中に浸透しない構造とすること。

6号 流出する清浄な水を10分に供給する手洗い設備を設けること。

18条 (洗面設備等)

1項 事業者は、洗面設備を設けなければならない。

2項 事業者は、被服を汚染し、若しくは湿潤し、又は汚染し、若しくは湿潤するおそれのある労働者のために、更衣設備又は被服の乾燥設備を設けなければならない。

4章 休養

19条 (休憩の設備)

1項 事業者は、労働者が有効に利用することができる休憩の設備を設けるように努めなければならない。

20条 (睡眠又は仮眠の設備)

1項 事業者は、夜間、労働者に睡眠を与える必要のあるとき、又は労働者が就業の途中に仮眠することのできる機会のあるときは、適当な睡眠又は仮眠の場所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。

2項 事業者は、前項の場所には、寝具その他の必要な用品を備え、かつ、疾病感染を予防する措置を講じなければならない。

21条 (休養室等)

1項 事業者は、常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用するときは、労働者がが床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。

22条 (立業のためのいす)

1項 事業者は、持続的立業に従事する労働者が就業中しばしばすわることのできる機会のあるときは、当該労働者が利用することのできるいすを備えなければならない。

5章 救急用具

23条

1項 事業者は、負傷者の手当に必要な救急用具及び材料を備え、その備付け場所及び使用方法を労働者に周知させなければならない。

2項 事業者は、前項の救急用具及び材料を常時清潔に保たなければならない。

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