歯科医師法《本則》

法番号:1948年法律第202号

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1章 総則

1条

1項 歯科医師は、歯科医療及び保健指導を掌ることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

2章 免許

2条

1項 歯科医師になろうとする者は、歯科医師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。

3条

1項 未成年者には、免許を与えない。

4条

1項 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。

1号 心身の障害により歯科医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの

2号 麻薬、大麻又はあへんの中毒者

3号 罰金以上の刑に処せられた者

4号 前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者

5条

1項 厚生労働省に歯科医籍を備え、登録年月日、 第7条第1項 《歯科医師が第4条各号のいずれかに該当し、…》 又は歯科医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。 1 戒告 2 3年以内の歯科医業の停止 3 免許の取消し の規定による処分に関する事項その他の歯科医師免許に関する事項を登録する。

6条

1項 免許は、歯科医師国家試験に合格した者の申請により、歯科医籍に登録することによつて行う。

2項 厚生労働大臣は、免許を与えたときは、歯科医師免許証を交付する。

3項 歯科医師は、厚生労働省令で定める2年ごとの年の12月31日現在における氏名、住所(歯科医業に従事する者については、更にその場所)その他厚生労働省令で定める事項を、当該年の翌年1月15日までに、その住所地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に届け出なければならない。ただし、 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律 2002年法律第151号第6条第1項 《申請等のうち当該申請等に関する他の法令の…》 規定において書面等により行うことその他のその方法が規定されているものについては、当該法令の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、主務省令で定める電子情報処理組織行政機関等の使用に係る電子計算 の規定により当該届出を同項に規定する電子情報処理組織を使用して行うときは、都道府県知事を経由することを要しない。

6条の2

1項 厚生労働大臣は、歯科医師免許を申請した者について、 第4条第1号 《第4条 次の各号のいずれかに該当する者に…》 は、免許を与えないことがある。 1 心身の障害により歯科医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの 2 麻薬、大麻又はあへんの中毒者 3 罰金以上の刑に処せられた者 4 前号 に掲げる者に該当すると認め、同条の規定により免許を与えないこととするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知し、その求めがあつたときは、厚生労働大臣の指定する職員にその意見を聴取させなければならない。

7条

1項 歯科医師が 第4条 《 次の各号のいずれかに該当する者には、免…》 許を与えないことがある。 1 心身の障害により歯科医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの 2 麻薬、大麻又はあへんの中毒者 3 罰金以上の刑に処せられた者 4 前号に該当 各号のいずれかに該当し、又は歯科医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。

1号 戒告

2号 3年以内の歯科医業の停止

3号 免許の取消し

2項 前項の規定による取消処分を受けた者( 第4条第3号 《第4条 次の各号のいずれかに該当する者に…》 は、免許を与えないことがある。 1 心身の障害により歯科医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの 2 麻薬、大麻又はあへんの中毒者 3 罰金以上の刑に処せられた者 4 前号 若しくは第4号に該当し、又は歯科医師としての品位を損するような行為のあつた者として同項の規定による取消処分を受けた者にあつては、その処分の日から起算して5年を経過しない者を除く。)であつても、その者がその取消しの理由となつた事項に該当しなくなつたときその他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至つたときは、再免許を与えることができる。この場合においては、 第6条第1項 《免許は、歯科医師国家試験に合格した者の申…》 請により、歯科医籍に登録することによつて行う。 及び第2項の規定を準用する。

3項 厚生労働大臣は、前2項に規定する処分をするに当たつては、あらかじめ医道審議会の意見を聴かなければならない。

4項 厚生労働大臣は、第1項の規定による免許の取消処分をしようとするときは、都道府県知事に対し、当該処分に係る者に対する意見の聴取を行うことを求め、当該意見の聴取をもつて、厚生労働大臣による聴聞に代えることができる。

5項 行政手続法 1993年法律第88号)第3章第2節(第25条、第26条及び 第28条 《 歯科医師試験委員その他歯科医師国家試験…》 又は歯科医師国家試験予備試験に関する事務をつかさどる者は、その事務の施行に当たつて厳正を保持し、不正の行為のないようにしなければならない。 を除く。)の規定は、都道府県知事が前項の規定により意見の聴取を行う場合について準用する。この場合において、同節中「聴聞」とあるのは「意見の聴取」と、同法第15条第1項及び第3項(同法第22条第3項において準用する場合を含む。)中「行政庁」とあるのは「都道府県知事」と、同法第15条第4項(同法第22条第3項において準用する場合を含む。)中「当該行政庁が」とあるのは「当該都道府県知事が」と、「当該行政庁の」とあるのは「当該都道府県の」と、同法第16条第4項並びに 第18条第1項 《歯科医師でなければ、歯科医師又はこれに紛…》 らわしい名称を用いてはならない。 及び第3項中「行政庁」とあるのは「都道府県知事」と、同法第19条第1項中「行政庁が指名する職員その他政令で定める者」とあるのは「都道府県知事が指名する職員」と、同法第20条第1項、第2項及び第4項中「行政庁」とあるのは「都道府県」と、同条第6項及び同法第24条第3項中「行政庁」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。

6項 厚生労働大臣は、都道府県知事から当該処分の原因となる事実を証する書類その他意見の聴取を行う上で必要となる書類を求められた場合には、速やかにそれらを当該都道府県知事あて送付しなければならない。

7項 都道府県知事は、第4項の規定により意見の聴取を行う場合において、第5項において読み替えて準用する 行政手続法 第24条第3項 《3 主宰者は、聴聞の終結後速やかに、不利…》 益処分の原因となる事実に対する当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書を作成し、第1項の調書とともに行政庁に提出しなければならない。 の規定により同条第1項の調書及び同条第3項の報告書の提出を受けたときは、これらを保存するとともに、当該調書及び報告書の写しを厚生労働大臣に提出しなければならない。この場合において、当該処分の決定についての意見があるときは、当該写しのほか当該意見を記載した意見書を提出しなければならない。

8項 厚生労働大臣は、意見の聴取の終結後に生じた事情に鑑み必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、前項前段の規定により提出された調書及び報告書の写し並びに同項後段の規定により提出された意見書を返戻して主宰者に意見の聴取の再開を命ずるよう求めることができる。 行政手続法 第22条第2項 《2 前項の場合においては、当事者及び参加…》 人に対し、あらかじめ、次回の聴聞の期日及び場所を書面により通知しなければならない。 ただし、聴聞の期日に出頭した当事者及び参加人に対しては、当該聴聞の期日においてこれを告知すれば足りる。 本文及び第3項の規定は、この場合について準用する。

9項 厚生労働大臣は、当該処分の決定をするときは、第7項の規定により提出された意見書並びに調書及び報告書の写しの内容を10分参酌してこれをしなければならない。

10項 厚生労働大臣は、第1項の規定による歯科医業の停止の命令をしようとするときは、都道府県知事に対し、当該処分に係る者に対する弁明の聴取を行うことを求め、当該弁明の聴取をもつて、厚生労働大臣による弁明の機会の付与に代えることができる。

11項 前項の規定により弁明の聴取を行う場合において、都道府県知事は、弁明の聴取を行うべき日時までに相当な期間をおいて、当該処分に係る者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

1号 第1項の規定を根拠として当該処分をしようとする旨及びその内容

2号 当該処分の原因となる事実

3号 弁明の聴取の日時及び場所

12項 厚生労働大臣は、第10項に規定する場合のほか、厚生労働大臣による弁明の機会の付与に代えて、医道審議会の委員に、当該処分に係る者に対する弁明の聴取を行わせることができる。この場合においては、前項中「前項」とあるのは「次項」と、「都道府県知事」とあるのは「厚生労働大臣」と読み替えて、同項の規定を適用する。

13項 第11項(前項後段の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の通知を受けた者は、代理人を出頭させ、かつ、証拠書類又は証拠物を提出することができる。

14項 都道府県知事又は医道審議会の委員は、第10項又は第12項前段の規定により弁明の聴取を行つたときは、聴取書を作り、これを保存するとともに、報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。この場合において、当該処分の決定についての意見があるときは、当該意見を報告書に記載しなければならない。

15項 厚生労働大臣は、第4項又は第10項の規定により都道府県知事が意見の聴取又は弁明の聴取を行う場合においては、都道府県知事に対し、あらかじめ、次に掲げる事項を通知しなければならない。

1号 当該処分に係る者の氏名及び住所

2号 当該処分の内容及び根拠となる条項

3号 当該処分の原因となる事実

16項 第4項の規定により意見の聴取を行う場合における第5項において読み替えて準用する 行政手続法 第15条第1項 《行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を…》 行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名宛人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。 1 予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項 2 不利益処分の の通知又は第10項の規定により弁明の聴取を行う場合における第11項の通知は、それぞれ、前項の規定により通知された内容に基づいたものでなければならない。

17項 第4項若しくは第10項の規定により都道府県知事が意見の聴取若しくは弁明の聴取を行う場合又は第12項前段の規定により医道審議会の委員が弁明の聴取を行う場合における当該処分については、 行政手続法 第3章( 第12条 《処分の基準 行政庁は、処分基準を定め、…》 かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。 2 行政庁は、処分基準を定めるに当たっては、不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。 及び 第14条 《不利益処分の理由の提示 行政庁は、不利…》 益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。 ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。 2 行政庁は、前項 を除く。)の規定は、適用しない。

7条の2

1項 厚生労働大臣は、前条第1項第1号若しくは第2号に掲げる処分を受けた歯科医師又は同条第2項の規定により再免許を受けようとする者に対し、歯科医師としての倫理の保持又は歯科医師として具有すべき知識及び技能に関する研修として厚生労働省令で定めるもの(以下「 再教育研修 」という。)を受けるよう命ずることができる。

2項 厚生労働大臣は、前項の規定による 再教育研修 を修了した者について、その申請により、再教育研修を修了した旨を歯科医籍に登録する。

3項 厚生労働大臣は、前項の登録をしたときは、 再教育研修 修了登録証を交付する。

4項 第2項の登録を受けようとする者及び 再教育研修 修了登録証の書換交付又は再交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

5項 前条第10項から第17項まで(第12項を除く。)の規定は、第1項の規定による命令をしようとする場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

7条の3

1項 厚生労働大臣は、歯科医師について 第7条第1項 《歯科医師が第4条各号のいずれかに該当し、…》 又は歯科医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。 1 戒告 2 3年以内の歯科医業の停止 3 免許の取消し の規定による処分をすべきか否かを調査する必要があると認めるときは、当該事案に関係する者若しくは参考人から意見若しくは報告を徴し、診療録その他の物件の所有者に対し、当該物件の提出を命じ、又は当該職員をして当該事案に関係のある病院その他の場所に立ち入り、診療録その他の物件を検査させることができる。

2項 前項の規定により立入検査をしようとする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

3項 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

8条

1項 この章に規定するもののほか、免許の申請、歯科医籍の登録、訂正及び抹消、免許証の交付、書換交付、再交付、返納及び提出並びに住所の届出に関して必要な事項は政令で、 第7条第1項 《歯科医師が第4条各号のいずれかに該当し、…》 又は歯科医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。 1 戒告 2 3年以内の歯科医業の停止 3 免許の取消し の処分、 第7条の2第1項 《厚生労働大臣は、前条第1項第1号若しくは…》 第2号に掲げる処分を受けた歯科医師又は同条第2項の規定により再免許を受けようとする者に対し、歯科医師としての倫理の保持又は歯科医師として具有すべき知識及び技能に関する研修として厚生労働省令で定めるもの 再教育研修 の実施、同条第2項の歯科医籍の登録並びに同条第3項の再教育研修修了登録証の交付、書換交付及び再交付に関して必要な事項は厚生労働省令で定める。

3章 試験

9条

1項 歯科医師国家試験は、臨床上必要な歯科医学及び衛生に関して、歯科医師として具有すべき知識及び技能について、これを行う。

10条

1項 歯科医師国家試験及び歯科医師国家試験予備試験は、毎年少くとも一回、厚生労働大臣が、これを行う。

2項 厚生労働大臣は、歯科医師国家試験又は歯科医師国家試験予備試験の科目又は実施若しくは合格者の決定の方法を定めようとするときは、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。

11条

1項 歯科医師国家試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、これを受けることができない。

1号 学校教育法 1947年法律第26号)に基づく大学(以下単に「大学」という。)において、歯学の正規の課程を修めて卒業した者(大学において歯学を専攻する学生が臨床実習を開始する前に修得すべき知識及び技能を具有しているかどうかを評価するために大学が共用する試験として厚生労働省令で定めるもの( 第17条の2 《 大学において歯学を専攻する学生であつて…》 、共用試験に合格したものは、前条の規定にかかわらず、当該大学が行う臨床実習において、歯科医師の指導監督の下に、歯科医師として具有すべき知識及び技能の修得のために歯科医業政令で定めるものを除く。次条にお において「 共用試験 」という。)に合格した者に限る。

2号 歯科医師国家試験予備試験に合格した者で、合格した後1年以上の診療及びくう衛生に関する実地修練を経たもの

3号 外国の歯科医学校を卒業し、又は外国で歯科医師免許を得た者で、厚生労働大臣が前2号に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有し、かつ、適当と認定したもの

2項 厚生労働大臣は、前項第1号の厚生労働省令の制定又は改正の立案をしようとするときは、医道審議会の意見を聴かなければならない。

12条

1項 歯科医師国家試験予備試験は、外国の歯科医学校を卒業し、又は外国で歯科医師免許を得た者のうち、前条第1項第3号に該当しない者であつて、厚生労働大臣が適当と認定したものでなければ、これを受けることができない。

13条及び14条

1項 削除

15条

1項 歯科医師国家試験又は歯科医師国家試験予備試験に関して不正の行為があつた場合には、当該不正行為に関係のある者について、その受験を停止させ、又はその試験を無効とすることができる。この場合においては、なお、その者について、期間を定めて試験を受けることを許さないことができる。

16条

1項 この章に規定するものの外、試験の科目、受験手続その他試験に関して必要な事項及び実地修練に関して必要な事項は、厚生労働省令でこれを定める。

3章の2 臨床研修

16条の2

1項 診療に従事しようとする歯科医師は、1年以上、歯学若しくは医学を履修する課程を置く大学に附属する病院(歯科医業を行わないものを除く。又は厚生労働大臣の指定する病院若しくは診療所において、臨床研修を受けなければならない。

2項 厚生労働大臣は、前項の規定により指定した病院又は診療所が臨床研修を行うについて不適当であると認めるに至つたときは、その指定を取り消すことができる。

3項 厚生労働大臣は、第1項の指定又は前項の指定の取消しをしようとするときは、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。

4項 第1項の規定の適用については、外国の病院又は診療所で、厚生労働大臣が適当と認めたものは、同項の厚生労働大臣の指定する病院又は診療所とみなす。

16条の3

1項 臨床研修を受けている歯科医師は、臨床研修に専念し、その資質の向上を図るように努めなければならない。

16条の4

1項 厚生労働大臣は、 第16条の2第1項 《診療に従事しようとする歯科医師は、1年以…》 上、歯学若しくは医学を履修する課程を置く大学に附属する病院歯科医業を行わないものを除く。又は厚生労働大臣の指定する病院若しくは診療所において、臨床研修を受けなければならない。 の規定による臨床研修を修了した者について、その申請により、臨床研修を修了した旨を歯科医籍に登録する。

2項 厚生労働大臣は、前項の登録をしたときは、臨床研修修了登録証を交付する。

16条の5

1項 前条第1項の登録を受けようとする者及び臨床研修修了登録証の書換交付又は再交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

16条の6

1項 この章に規定するもののほか、 第16条の2第1項 《診療に従事しようとする歯科医師は、1年以…》 上、歯学若しくは医学を履修する課程を置く大学に附属する病院歯科医業を行わないものを除く。又は厚生労働大臣の指定する病院若しくは診療所において、臨床研修を受けなければならない。 の指定、 第16条の4第1項 《厚生労働大臣は、第16条の2第1項の規定…》 による臨床研修を修了した者について、その申請により、臨床研修を修了した旨を歯科医籍に登録する。 の歯科医籍の登録並びに同条第2項の臨床研修修了登録証の交付、書換交付及び再交付に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。

4章 業務

17条

1項 歯科医師でなければ、歯科医業をなしてはならない。

17条の2

1項 大学において歯学を専攻する学生であつて、 共用試験 に合格したものは、前条の規定にかかわらず、当該大学が行う臨床実習において、歯科医師の指導監督の下に、歯科医師として具有すべき知識及び技能の修得のために歯科医業(政令で定めるものを除く。次条において同じ。)をすることができる。

17条の3

1項 前条の規定により歯科医業をする者は、正当な理由がある場合を除き、その業務上知り得た人の秘密を他に漏らしてはならない。同条の規定により歯科医業をする者でなくなつた後においても、同様とする。

18条

1項 歯科医師でなければ、歯科医師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。

19条

1項 診療に従事する歯科医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。

2項 診療をなした歯科医師は、診断書の交付の求があつた場合は、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。

20条

1項 歯科医師は、自ら診察しないで治療をし、又は診断書若しくは処方を交付してはならない。

21条

1項 歯科医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当たつている者に対して処方箋を交付しなければならない。ただし、患者又は現にその看護に当たつている者が処方箋の交付を必要としない旨を申し出た場合及び次の各号のいずれかに該当する場合においては、その限りでない。

1号 暗示的効果を期待する場合において、処方箋を交付することがその目的の達成を妨げるおそれがある場合

2号 処方箋を交付することが診療又は疾病の予後について患者に不安を与え、その疾病の治療を困難にするおそれがある場合

3号 病状の短時間ごとの変化に即応して薬剤を投与する場合

4号 診断又は治療方法の決定していない場合

5号 治療上必要な応急の措置として薬剤を投与する場合

6号 安静を要する患者以外に薬剤の交付を受けることができる者がいない場合

7号 薬剤師が乗り組んでいない船舶内において、薬剤を投与する場合

2項 歯科医師は、 地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律 平成元年法律第64号第12条の2第1項 《医師又は歯科医師は、患者又は現にその看護…》 に当たっている者の求めに応じて、医師法1948年法律第201号第22条第1項又は歯科医師法1948年法律第202号第21条第1項の規定によるこれらの者に対する処方箋書面に代えて当該処方箋に係る電磁的記 の規定により処方箋を提供した場合は、前項の患者又は現にその看護に当たつている者に対して処方箋を交付したものとみなす。

22条

1項 歯科医師は、診療をしたときは、本人又はその保護者に対し、療養の方法その他保健の向上に必要な事項の指導をしなければならない。

23条

1項 歯科医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。

2項 前項の診療録であつて、病院又は診療所に勤務する歯科医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その他の診療に関するものは、その歯科医師において、5年間これを保存しなければならない。

23条の2

1項 厚生労働大臣は、公衆衛生上重大な危害を生ずる虞がある場合において、その危害を防止するため特に必要があると認めるときは、歯科医師に対して、歯科医療又は保健指導に関し必要な指示をすることができる。

2項 厚生労働大臣は、前項の規定による指示をするに当つては、あらかじめ医道審議会の意見を聴かなければならない。

5章 歯科医師試験委員

24条

1項 歯科医師国家試験及び歯科医師国家試験予備試験に関する事務をつかさどらせるため、厚生労働省に歯科医師試験委員を置く。

2項 歯科医師試験委員に関し必要な事項は、政令で定める。

25条から27条まで

1項 削除

28条

1項 歯科医師試験委員その他歯科医師国家試験又は歯科医師国家試験予備試験に関する事務をつかさどる者は、その事務の施行に当たつて厳正を保持し、不正の行為のないようにしなければならない。

5章の2 雑則

28条の2

1項 厚生労働大臣は、歯科医療を受ける者その他国民による歯科医師の資格の確認及び歯科医療に関する適切な選択に資するよう、歯科医師の氏名その他の政令で定める事項を公表するものとする。

28条の3

1項 第6条第3項 《3 歯科医師は、厚生労働省令で定める2年…》 ごとの年の12月31日現在における氏名、住所歯科医業に従事する者については、更にその場所その他厚生労働省令で定める事項を、当該年の翌年1月15日までに、その住所地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に第7条第4項 《4 厚生労働大臣は、第1項の規定による免…》 許の取消処分をしようとするときは、都道府県知事に対し、当該処分に係る者に対する意見の聴取を行うことを求め、当該意見の聴取をもつて、厚生労働大臣による聴聞に代えることができる。 及び第8項前段、同条第10項及び第11項(これらの規定を 第7条の2第5項 《5 前条第10項から第17項まで第12項…》 を除く。の規定は、第1項の規定による命令をしようとする場合について準用する。 この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。 において準用する場合を含む。)、 第7条第5項 《5 行政手続法1993年法律第88号第3…》 章第2節第25条、第26条及び第28条を除く。の規定は、都道府県知事が前項の規定により意見の聴取を行う場合について準用する。 この場合において、同節中「聴聞」とあるのは「意見の聴取」と、同法第15条第 において準用する 行政手続法 第15条第1項 《行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を…》 行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名宛人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。 1 予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項 2 不利益処分の 及び第3項(同法第22条第3項において準用する場合を含む。)、第16条第4項、 第18条第1項 《歯科医師でなければ、歯科医師又はこれに紛…》 らわしい名称を用いてはならない。 及び第3項、 第19条第1項 《診療に従事する歯科医師は、診察治療の求が…》 あつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。 、第20条第6項並びに第24条第3項並びに 第7条第8項 《8 厚生労働大臣は、意見の聴取の終結後に…》 生じた事情に鑑み必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、前項前段の規定により提出された調書及び報告書の写し並びに同項後段の規定により提出された意見書を返戻して主宰者に意見の聴取の再開を命ずるよう 後段において準用する同法第22条第3項において準用する同法第15条第3項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、 地方自治法 1947年法律第67号第2条第9項第1号 《この法律において「法定受託事務」とは、次…》 に掲げる事務をいう。 1 法律又はこれに基づく政令により都道府県、市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るものであつて、国においてその適正な処理を特に確保する必要 に規定する第1号法定受託事務とする。

6章 罰則

29条

1項 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の拘禁刑若しくは1,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

1号 第17条 《 歯科医師でなければ、歯科医業をなしては…》 ならない。 の規定に違反した者

2号 虚偽又は不正の事実に基づいて歯科医師免許を受けた者

2項 前項第1号の罪を犯した者が、歯科医師又はこれに類似した名称を用いたものであるときは、3年以下の拘禁刑若しくは2,010,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

30条

1項 第7条第1項 《歯科医師が第4条各号のいずれかに該当し、…》 又は歯科医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。 1 戒告 2 3年以内の歯科医業の停止 3 免許の取消し の規定により歯科医業の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、歯科医業を行つたものは、1年以下の拘禁刑若しくは510,000円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

31条

1項 第28条 《 歯科医師試験委員その他歯科医師国家試験…》 又は歯科医師国家試験予備試験に関する事務をつかさどる者は、その事務の施行に当たつて厳正を保持し、不正の行為のないようにしなければならない。 の規定に違反して故意若しくは重大な過失により事前に試験問題を漏らし、又は故意に不正の採点をした者は、1年以下の拘禁刑又は510,000円以下の罰金に処する。

31条の2

1項 第17条の3 《 前条の規定により歯科医業をする者は、正…》 当な理由がある場合を除き、その業務上知り得た人の秘密を他に漏らしてはならない。 同条の規定により歯科医業をする者でなくなつた後においても、同様とする。 の規定に違反して、業務上知り得た人の秘密を漏らした者は、6月以下の拘禁刑又は110,000円以下の罰金に処する。

2項 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

31条の3

1項 次の各号のいずれかに該当する者は、510,000円以下の罰金に処する。

1号 第6条第3項 《3 歯科医師は、厚生労働省令で定める2年…》 ごとの年の12月31日現在における氏名、住所歯科医業に従事する者については、更にその場所その他厚生労働省令で定める事項を、当該年の翌年1月15日までに、その住所地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に第18条 《 歯科医師でなければ、歯科医師又はこれに…》 紛らわしい名称を用いてはならない。第20条 《 歯科医師は、自ら診察しないで治療をし、…》 又は診断書若しくは処方せヽんヽを交付してはならない。第21条第1項 《歯科医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤し…》 て投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当たつている者に対して処方箋を交付しなければならない。 ただし、患者又は現にその看護に当たつている者が処方箋の交付を必要としない旨を申し出た 又は 第23条 《 歯科医師は、診療をしたときは、遅滞なく…》 診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。 2 前項の診療録であつて、病院又は診療所に勤務する歯科医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その他の診療に関するものは、 の規定に違反した者

2号 第7条の2第1項 《厚生労働大臣は、前条第1項第1号若しくは…》 第2号に掲げる処分を受けた歯科医師又は同条第2項の規定により再免許を受けようとする者に対し、歯科医師としての倫理の保持又は歯科医師として具有すべき知識及び技能に関する研修として厚生労働省令で定めるもの の規定による命令に違反して 再教育研修 を受けなかつた者

3号 第7条の3第1項 《厚生労働大臣は、歯科医師について第7条第…》 1項の規定による処分をすべきか否かを調査する必要があると認めるときは、当該事案に関係する者若しくは参考人から意見若しくは報告を徴し、診療録その他の物件の所有者に対し、当該物件の提出を命じ、又は当該職員 の規定による陳述をせず、報告をせず、若しくは虚偽の陳述若しくは報告をし、物件を提出せず、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

31条の4

1項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前条第3号の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同条の罰金刑を科する。

《本則》 ここまで 附則 >  

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