会社経理応急措置法施行令《本則》

法番号:1946年勅令第391号

附則 >  

1条

1項 会社経理応急措置法 以下単に法といふ。第1条第1項第1号 《この法律で特別経理会社とは、左に掲げる会…》 社金融機関経理応急措置法第27条第1号に掲げる金融機関及び閉鎖機関令第1条に規定する閉鎖機関を除く。以下同じ。をいふ。 1 1946年8月11日午前零時以下指定時といふ。において、戦時補償金等の交付を 但書の規定による積立金の額は、左の各号に掲げる金額の合計額から、繰越欠損金額並びに会社経理特別措置令第2条第3号、企業整備資金措置法施行令第6条第3号、商法第286条、第287条及び第291条第4項の規定により貸借対照表の資産の部に計上した金額の合計額を控除して得た金額とする。

1号 積立金その他名称の如何を問はず特別経理会社が、各事業年度の利益金額のうちで利益金処分により留保した金額。但し、退職積立金及退職手当法により積み立てた退職手当積立金及び準備積立金納税施設法によつて積み立てた納税積立金を除く。

2号 前号に該当するものを除くの外、額面以上の価額を以て、株式を発行した場合において、その額面を超える金額のうちで積み立てた金額

3号 第1号に該当するものを除くの外、合併又は資本減少によつて生じた差益金のうちで積み立てた金額

4号 第1号に該当するものを除くの外、政府の命令により積み立てた金額

5号 保険事故の発生のときの財産目録に記載した当該保険契約の目的の価額を超えて保険金額の交付を受けた場合において、その超過額の全部又は一部を仮勘定として負債の部に計上したときには、その計上した金額

1条の2

1項 法第1条第1項第1号但書の貸借対照表に記載した指定時を以て終了する事業年度の利益金額のうち左に掲げる額は、同号但書の計算上これを控除しなければならない。

1号 会社財産の評価換によつて生じた益金

2号 額面以上の価格を以て株式を発行した場合における差益金

3号 合併又は資本減少によつて生じた差益金

4号 指定時を以て終了する事業年度分の法人税に相当する金額

2条

1項 法第7条第2項に規定する会社財産のうち、左に掲げるものは、これを旧勘定に所属せしめる。

1号 戦時補償金等の請求権及び在外資産

2号 金融機関経理応急措置法 第2条 《 金融機関の指定時における資産及び負債の…》 うち、左に掲げるものは、新勘定に属する。 1 資産 イ 現金 ロ 国債及び地方債 ハ 国又は地方公共団体に対する金銭債権で国債及び地方債以外のもの ニ 日本銀行、金融機関又は保険事業を営む組合に対する の規定によつて金融機関の新勘定に属せしめられたものを除くの外、金融機関に対する預金その他の債権

3号 国債及び地方債を除くの外、手形、小切手、株券、出資証券、債券及び社債券

4号 法第1条第1項に規定する特別経理会社及び1945年大蔵・外務・内務・司法省令第1号第1条に規定する指定機関に対する債権。但し、特別経理会社に対する法第14条第1項但書に規定するものを除く。

5号 未払込株金(未だ弁済期の至らない財産を目的とする出資を含む。)の請求権

6号 1946年商工・文部省令第1号第1条及び1946年運輸省令第32号第1条に規定する指定施設

7号 戦時補償特別措置法第41条第1項ないし[から〜まで]第3項(同法第42条において準用する場合を含む。又は第53条の規定により、代位納付義務者、政府特殊借入金の債権若しくは特殊預金等を譲り受けた者又は納税義務者である特別経理会社が、納税義務者、政府特殊借入金の債権若しくは特殊預金等を譲渡した者又は戦時補償請求権の譲渡人に求償する権利

2項 証券取引所の取引員、有価証券引受業法第1条に規定する有価証券引受業者及び有価証券業取締法第1条に規定する有価証券業者については、前項第3号に掲げる債権について同項の規定は、これを適用しない。

3条

1項 特別管理人は、法第7条第3項の規定によつて、新勘定に所属せしめる会社財産の範囲を決定したときには、決定の内容を示すべき文書を作成し、これを会社に交付しなければならない。

4条

1項 法第7条第6項の規定によつて特別経理会社が新勘定を設けた場合には、新勘定に所属せしめられる会社財産は、新勘定を設けた日において、新勘定に所属せしめられたものとする。

5条

1項 特別経理会社は、特別管理人から 第3条 《 特別管理人は、法第7条第3項の規定によ…》 つて、新勘定に所属せしめる会社財産の範囲を決定したときには、決定の内容を示すべき文書を作成し、これを会社に交付しなければならない。 に規定する文書の交付を受けた日から3週間以内に、法第8条第1項の明細書を作成し、特別管理人の承認を受けなければならない。

2項 特別の事由があるときには、主務大臣は、特別経理会社の申請により、前項の期間を延長することができる。

3項 在外資産については、旧勘定の会社財産の明細書中に、在外資産としてその金額を一括掲記することができる。

4項 特別経理会社は、法第8条第2項の規定によつて公証人の認証を受けた旧勘定に所属する会社財産の明細書の正本を本店に、その謄本を支店に、備へ置き営業時間内は何時にても利害関係人の閲覧に供さなければならない。

6条

1項 公証人法 中商法第167条の規定による定款の認証に関する規定( 公証人法 第62条 《閲覧等の規定の準用 第42条、第43条…》 、第45条及び第46条の規定は、第59条第1項の規定による認証に係る附属書類について準用する。 ノ2を除く。)は、法第8条第2項の認証に、これを準用する。

7条

1項 法第10条第1項の規定によるの率は1,000分の4とする。

8条

1項 特別経理会社は、指定時の前後に渉る継続的給付を目的とする債務については、法第11条第1項及び第2項の規定にかかはらず、指定時を以て日割計算を行ひ、新勘定及び旧勘定の負担に分つて、区分経理をしなければならない。但し、1,000円未満の債務については、新勘定の負担として経理する。

2項 指定時後3箇月以内に退職する者に対する退職金の支給については、これを旧勘定の負担として経理する。

3項 前項の期間経過後退職する者(指定時後において就職した者を除く。)の退職金の新勘定及び旧勘定の負担区分については、命令でこれを定める。

4項 特別経理会社が交互計算の当事者である場合において、指定時を含む相殺をなすべき期間は、指定時において終了するものとし、別段の意思表示をしないときには、これに続く期間は、次の相殺をなすべき期間に属するものとする。

5項 前項の規定により指定時に終了する期間における交互計算の残額の特別経理会社に対する請求権は、これを旧債権とする。

8条の2

1項 指定時の前後に渉る事項に係る支出のうち、左に掲げるものに係る支出については、これを旧勘定の負担として経理する。

1号 旧勘定に所属してゐる、又は旧勘定に所属後他に譲渡された非戦災者特別税法の非戦災家屋に対し課せられる同法による非戦災家屋税

2号 1945年8月16日午前零時以後指定時までに所有した非戦災者特別税法の非戦災家屋に対し課せられる同法による非戦災家屋税

3号 旧勘定において使用する家屋に対し課せられる非戦災者特別税法による非戦災者税

2項 1個の家屋の全部又は一部が旧勘定及び新勘定において使用せられてゐる場合における前項第3号の規定による非戦災者特別税法による非戦災者税の支出の旧勘定及び新勘定の負担区分については、特別管理人が、これを定める。

8条の2の2

1項 法第12条第1項の規定の適用を受ける場合における先取特権、質権又は抵当権の保存又は設定の登記の抹消の申請は、 不動産登記法 2004年法律第123号第60条 《共同申請 権利に関する登記の申請は、法…》 令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。 の規定にかかわらず、登記権利者が単独ですることができる。

2項 前項の申請をする場合には、当該不動産が新勘定に所属することを証する情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。

8条の3

1項 法第12条第2項の規定の適用を受ける場合において、抵当権の登録又は登記の全部が抹消されたときには、 鉄道抵当法 第35条 《 鉄道財団設定の認可ガ効力を失ひたるとき…》 又は鉄道財団ガ消滅したるときは国土交通大臣は鉄道財団の用紙を閉鎖すベし第28条の3第4項の規定に依り鉄道財団に関する表示を朱抹したる用紙に付また同ジ1909年法律第28号第1条及び 運河法 第13条 《 1909年法律第28号は運河の抵当に之…》 を準用す において準用する場合を含む。及び 工場抵当法 第48条 《 工場財団登記簿は所有権保存の登記か其の…》 効力を失ひたるとき又は第8条第3項の規定に依り工場財団ガ消滅したるときは其の登記記録に其の旨を記録すベし 第44条の規定は前項の場合に之を準用す 鉱業抵当法 第3条 《 鉱業財団に付ては工場抵当法中工場財団に…》 関する規定を準用す 漁業財団抵当法 第5条 《 漁業財団に付ては本法に規定するもの及罰…》 則を除くの外工場抵当法中工場財団に関する規定を準用す 但し工場抵当法第17条及第45条の規定の準用に付ては個別漁業権は其の漁場に最近き沿岸の属する市町村又は之に相当する行政区画、漁業の用に供する登記し 及び自動車交通事業法第47条第1項において準用する場合を含む。)の規定は、これを適用しない。

2項 鉄道抵当法 第29条第3項及び第30条第2項(1909年法律第28号第1条及び 運河法 第13条 《 1909年法律第28号は運河の抵当に之…》 を準用す において準用する場合を含む。)の規定は、法第12条第2項の規定の適用を受ける鉄道財団、軌道財団又は運河財団について、抵当権設定の登録を申請する場合に、これを準用する。

8条の3の2

1項 法第12条第2項の規定の適用を受ける鉄道財団、工場財団、鉱業財団、軌道財団、運河財団、漁業財団又は自動車交通事業財団について、抵当権の登録又は登記の全部が抹消された後当該財団が譲渡された場合において、これを譲り受けた者が所有権移転の登録又は登記後2箇月内に抵当権の設定の登録又は登記を受けないときは、当該財団の所有権保存の登録又は登記は、その効力を失う。

8条の4

1項 法第12条第3項の規定の適用を受ける場合において、工場財団、鉱業財団、漁業財団又は自動車交通事業財団の財団目録の記録の変更の登記の申請をするときは、当該財団に属する会社財産の一部が新勘定に所属することを証する情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。

2項 工場抵当法 第38条第2項 《前項の登記の申請をするには其の申請情報と…》 併せて抵当権者の同意を証する情報又は之に代るへき裁判ガありたることを証する情報を提供すベし の規定は、前項の場合には、これを適用しない。

3項 法第12条第3項の規定の適用を受ける場合において、鉄道財団、軌道財団又は運河財団の財団目録の記載の変更の届出書には、当該財団に属する会社財産の一部が新勘定に所属することを証する書面を添付しなければならない。

8条の5

1項 法第12条第1項の規定により消滅した先取特権、質権又は抵当権でその保存又は設定の登記の抹消の登記がされたものが、同条第4項の規定により消滅しなかつたものとみなされた場合には、その抹消した登記の回復を申請することができる。

8条の6

1項 工場財団、鉱業財団、漁業財団又は自動車交通事業財団に属する会社財産の一部が法第12条第3項の規定により当該財団に属さないことになつたことによりその財団目録の記録の変更の登記がされた場合において、当該会社財産が、同条第4項の規定により当該財団から除かれなかつたものとみなされたときは、その変更の登記の抹消を申請することができる。

2項 前項の場合において当該会社財産につき 工場抵当法 第23条 《 所有権保存の登記の申請ありたるときは其…》 の財団に属すへきものにして登記あるものに付ては登記官は職権を以て其の登記記録中権利部に工場財団に属すへきものとして其の財団に付所有権保存の登記の申請ありたる旨、申請の受付の年月日及受付番号を記録すベし 又は 第34条 《 登記官か所有権保存の登記を為したるとき…》 は其の財団に属したるものの登記記録中権利部に工場財団に属したる旨を記録すベし 第23条第2項ないし[から〜まで]第4項の規定は前項の場合に之を準用す 但し登記事項証明書又は登録に関する原簿の謄本の送付 鉱業抵当法 第3条 《 鉱業財団に付ては工場抵当法中工場財団に…》 関する規定を準用す 漁業財団抵当法 第5条 《 漁業財団に付ては本法に規定するもの及罰…》 則を除くの外工場抵当法中工場財団に関する規定を準用す 但し工場抵当法第17条及第45条の規定の準用に付ては個別漁業権は其の漁場に最近き沿岸の属する市町村又は之に相当する行政区画、漁業の用に供する登記し 及び自動車交通事業法第47条第1項において準用する場合を含む。)の規定による記録がされていたものについては、登記官は、前項の登記をした後、職権で、法第12条第3項の規定により当該財団に属さないこととなつた場合における財団目録の記録の変更の登記により抹消された記録と同1の記録をしなければならない。

3項 工場抵当法 第39条 《 工場財団に属するものに変更を生し又は新…》 に他のものを財団に属せしめたるに因り変更の登記を申請するときは変更したるもの又は新に属したるものを工場財団目録に記録する為の情報を提供すベし 及び 第41条 《 新に他のものを財団に属せしめたるに因り…》 変更の登記の申請ありたるときは前の目録に新に他のものを財団に属せしめたる旨、申請の受付の年月日及受付番号を記録すベし の規定は、第1項の場合に、同法第43条の規定は、前項の場合に、これを準用する。

8条の7

1項 第8条 《 特別経理会社は、指定時の前後に渉る継続…》 的給付を目的とする債務については、法第11条第1項及び第2項の規定にかかはらず、指定時を以て日割計算を行ひ、新勘定及び旧勘定の負担に分つて、区分経理をしなければならない。 但し、1,000円未満の債務 の五及び前条第1項の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。

9条

1項 左に掲げる債権は、法第14条第1項の旧債権に含まれるものとする。

1号 前条第2項の規定によつて、旧勘定で負担する退職金(同条第3項の規定による命令により、旧勘定の負担と定められる場合においては、その退職金を含む。)の債権

2号 法第14条第1項の旧債権の利息及び同項但書の旧債権の指定時後の不履行による損害賠償、違約金等の請求権

3号 特別経理会社に対して、その有する株式(指定時後において取得したものを除く。)につき、指定時後株金の払込の催告があつた場合の払込請求権

4号 特別経理会社の指定時以前の決算期における利益又は利息として配当される利益又は利息の配当請求権

5号 指定時以前に振り出された特別経理会社を支払人とする為替手形又は小切手であつて、指定時以前に引受又は支払のための呈示のなかつたものの所持人の特別経理会社に対する権利

6号 戦時補償特別措置法により特別経理会社に課せられる戦時補償特別税

7号 戦時補償特別措置法第41条第1項ないし[から〜まで]第3項、第42条又は第53条の規定により納税義務者、政府特殊借入金の債権若しくは特殊預金等を譲渡した者又は戦時補償請求権の譲渡人である特別経理会社に求償する権利

7_2号 第8条の2 《 指定時の前後に渉る事項に係る支出のうち…》 、左に掲げるものに係る支出については、これを旧勘定の負担として経理する。 1 旧勘定に所属してゐる、又は旧勘定に所属後他に譲渡された非戦災者特別税法の非戦災家屋に対し課せられる同法による非戦災家屋税 の規定により旧勘定の負担として経理される非戦災者特別税法による非戦災家屋税及び非戦災者税

8号 法第14条第1項の旧債権の保証人又は連帯債務者が主たる債務者又は他の連帯債務者である特別経理会社に対して有する求償権

9号 其の他主務大臣の指定するもの

2項 法第14条第1項但書第1号の公租公課に準ずる債権は、左に掲げるものとする。

1号 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金及び過料

2号 国税滞納処分の例により徴収し得るもの

10条

1項 法第14条第1項但書第2号の定期的給与は、左に掲げるものをいふ。

1号 給料及び賃金

2号 定期に支給する手当及び賞与

11条

1項 法第14条第1項但書第4号の臨時的給与は、左に掲げるものをいふ。

1号 会社の業務に関する臨時の役務に対する手当及び実費弁償

2号 臨時に支給する賞与

12条

1項 法第14条第1項但書第3号及び第4号の規定に依り弁済をすることができる金額(退職金に関するものを除く。)の限度は、1人につきこれを15,000円とする。

2項 法第14条第1項但書第4号の規定により弁済を受ける退職金の金額の限度は、命令でこれを定める。

13条

1項 法第14条第1項但書第6号の債権は、左に掲げるものとする。

1号 金融機関経理応急措置法 第16条 《 金融機関は、旧勘定に属する債務の弁済又…》 は旧勘定に属する資産の処分をなすことができない。 但し、命令の定める場合は、この限りでない。 但書の規定に基き金融機関に対する封鎖預金等(金融緊急措置令に規定する封鎖預金等をいふ。以下同じ。)を以て弁済される場合の金融機関の有する貸付金の債権。但し、金融機関に対する封鎖預金等を以て弁済される金額を限度とする。

2号 第9条第1項第1号 《金融機関の旧勘定に属する資産又は負債に関…》 し指定時後生ずる財産上の権利及び義務は、命令で定めるものを除いては、旧勘定に属する。 の債権。但し、命令で定める金額を限度とする。

3号 指定時以前の業務上の傷病又は死亡に因る扶助の債権

4号 指定時以前に特別経理会社の締結した双務契約であつて、特別経理会社及びその相手方の双方が、指定時にまだその履行を完了してゐないときに、当該双務契約に基いて特別経理会社の有する債権を新勘定に所属せしめた場合において、その債権の対価に相当する相手方の有する債権(但し、継続的給付を目的とする債権を除く。

5号 特別経理会社が指定時において預証券及び質入証券又は倉荷証券を所持する場合において、当該預証券及び質入証券又は倉荷証券に記載された寄託物の保管料その他保管に関する費用の請求権

6号 売り渡した物資を原料として製作されたものを買ひ取り(売り渡した物資を加工又は修理した後買ひ取る場合を含む。)、その売掛金と買掛金とを相殺する契約であつて、特別経理会社が指定時以前に締結した場合における当該契約に基く債権

7号 旧勘定のみを設けた特別経理会社に対する債権であつて、指定時後の原因に基いて生じたもの

8号 法第14条第1項但書の旧債権の利息及び同項但書各号の旧債権の指定時後の不履行による損害賠償、違約金等の請求権

9号 その他主務大臣の指定するもの

14条

1項 旧勘定に所属する財産の管理のため生じた債権については、指定時後3箇月以内は、法第14条第3項の規定にかかはらず、主務大臣の承認を受けることを要しない。

15条

1項 特別経理会社は、指定時(法第1条第1項第2号の指定を受けた会社については指定の日)後2週間以内に会社の業務を執行する役員中から互選によつて2人及び当該会社に対し指定時現在において債権(社債及び法第14条第1項但書の債権を除く。)を有する政府以外の者(以下旧債権者といふ。)であつて、当該会社の業務を執行する役員でない者のうちで、当該債権の額の最も多額な者から順次2人の特別管理人を選任しなければならない。但し、債権額が同額の場合においては、抽籤による。

2項 前項の規定は、同項の規定により特別管理人となるべき旧債権者が法人である場合においては、当該法人の指名する代表者(主務大臣の指定する法人においては業務を執行する役員)を以て、旧債権者として、これを適用する。この場合において、債権の額は、当該法人の債権の額とする。

3項 特別経理会社が、担保附社債信託法による社債を発行してゐる場合及び商法第304条により社債募集の委託をしてゐる場合には、第1項の旧債権者のうちから選任する特別管理人中1人は、これを当該社債に関する受託会社のうちから、これらの方法によらずに社債を発行してゐる場合には、商法第329条の規定による社債権者の代表者のうちから選任しなければならない。この場合において、前2項の規定は、これを準用する。

4項 指定時現在において、旧債権者及び社債権者のない特別経理会社、特別管理人に選任された旧債権者及び前項の規定により特別管理人に選任された者が就任せず、又は就任する意思がないものとみなされたため、特別管理人となるべき者のなくなつた特別経理会社並びに主務大臣の指定する特別経理会社は、法第17条第1項の規定にかかはらず、旧債権者及び前項に規定する者のうちから特別管理人を選任することを要しない。

5項 特別経理会社の業務を執行する役員が1人のとき、旧債権者が1人若しくは旧債権者から特別管理人に選任された者が就任せず、若しくは就任する意思がないものとみなされたため、特別管理人となるべき旧債権者が1人のとき(社債を発行してゐる場合を除く。)には、又は旧債権がなく第3項の規定による受託会社若しくは社債権者のみのときには、法第17条第1項の規定にかかはらず、業務を執行する役員及び旧債権者のうちから選任する特別管理人は、夫々1人とする。

6項 資本金1,010,000円未満の特別経理会社は、法第17条第1項の規定にかかはらず、選任すべき特別管理人を、当該会社の業務を執行する役員のうちから1人及び当該会社の旧債権者のうちから1人とすることができる。

7項 破産手続中の特別経理会社は、第1項の規定によつて特別管理人となるべき旧債権者のみを特別管理人として選任する。

8項 清算中の特別経理会社は、その清算人のうちから2人及び当該会社の旧債権者のうちから2人の特別管理人を選任しなければならない。

9項 第1項ないし[から〜まで]第6項の規定は、前項の場合に、これを準用する。

16条

1項 特別経理会社は、前条第1項の規定により特別管理人として選任されるべき旧債権者が著しく不適当であると認める場合においては、同項の規定によつて次の順位を有する旧債権者を選任することができる。この場合において、次の順位の旧債権者がないときは、前条第5項の規定を準用する。

2項 前項の場合において、特別管理人に選任されなかつた先順位の旧債権者が不服であるときには、主務大臣に対して異議の申立をすることができる。

3項 旧債権者の異議の申立のある場合においては、主務大臣は、特別管理人の選任について、適当と認める措置を講ずることができる。

17条

1項 特別経理会社は、主務大臣の認可を受けたときには、法第17条第1項の規定にかかはらず、特別管理人を増員し又は当該会社の業務を執行する役員若しくは旧債権者でない者を特別管理人として選任することができる。

2項 特別管理人又は特別経理会社に対し指定時において、払込株金額の10分の一以上に当る債権を有する者、出資金額が資本金の10分の一以上に当る社員若しくは資本金の10分の一以上に当る株式を有する株主は、会社に対し文書を以て前項の認可申請をするべき旨を請求することができる。

3項 前項の請求があつた場合には、会社は直ちに命令の定めるところによつて、認可の申請をしなければならない。

4項 主務大臣が前項の申請を認可した場合には、特別経理会社は、当該認可に基いて特別管理人を選任しなければならない。

5項 主務大臣は、必要があると認めるときには、職権を以て特別管理人を選任することができる。

18条

1項 特別管理人又は前条第2項に規定する旧債権者、社員若しくは株主が、特別管理人の選任に対して不服がある場合又は特別管理人のうち著しく不適当と認める者がある場合においては、主務大臣に異議の申立をすることができる。

2項 第16条第3項 《旧債権者の異議の申立のある場合においては…》 、主務大臣は、特別管理人の選任について、適当と認める措置を講ずることができる。 の規定は、前項の場合に準用する。

19条

1項 特別経理会社は、特別管理人に選任しようとする者を決定したときには、遅滞なくその旨を特別管理人に選任しようとする者に通知しなければならない。

2項 前項の通知を受けた者は、前項の通知を受けた日から2週間以内に、特別経理会社に対して、特別管理人に就任するか否かの意思を通知しなければならない。

3項 前項の期間内に、同項の者から意思の通知がないときには、就任する意思がないものとみなす。

4項 特別管理人は、その職務を行ふについて、代理人を選任することができる。この場合においては、当該特別管理人は代理人の住所及び氏名を特別経理会社に対して通知しなければならない。

5項 特別管理人は、病気その他正当な事由によりその職務を遂行することができないときには、その任務を辞することができる。この場合においては、遅滞なくその旨を特別経理会社に対して通知しなければならない。

6項 前項の規定によつて特別管理人がその任務を辞したとき、特別管理人が死亡したとき、法第20条の規定によつて解任せられたとき又は特別管理人に選任せられる資格を失つたときには、特別経理会社は 第15条 《 特別経理会社は、指定時法第1条第1項第…》 2号の指定を受けた会社については指定の日後2週間以内に会社の業務を執行する役員中から互選によつて2人及び当該会社に対し指定時現在において債権社債及び法第14条第1項但書の債権を除く。を有する政府以外の ないし[から〜まで] 第17条 《 特別経理会社は、主務大臣の認可を受けた…》 ときには、法第1項の規定にかかはらず、特別管理人を増員し又は当該会社の業務を執行する役員若しくは旧債権者でない者を特別管理人として選任することができる。 特別管理人又は特別経理会社に対し指定時において の規定によつて、欠員となつた特別管理人を補充しなければならない。同条の規定によつて補充のできない場合においては、特別経理会社の申出により、主務大臣は、適当と認める措置を講ずることができる。

20条

1項 特別経理会社の業務を執行する役員以外の者から選任された特別管理人の報酬は、特別管理人に選任された会社の業務を執行する役員の平均報酬の範囲内において、特別管理人が、特別経理会社と協議してこれを決定する。協議が調わないときには、主務大臣が、これを裁定する。ただし、整理、清算又は破産手続中の特別経理会社の特別管理人の報酬については、破産管財人の報酬に関する 破産法 2004年法律第75号)の規定を準用する。

2項 特別経理会社の役員中から選任された特別管理人は、特別管理人としての報酬を受けることができない。

3項 特別管理人の職務執行の為に要した費用については、その実費を支払ふ。

4項 第1項の報酬及び前項の費用は、これを旧勘定に所属する財産の管理のために要した費用とする。

5項 破産法 第85条 《破産管財人の注意義務 破産管財人は、善…》 良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。 2 破産管財人が前項の注意を怠ったときは、その破産管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負う。 の規定は、特別管理人に、これを準用する。

21条

1項 特別管理人のうちから互選された特別管理人は、法第19条の規定による各特別管理人の可否の意見を証する書面を作成し、これに各特別管理人の署名捺印を求め、これを保管しなければならない。

2項 特別管理人の意思を表示する文書には、前項の規定により互選された特別管理人が、これに署名捺印をしなければならない。

3項 主務大臣の裁定があつた場合には、前項の文書にその旨を附記しなければならない。

22条

1項 特別経理会社は、左に掲げる場合においては、法第22条の規定による特別管理人の承認を受けることを要しない。

1号 法第14条第1項但書に掲げる債務を弁済するため必要な限度において財産を処分するとき

2号 金融機関より預金の払戻を受けるとき

3号 土地、建物(土地及び建物の売買を会社の目的とする場合を除く。)その他の事業設備以外の法第7条第2項に規定する会社財産について、特別経理会社が、事業の常務の執行上必要な範囲において時価を下らない対価を以て処分するとき

23条

1項 法第27条の規定により法の施行に関する事務の一部を、日本銀行をして取り扱はしめるについて必要な事項は、主務大臣が協議して、これを定める。

2項 前項の規定により、日本銀行が取り扱ふ事務に要する費用は、日本銀行の負担とする。

23条の2

1項 特別経理会社は、 第2条第1項第6号 《法第7条第2項に規定する会社財産のうち、…》 左に掲げるものは、これを旧勘定に所属せしめる。 1 戦時補償金等の請求権及び在外資産 2 金融機関経理応急措置法第2条の規定によつて金融機関の新勘定に属せしめられたものを除くの外、金融機関に対する預金 の規定によつて、旧勘定に所属せしめた施設を利用して、新勘定の計算において事業を行ふ場合には、特別管理人の定める金額を毎月新勘定から旧勘定に繰り入れることができる。

23条の3

1項 法第1条第1項第1号但書の認可を受けた会社は、その認可を受けた日において、新勘定及び旧勘定を併合する。但し、旧勘定のみを設けた会社は、旧勘定を廃止する。

2項 前項の場合においては、法第16条第4項の規定によつて変更された事業年度は、変更されなかつたものとする。

23条の4

1項 特別経理会社は、定款の定にかかはらず、指定時から指定時を含む事業年度について定款に定められた定時総会の招集の時期までに法第16条第4項の規定によつて指定時に終了した事業年度の定時総会を招集することができる。

24条

1項 及びこの勅令において戦時補償金等といふのは、1945年8月15日以前において発生した人又は法人の損害、又は同日以前における業務の運営、制限若しくは禁止又は物資、権利、労務若しくは施設の生産、修理、譲渡、使用、収用、管理、供給、移転、制限若しくは禁止に基き、政府又は政府に準ずる機関(政府の行ふ施策に協力することを目的として設立せられ且つその者の業務による損失を政府において、補償するもの及び旧戦時特殊損害保険法第2条の規定により指定を受けた保険会社をいふ。)に対する補償金を請求する権利その他の債権であつて、命令で定めるもの以外のものをいふ。

25条

1項 及びこの勅令において在外資産というのは次に掲げるものをいう。

1号 外国(財務大臣の指定する地域を含む。以下同じ。)にある動産、不動産及びこれらのものに関する権利

2号 外国にある鉱業権、漁業権及びこれらに準ずる権利並びにこれらの権利に関する権利

3号 外国居住者又は外国事業所若しくは営業所の負担となる債権、請求権、銀行預金その他の預金又は信用取引であつて、外国を履行地とするもの

4号 外国にある事業、営業又はこれらのものに対する出資

5号 外国居住者により発行せられ又はその者の債務となるべき有価証券

6号 外国の著作権、特許権、実用新案権、意匠権又は商標権並びにこれらのものに関する権利

7号 日本銀行券、貨幣、政府の発行する小額紙幣、臨時補助通貨及びB号円表示通貨以外の通貨

8号 外国に本社を有する会社の本邦にある事業所又は営業所に対する債権

9号 本邦にある者の有する第7号に掲げる通貨をもつて表示する債権

10号 その他前各号に準ずるもので財務大臣の指定するもの

26条

1項 法第17条第3項及び第4項の規定は、 第16条第1項 《特別経理会社は、前条第1項の規定により特…》 別管理人として選任されるべき旧債権者が著しく不適当であると認める場合においては、同項の規定によつて次の順位を有する旧債権者を選任することができる。 この場合において、次の順位の旧債権者がないときは、前 第17条第1項 《特別経理会社は、主務大臣の認可を受けたと…》 きには、法の規定にかかはらず、特別管理人を増員し又は当該会社の業務を執行する役員若しくは旧債権者でない者を特別管理人として選任することができる。 及び第5項並びに 第19条第6項 《前項の規定によつて特別管理人がその任務を…》 辞したとき、特別管理人が死亡したとき、法第20条の規定によつて解任せられたとき又は特別管理人に選任せられる資格を失つたときには、特別経理会社は第15条ないし[から〜まで]第17条の規定によつて、欠員と の規定により特別管理人を選任したとき、又は 第19条第4項 《特別管理人は、その職務を行ふについて、代…》 理人を選任することができる。 この場合においては、当該特別管理人は代理人の住所及び氏名を特別経理会社に対して通知しなければならない。 の規定により代理人を選任したとき、若しくはその代理人の代理権の消滅したときに、これを準用する。

27条

1項 この勅令における主務大臣は、法第27条の2に規定する主務大臣とする。

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