1条
1項 本法に於て旧刑法と称するは1880年第36号布告 刑法 を謂ひ他の法律と称するは 刑法 施行前に公布したる法律及び勅令、布告にして法律と同一の効力を有するものを謂ひ 刑法 等一部改正法と称するは2022年法律第67号 刑法 等の一部を改正する法律を謂ふ
2項 本法に於て懲役(旧刑法の懲役を除く)と称するは 刑法 等一部改正法に依る改正前の 刑法
第12条
《拘禁刑 拘禁刑は、無期及び有期とし、有…》
期拘禁刑は、1月以上20年以下とする。 2 拘禁刑は、刑事施設に拘置する。 3 拘禁刑に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる。
に定めたる懲役を謂ひ禁錮(旧刑法の禁錮を除く)と称するは 刑法 等一部改正法に依る改正前の 刑法
第13条
《 削除…》
に定めたる禁錮を謂ひ拘留(旧刑法の拘留を除く)と称するは 刑法 等一部改正法に依る改正前の 刑法
第16条
《拘留 拘留は、1日以上30日未満とし、…》
刑事施設に拘置する。 2 拘留に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる。
に定めたる拘留を謂ふ
2条
1項 刑法 施行前に旧刑法の罪又は他の法律の罪を犯したる者に付ては左の例に従ひ 刑法 の主刑と旧刑法の主刑とを対照し 刑法
第10条
《刑の軽重 主刑の軽重は、前条に規定する…》
順序による。 2 同種の刑は、長期の長いもの又は多額の多いものを重い刑とし、長期又は多額が同じであるときは、短期の長いもの又は寡額の多いものを重い刑とする。 3 2個以上の死刑又は長期若しくは多額及び
の規定に依り其軽重を定む
3条
1項 法律に依り刑を加重減軽すべきとき又は酌量減軽を為すべきときは加重又は減軽を為したる後刑の対照を為すべし
2項 数罪を犯したる者に付ては併合罪又は数罪倶発に関する規定を適用したる後刑の対照を為すべし
3項 一罪に付き2個以上の主刑を併科すべきとき又は2個以上の主刑中其1個を科すべきときは其中にて重き刑のみに付き対照を為すべし併合罪又は数罪倶発に関する規定に依り数罪の主刑を併科すべきときまた同し
4条
1項 刑法 施行前旧刑法又は他の法律の規定に依り告訴を待て論すべき罪を犯したる者は 刑法 の規定に依り告訴を要せさるものといえども告訴あるに非されは其罪を論せす
5条
1項 刑法
第6条
《刑の変更 犯罪後の法律によって刑の変更…》
があったときは、その軽いものによる。
に依り旧刑法又は他の法律を適用する場合に於ては剥奪公権、停止公権、監視又は罰金を附加すべきときといえども之を附加せす
6条
1項 刑法 施行前に犯したる罪に付き 刑法 施行の前又は後に確定裁判ありたる後 刑法 施行前に犯したる余罪に付き裁判を為すときは左の例に依る
1号 確定裁判ありたる罪に旧刑法又は他の法律を適用したるときといえども 刑法 又は 刑法 の刑名に依り刑を定めたる法令に於ては其罪と余罪とに付き併合罪に関する規定を準用す
2号 確定裁判ありたる罪に 刑法 又は 刑法 の刑名に依り刑を定めたる法令を適用したるときといえども旧刑法又は他の法律に於ては其罪と余罪とに付き数罪倶発に関する規定に依る
7条
1項 左に記載したる者 刑法 施行前更に 刑法 の有期懲役に相当する刑に該る罪を犯し 刑法 施行後其罪に付き裁判を為すときは 刑法 又は 刑法 の刑名に依り刑を定めたる法令に於ては累犯に関する規定を準用す
1号 旧刑法又は他の法律に依り 刑法 の懲役に相当する刑に処せられたる者
2号 旧刑法又は他の法律に依り 刑法 の懲役に相当する刑に該る罪と同質の罪に因り死刑に処せられ其執行の免除を得又は減刑に因り懲役に相当する刑に減軽せられたる者
8条
1項 刑法 施行前に犯したる一罪と 刑法 施行後に犯したる一罪又は数罪とに付き同時に裁判を為す場合に於ては 刑法 施行前の罪に旧刑法又は他の法律を適用すべきときといえども其罪と 刑法 施行後の一罪又は数罪とに付き併合罪に関する規定を準用す
9条
1項 刑法 施行前に犯したる数罪と 刑法 施行後に犯したる一罪又は数罪とに付き同時に裁判を為す場合に於て 刑法 施行前の罪に旧刑法又は他の法律を適用すべきときは数罪倶発に関する規定に依りて定まりたる一の重き罪と 刑法 施行後の一罪又は数罪とに付き併合罪に関する規定を準用す
2項 前項の場合に於て 刑法 施行前の罪に 刑法 又は 刑法 の刑名に依り刑を定めたる法令を適用すべきときは其数罪と 刑法 施行後の一罪又は数罪とに付き併合罪に関する規定を適用す
10条
1項 刑法 施行後に犯したる罪に付き確定裁判ありたる後 刑法 施行前に犯したる余罪に付き裁判を為す場合に於ては其罪に旧刑法又は他の法律を適用したるときといえども確定裁判ありたる罪と其罪とに付き併合罪に関する規定を準用す
11条
1項 刑法 施行前に犯したる罪に付き 刑法 施行後確定裁判ありたる後 刑法 施行後に犯したる余罪に付き裁判を為す場合に於ては確定裁判ありたる罪に旧刑法又は他の法律を適用したるときといえども其罪と余罪とに付き併合罪に関する規定を準用す
12条
1項 第7条第1項
《左に記載したる者刑法施行前更に刑法の有期…》
懲役に相当する刑に該る罪を犯し刑法施行後其罪に付き裁判を為すときは刑法又は刑法の刑名に依り刑を定めたる法令に於ては累犯に関する規定を準用す 1 旧刑法又は他の法律に依り刑法の懲役に相当する刑に処せられ
各号に記載したる者 刑法 施行後有期懲役に該る罪を犯したるときは累犯に関する規定を準用す
2項 第7条第2項
《刑法第56条第3項の規定は数罪倶発に関す…》
る規定に依り処断せられたる者に之を準用す
の規定は前項の場合に之を準用す
13条
1項 刑法 施行後は旧刑法又は旧刑法施行前の法令の刑に処せられたる者といえども刑の執行、仮出獄及び時効に付ては 刑法 の規定を準用す但罰金又は科料を完納すること能はさる者を労役場に留置する場合に於ては検察官の請求に依り裁判所決定を以て其言渡を為すべし
2項 前項の場合に於ては
第2条
《 刑法施行前に旧刑法の罪又は他の法律の罪…》
を犯したる者に付ては左の例に従ひ刑法の主刑と旧刑法の主刑とを対照し刑法第10条の規定に依り其軽重を定む 刑法の刑 旧刑法の刑 死刑 死刑 無期懲役 無期徒刑 無期禁錮 無期流刑 有期懲役 有期徒刑、重
及び1881年第81号布告
第1条
《 本法に於て旧刑法と称するは1880年第…》
36号布告刑法を謂ひ他の法律と称するは刑法施行前に公布したる法律及び勅令、布告にして法律と同一の効力を有するものを謂ひ刑法等一部改正法と称するは2022年法律第67号刑法等の一部を改正する法律を謂ふ
の例に依り主刑の対照を為すべし
14条
1項 刑法 施行後は旧刑法の刑に処すべき者といえども刑の執行猶予に付ては 刑法 の規定を準用す
2項 前項の場合に於ては
第2条
《 刑法施行前に旧刑法の罪又は他の法律の罪…》
を犯したる者に付ては左の例に従ひ刑法の主刑と旧刑法の主刑とを対照し刑法第10条の規定に依り其軽重を定む 刑法の刑 旧刑法の刑 死刑 死刑 無期懲役 無期徒刑 無期禁錮 無期流刑 有期懲役 有期徒刑、重
の例に依り主刑の対照を為すべし
15条
1項 刑法 施行前仮出獄を許されたる者及び幽閉を免せられたる者に付ては 刑法 施行の日より 刑法 の仮出獄に関する規定を準用す
2項 刑法 施行前罰金又は科料を納完せさる為め軽禁錮又は拘留に換へられたる者に付ては 刑法 施行の日より 刑法
第18条
《労役場留置 罰金を完納することができな…》
い者は、1日以上2年以下の期間、労役場に留置する。 2 科料を完納することができない者は、1日以上30日以下の期間、労役場に留置する。 3 罰金を併科した場合又は罰金と科料とを併科した場合における留置
及び
第30条
《仮出場 拘留に処せられた者は、情状によ…》
り、いつでも、行政官庁の処分によって仮に出場を許すことができる。 2 罰金又は科料を完納することができないため留置された者も、前項と同様とする。
の規定を準用す但留置の日数は其執行の日より起算し 刑法
第18条
《労役場留置 罰金を完納することができな…》
い者は、1日以上2年以下の期間、労役場に留置する。 2 科料を完納することができない者は、1日以上30日以下の期間、労役場に留置する。 3 罰金を併科した場合又は罰金と科料とを併科した場合における留置
の期間を超ゆることを得す
16条
1項 懲治場留置の執行は 刑法 施行後といえども従前の例に従ふ但司法大臣は何時にても其留置を解き又は感化院に入院せしむることを得
17条
1項 闕席判決を以て言渡したる刑の時効期間は其言渡の日より之を起算す
18条
1項 剥奪公権、停止公権、監視及附加の罰金の言渡は 刑法 施行の日より其効力を失ふ但既に徴収したる附加の罰金は之を還付せす
2項 附加の罰金を納完せさる為め換へられたる禁錮に付きまた前項に同し
19条
1項 他の法律に定めたる主刑は
第2条
《 刑法施行前に旧刑法の罪又は他の法律の罪…》
を犯したる者に付ては左の例に従ひ刑法の主刑と旧刑法の主刑とを対照し刑法第10条の規定に依り其軽重を定む 刑法の刑 旧刑法の刑 死刑 死刑 無期懲役 無期徒刑 無期禁錮 無期流刑 有期懲役 有期徒刑、重
の例に準し 刑法 の刑に対照して之を 刑法 の刑名に変更す但単に禁錮とあるは之を有期の懲役又は禁錮に変更す
2項 他の法律の規定中剥奪公権、停止公権、監視及び附加の罰金に処すべき旨を定めたるものは之を廃止す
20条
1項 他の法律に定めたる刑に付ては其期間を変更せす但他の法律中特に期間を定めさる刑に付てはなお旧刑法総則中期間に関する規定に従ふ
21条
1項 他の法律に定めたる刑を加重又は減軽すべき場合に於ては
第23条
《 前条の規定に依り刑法の刑を適用すべき場…》
合に於ては他の法律中刑の加重に関する特別の規定は之を適用せす刑の減軽の方法に付ては刑法の加減例に関する規定に従ふ
の場合を除く外旧刑法の加減例に関する規定に依る
22条
1項 他の法律中旧刑法の規定を掲け又は旧刑法の規定に依り若くは之に依らさることを定めたる場合に付き 刑法 中其規定に相当する規定あるものは 刑法 の規定に変更す
2項 爆発物取締罰則第10条は之を廃止す
23条
1項 前条の規定に依り 刑法 の刑を適用すべき場合に於ては他の法律中刑の加重に関する特別の規定は之を適用せす刑の減軽の方法に付ては 刑法 の加減例に関する規定に従ふ
24条
1項 1889年法律第28号及び1890年法律第99号は之を廃止す
25条
1項 旧刑法第2編第4章第9節の規定は当分の内 刑法 施行前と同一の効力を有す
2項 刑法
第8条
《他の法令の罪に対する適用 この編の規定…》
は、他の法令の罪についても、適用する。 ただし、その法令に特別の規定があるときは、この限りでない。
の規定及び本法中他の法律に関する規定は之を前項の規定に準用す
26条
1項 左に記載したる罪は 刑法
第2条
《すべての者の国外犯 この法律は、日本国…》
外において次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する。 1 削除 2 第77条から第79条まで内乱、予備及び陰謀、内乱等幇助の罪 3 第81条外患誘致、第82条外患援助、第87条未遂罪及び第88条予備及
の例に従ふ
1号 削除
2号 削除
3号 1905年法律第66号に掲けたる罪
4号 通貨及証券模造取締法 に掲けたる罪
5号 船舶法 に掲けたる罪
6号 船員法 に掲けたる罪
7号 船舶職員及び小型船舶操縦者法 に掲けたる罪
8号 船舶検査法に掲けたる罪
9号 戸籍法 に掲けたる罪
27条
1項 左に記載したる罪は 刑法
第3条
《国民の国外犯 この法律は、日本国外にお…》
いて次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する。 1 第108条現住建造物等放火及び第109条第1項非現住建造物等放火の罪、これらの規定の例により処断すべき罪並びにこれらの罪の未遂罪 2 第119条現住建
の例に従ふ
1号 著作権法 に掲けたる罪
2号 削除
3号 移民保護法に掲けたる罪
28条
29条
1項 死刑、無期又は短期1年以上の懲役若くは禁錮に該る罪は他の法律の適用に付ては旧刑法の重罪と看做す
30条
1項 前条に該当せさる懲役若くは禁錮又は罰金に該る罪は他の法律の適用に付ては旧刑法の軽罪と看做す
2項 前条に該当せさる懲役又は禁錮に該る罪は他の法律の適用に付ては旧刑法の禁錮に該る罪と看做す
3項 前条に該当せさる懲役に該る罪は他の法律の適用に付ては旧刑法の重禁錮に該る罪と看做す
4項 前条に該当せさる禁錮に該る罪は他の法律の適用に付ては旧刑法の軽禁錮に該る罪と看做す
31条
1項 拘留又は科料に該る罪は他の法律の適用に付ては旧刑法の違警罪と看做す
32条
1項 他の法律に定めたる罪にして死刑、無期又は短期6年以上の拘禁刑に該るものの未遂罪は之を罰す
33条
1項 死刑、無期又は6年以上の懲役若くは禁錮に処せられたる者は他の法律の適用に付ては旧刑法の重罪の刑に処せられたるものと看做す
34条
1項 前条に記載したる者及び旧刑法の重罪の刑に処せられたる者は他の法律の適用に付ては公権を剥奪せられたるものと看做す
2項 前項の規定は復権を得たる者には之を適用せす
35条
1項 6年未満の懲役若くは禁錮又は罰金に処せられたる者は他の法律の適用に付ては旧刑法の軽罪の刑に処せられたるものと看做す
2項 6年未満の懲役に処せられたる者は他の法律の適用に付ては旧刑法の重禁錮に処せられたるものと看做す
3項 6年未満の禁錮に処せられたる者は他の法律の適用に付ては旧刑法の軽禁錮に処せられたるものと看做す
36条
1項 6年未満の懲役又は禁錮に処せられたる者及び旧刑法の禁錮の刑に処せられたる者は他の法律の適用に付ては刑の執行を終り又は其執行を受くることなきに至るまて公権を停止せられたるものと看做す
37条
1項 他の法律中旧刑法第31条又は
第33条
《 死刑、無期又は6年以上の懲役若くは禁錮…》
に処せられたる者は他の法律の適用に付ては旧刑法の重罪の刑に処せられたるものと看做す
の規定ある為め人の資格に関し別段の規定を設けさりし場合に付ては旧刑法第31条及び
第33条
《 死刑、無期又は6年以上の懲役若くは禁錮…》
に処せられたる者は他の法律の適用に付ては旧刑法の重罪の刑に処せられたるものと看做す
の規定は人の資格に関し 刑法 施行前と同一の効力を有す
53条
1項 刑法
第52条
《一部に大赦があった場合の措置 併合罪に…》
ついて処断された者がその一部の罪につき大赦を受けたときは、他の罪について改めて刑を定める。
又は
第58条
《 削除…》
の規定に依り刑を定むべき場合に於ては其犯罪事実に付き最終の判決を為したる裁判所の検察官其裁判所に請求を為すべし
2項 前項の請求ありたるときは裁判所は被告人又は其代理人の意見を聴き決定を為すべし此決定に対しては抗告を為すことを得
54条
1項 刑の執行猶予は裁判所に於て検察官の請求に因り又は職権を以て刑の言渡と同時に判決を以て之を言渡すべし
55条
1項 刑の執行猶予の言渡は上訴に因り其効力を失ふことなし但原判決を取消し又は破毀したる場合は此限に在らす
2項 上訴裁判所は新に執行猶予の言渡を為すことを得
56条
1項 刑の執行猶予の言渡を取消すべき場合に於ては刑の言渡を受けたる者の所在地又は最後の住所地を管轄する地方裁判所の検察官其裁判所に請求を為すべし
2項 前項の請求ありたるときは裁判所は被告人又は其代理人の意見を聴き決定を為すべし此決定に対しては抗告を為すことを得
57条
1項 第53条
《 刑法第52条又は第58条の規定に依り刑…》
を定むべき場合に於ては其犯罪事実に付き最終の判決を為したる裁判所の検察官其裁判所に請求を為すべし 前項の請求ありたるときは裁判所は被告人又は其代理人の意見を聴き決定を為すべし此決定に対しては抗告を為す
及び前条の裁判及び抗告に付ては 刑事訴訟法 の規定を準用す
58条
1項 1905年法律第70号に依り刑の執行猶予の言渡を受けなお猶予の期間を経過せさる者は 刑法 に依り刑の執行猶予の言渡を受けたるものと看做す
59条
1項 1906年法律第54号は之を廃止す
60条
1項 私訴は公訴に附帯するときは民事訴訟の方式に依らす書面又は口頭を以て之を為すことを得
61条
1項 贓物犯人の手に在るときは被害者の請求なしといえども之を還付する言渡を為すべし