港湾計画の基本的な事項に関する基準を定める省令《本則》

法番号:1974年運輸省令第35号

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制定文 港湾法 1950年法律第218号第3条の3第2項 《2 港湾計画は、基本方針に適合し、かつ、…》 港湾の取扱可能貨物量その他の能力に関する事項、港湾の能力に応ずる港湾施設の規模及び配置に関する事項、港湾の環境の整備及び保全に関する事項、港湾の効率的な運営に関する事項その他の基本的な事項に関する国土 の規定に基づき、 港湾計画の基本的な事項に関する基準を定める省令 を次のように定める。


1条 (趣旨)

1項 港湾法 1950年法律第218号第3条の3第2項 《2 港湾計画は、基本方針に適合し、かつ、…》 港湾の取扱可能貨物量その他の能力に関する事項、港湾の能力に応ずる港湾施設の規模及び配置に関する事項、港湾の環境の整備及び保全に関する事項、港湾の効率的な運営に関する事項その他の基本的な事項に関する国土 の国土交通省令で定める港湾計画の基本的な事項に関する基準については、この省令の定めるところによる。

2条 (用語)

1項 この省令において使用する用語は、 港湾法 において使用する用語の例による。

3条 (港湾計画の方針)

1項 港湾の開発、利用及び保全並びに港湾に隣接する地域の保全の方針は、自然条件、港湾及びその周辺地域の経済的及び社会的条件、港湾及びその周辺における交通の状況、港湾及びその周辺の自然的環境及び生活環境に及ぼす影響、漁業に及ぼす影響等を考慮して、適切なものとなるように、次に掲げる事項に関する方針を一体的かつ総合的に定めるものとする。

1号 港湾の位置付け及び機能

2号 港湾施設の整備及び利用

3号 港湾における土地利用

4号 港湾の環境の整備及び保全

5号 港湾の効率的な運営

6号 港湾の安全の確保

7号 港湾に隣接する地域の保全

2項 港湾計画の目標年次は、通常10年から15年程度将来の年次とし、港湾の利用状況の変化の見込み、関連する他の計画の計画期間等を考慮して定めるものとする。

4条 (港湾の能力)

1項 港湾の取扱可能貨物量その他の能力に関する事項は、自然条件、港湾及びその周辺地域の経済的及び社会的条件等を考慮して、適切なものとなるように港湾計画の目標年次における港湾の取扱貨物量、船舶乗降旅客数その他の能力を定めるものとする。この場合においては、港湾における輸送及び荷役方式の変化への対応、港湾及びその周辺における交通の状況、港湾及びその周辺の安全の確保及び環境の保全等について配慮するものとする。

4条の2 (港湾相互間の連携の確保)

1項 前2条の港湾計画の方針及び港湾の能力を定めるにあたつては、当該港湾及びその周辺の港湾との機能分担等を考慮して適切なものとなるように配慮するものとする。

5条 (港湾施設の規模及び配置)

1項 港湾の能力に応ずる港湾施設の規模及び配置に関する事項は、自然条件、港湾及びその周辺地域の経済的及び社会的条件、既存の港湾施設の利用状況、港湾及び港湾に隣接する地域の保全等を考慮して、港湾の能力に応じて適切なものとなるように、港湾施設の規模及び配置を一体的かつ総合的に定めるものとする。

2項 前項の港湾施設のうち、当該港湾が国際海上輸送網又は国内海上輸送網の拠点として機能するために必要であるものについては、その旨を定めるものとする。

6条 (水域施設)

1項 水域施設の規模及び配置は、水域施設を利用する船舶の種類、船型及び隻数、係留施設の利用状況、水域の静穏の程度等を考慮して、港湾の機能が10分に確保され、かつ、船舶が安全かつ円滑に利用することができるように定めるものとする。

7条 (外郭施設)

1項 外郭施設の規模及び配置は、外郭施設によつて防護される水域施設及び係留施設の利用状況その他の状況を考慮して、10分に機能を発揮することができるように定めるものとする。

8条 (係留施設)

1項 係留施設の規模及び配置は、係留施設を利用する船舶の種類、船型及び隻数、取扱貨物の種類及び量、荷役方式、水域施設の利用状況、頭保安設備( 国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律 2004年法律第31号第29条第2項 《2 重要国際埠頭施設の管理者は、国土交通…》 省令で定める技術上の基準に従って、埠頭指標対応措置を講ずるために必要な設備以下「埠頭保安設備」という。を設置し、及び維持しなければならない。 重要国際埠頭施設の設置者が埠頭保安設備を設置し、及び維持す に規定する埠頭保安設備をいう。 第10条 《船舶保安記録簿 国際航海日本船舶の所有…》 者は、国土交通省令で定めるところにより、船舶保安記録簿を当該国際航海日本船舶内に備え付けなければならない。 2 国際航海日本船舶の船舶保安管理者は、当該国際航海日本船舶について国土交通大臣が設定した国 において同じ。)の配置等を考慮して、港湾の機能及び係留施設の安全かつ効率的な運用その他の適正な運営が10分に確保されるように定めるものとする。

9条 (臨港交通施設)

1項 港湾の利用に必要な臨港交通施設の規模及び配置は、港湾及びその周辺における交通の状況、港湾施設の利用状況その他の状況を考慮して、輸送需要の質及び量に適合したものとなるように定めるものとする。

10条 (旅客施設、荷さばき施設、保管施設等)

1項 旅客施設及びその敷地の規模及び配置は、船舶乗降旅客数、埠頭保安設備の配置等を考慮して、旅客が安全かつ円滑に利用することができるように定めるものとする。

2項 荷さばき施設及び保管施設の敷地の規模及び配置並びに主要な荷役機械の種類及び配置は、取扱貨物の種類及び量、係留施設及び臨港交通施設の利用状況、埠頭保安設備の配置等を考慮して、10分に機能を発揮することができるように定めるものとする。

11条 (港湾の環境の整備及び保全)

1項 港湾の環境の整備及び保全に関する事項は、生態系その他の自然条件、港湾及びその周辺地域における事業活動の状況、港湾における労働環境等を考慮して、良好な港湾の環境の形成を図ることができるように総合的に定めるものとする。この場合において、必要に応じ、自然的環境を整備又は保全する区域を定めるものとする。

12条 (廃棄物及び排出ガスの処理)

1項 廃棄物の処理に関する事項は、港湾及びその周辺における廃棄物の発生状況その他の状況を考慮して、港湾の環境が良好に維持されるように、港湾において処理する廃棄物の種類及び並びに主要な廃棄物処理施設の規模及び配置を定めるものとする。この場合において、当該港湾に関し、 環境基本法 1993年法律第91号第17条 《公害防止計画の作成 都道府県知事は、次…》 のいずれかに該当する地域について、環境基本計画を基本として、当該地域において実施する公害の防止に関する施策に係る計画以下「公害防止計画」という。を作成することができる。 1 現に公害が著しく、かつ、 に規定する公害防止計画(次項及び次条において単に「公害防止計画」という。又は 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 1970年法律第137号第5条の5第1項 《都道府県は、基本方針に即して、当該都道府…》 県の区域内における廃棄物の減量その他その適正な処理に関する計画以下「廃棄物処理計画」という。を定めなければならない。 若しくは 第6条第1項 《市町村は、当該市町村の区域内の一般廃棄物…》 の処理に関する計画以下「一般廃棄物処理計画」という。を定めなければならない。 の計画が定められているときは、これらの計画との整合性について配慮するものとする。

2項 排出ガス( 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律 1970年法律第136号第3条第6号 《定義 第3条 この法律において、次の各号…》 に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 1 船舶 海域港則法1948年法律第174号に基づく港の区域を含む。以下同じ。において航行の用に供する船舟類をいう。 2 油 原油、重油、 の3に規定する排出ガスをいう。以下この項において同じ。)の処理に関する事項は、自然条件、港湾の安全の確保、港湾及びその周辺地域における土地利用の状況、港湾における排出ガスの発生状況等を考慮して、港湾及びその周辺の環境が良好に維持されるように、港湾において処理する排出ガスの種類及び並びに排出ガス処理施設(同法第44条に規定する排出ガス処理施設をいう。)の規模及び配置を定めるものとする。この場合において、当該港湾に関し、公害防止計画が定められているときは、当該計画との整合性について配慮するものとする。

13条 (港湾公害防止施設)

1項 港湾公害防止施設に関する事項は、自然条件、港湾及びその周辺地域における土地利用及び事業活動の状況等を考慮して、港湾及びその周辺における公害の防止を図ることができるように、主要な港湾公害防止施設の規模及び配置を定めるものとする。この場合において、当該港湾に関し、公害防止計画が定められているときは、当該計画との整合性について配慮するものとする。

14条 (港湾環境整備施設)

1項 港湾環境整備施設に関する事項は、自然条件、港湾及びその周辺地域における土地利用及び事業活動の状況等を考慮して、良好な港湾の環境の形成を図ることができるように、主要な港湾環境整備施設の規模及び配置を定めるものとする。

14条の2 (港湾の効率的な運営)

1項 港湾の効率的な運営に関する事項は、港湾及びその周辺地域における土地利用及び事業活動の状況、港湾施設の利用状況等を考慮して、港湾の効率的な運営を図ることができるように、民間の能力を活用した港湾の運営その他の港湾の効率的な運営に関する取組及びこれを実施する区域を定めるものとする。

15条 (港湾及び港湾に隣接する地域の保全)

1項 港湾及び港湾に隣接する地域の保全に関する事項(港湾の環境の保全に関する事項を除く。)は、自然条件、港湾の規模、港湾及び港湾に隣接する地域の利用状況等を考慮して、港湾及び港湾に隣接する地域の災害の防止を図ることができるように、災害を防止するための主要な施設の種類及び配置を定めるものとする。この場合において、当該港湾に関し、 海岸法 1956年法律第101号第2条の3 《海岸保全基本計画 都道府県知事は、海岸…》 保全基本方針に基づき、政令で定めるところにより、海岸保全区域等に係る海岸の保全に関する基本計画以下「海岸保全基本計画」という。を定めなければならない。 2 都道府県知事は、海岸保全基本計画を定めようと に規定する基本計画が定められているときは、当該計画との整合性について配慮するものとする。

16条 (大規模地震対策施設)

1項 大規模な地震による災害が発生した際に、港湾及びその周辺地域の復旧及び復興に資する港湾施設(以下「 大規模地震対策施設 」という。)に関する事項は、自然条件、港湾及びその周辺地域の経済的及び社会的条件並びに土地利用の状況等を考慮して、円滑な物資輸送及び避難地が確保できるように、 大規模地震対策施設 の種類、規模及び配置を定めるものとする。この場合において、当該港湾に関し、 災害対策基本法 1961年法律第223号第40条 《都道府県地域防災計画 都道府県防災会議…》 は、防災基本計画に基づき、当該都道府県の地域に係る都道府県地域防災計画を作成し、及び毎年都道府県地域防災計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。 この場合において、当 又は 第42条 《市町村地域防災計画 市町村防災会議市町…》 村防災会議を設置しない市町村にあつては、当該市町村の市町村長。以下この条において同じ。は、防災基本計画に基づき、当該市町村の地域に係る市町村地域防災計画を作成し、及び毎年市町村地域防災計画に検討を加え の計画が定められているときは、これらの計画との整合性について配慮するものとする。

17条 (港湾区域の利用)

1項 港湾区域の利用に関する事項は、自然条件、船舶の航行及び収容の状況等を考慮して、港湾区域を安全かつ円滑に利用することができるように、港湾区域の利用の区分を定めるものとする。

18条 (土地の造成及び土地利用)

1項 土地の造成に関する事項は、自然条件、港湾の利用状況、港湾の安全の確保、港湾及びその周辺の自然的環境及び生活環境に及ぼす影響等を考慮して、水際線を有効かつ適切に利用することができるように造成する土地の規模及び配置を定めるものとする。

2項 土地利用に関する事項は、港湾及びその周辺地域における既存の土地の利用状況、港湾の安全の確保、港湾及びその周辺の自然的環境及び生活環境に及ぼす影響等を考慮して、港湾を有効かつ適切に利用することができるように土地利用の区分を定めるものとする。

19条 (港湾の再開発)

1項 港湾の再開発に関する事項は、港湾施設の老朽化又は利用状況の変化、港湾及びその周辺地域における土地利用及び事業活動の変化等を考慮して、既存施設の有効な利用が図られるように、必要に応じ、港湾施設の用途変更、土地利用の転換その他の再開発の内容を定めるものとする。

20条 (港湾施設の利用)

1項 港湾施設の利用に関する事項は、港湾施設を利用する船舶、取扱貨物の種類及び量、港湾の利用状況等を考慮して、港湾の適正な運営及び港湾施設の安全かつ効率的な利用を図ることができるように、公共用又は専用の別その他の港湾施設の利用形態を定めるものとする。

21条 (港湾の開発の効率化)

1項 港湾の開発の効率化に関する事項は、効果的な港湾の開発を図ることができるように、必要に応じ、段階的な開発の計画、当該開発が港湾及びその周辺地域に与える経済効果等について定めるものとする。

22条 (その他港湾の開発、利用及び保全に関する事項)

1項 前条までに規定する事項のほか、必要に応じ、船舶航行のための橋梁の桁下空間の確保その他の港湾の開発、利用及び保全に関する事項について、自然条件、港湾及びその周辺地域の利用状況等を考慮して定めるものとする。

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