防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律《本則》

法番号:1972年法律第132号

附則 >  

1条 (趣旨)

1項 この法律は、豪雨、洪水、高潮その他の異常な自然現象による災害が発生した地域又は 建築基準法 1950年法律第201号第39条第1項 《地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水…》 等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる。 の災害危険区域、 地すべり等防止法 1958年法律第30号第3条第1項 《主務大臣は、この法律の目的を達成するため…》 必要があると認めるときは、関係都道府県知事の意見をきいて、地すべり区域地すべりしている区域又は地すべりするおそれのきわめて大きい区域をいう。以下同じ。及びこれに隣接する地域のうち地すべり区域の地すべり の地すべり防止区域、 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律 1969年法律第57号第3条第1項 《都道府県知事は、この法律の目的を達成する…》 ために必要があると認めるときは、関係市町村長特別区の長を含む。以下同じ。の意見をきいて、崩壊するおそれのある急傾斜地で、その崩壊により相当数の居住者その他の者に危害が生ずるおそれのあるもの及びこれに隣 の急傾斜地崩壊危険区域、 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律 2000年法律第57号第9条第1項 《都道府県知事は、基本指針に基づき、警戒区…》 域のうち、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の開発行為の制限及び居室建築基準法1950年法律第201 の土砂災害特別警戒区域若しくは 特定都市河川浸水被害対策法 2003年法律第77号第56条第1項 《都道府県知事は、流域水害対策計画に定めら…》 れた第4条第2項第12号に掲げる浸水被害防止区域の指定の方針に基づき、かつ、当該流域水害対策計画に定められた都市浸水想定を踏まえ、特定都市河川流域のうち、洪水又は雨水出水が発生した場合には建築物が損壊 の浸水被害防止区域(次条第1項において「 災害危険区域等 」という。)のうち、住民の居住に適当でないと認められる区域内にある住居の集団的移転を促進するため、地方公共団体が行う集団移転促進事業に係る経費に対する国の財政上の特別措置等について定めるものとする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 移転促進区域 」とは、前条に規定する災害が発生した地域又は 災害危険区域等 のうち、住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため住居の集団的移転を促進することが適当であると認められる区域をいう。

2項 この法律において「 集団移転促進事業 」とは、この法律によつて地方公共団体が住宅の用に供する政令で定める規模以上の一団の土地(以下「 住宅団地 」という。)を整備して 移転促進区域 内にある住居の集団的移転を促進するために行なう事業をいう。

3条 (集団移転促進事業計画の策定等)

1項 市町村は、 集団移転促進事業 を実施しようとするときは、集団移転促進事業の実施に関する計画(以下「 集団移転促進事業計画 」という。)を定めなければならない。この場合においては、あらかじめ、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない。

2項 集団移転促進事業 計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

1号 移転促進区域

2号 移転促進区域 内にある住居の数及び移転しようとする住居の数並びに住居を移転しようとする住民(以下「 移転者 」という。)の数及び当該 移転者 の属する世帯の数

3号 住宅団地 集団移転促進事業 に関連して移転が必要と認められる施設であつて、高齢者、障害者、乳幼児、児童、生徒その他の迅速な避難の確保を図るため特に配慮を要する者が利用する施設で政令で定めるものの用に供する土地を含む。以下この項及び 第8条 《国の補助 国は、集団移転促進事業を実施…》 する市町村又は都道府県に対し、次の各号に掲げる経費について、政令で定めるところにより、それぞれ4分の3を下らない割合によりその一部を補助するものとする。 1 住宅団地の用地の取得及び造成に要する経費当 において同じ。)の整備又は住宅団地における住宅の整備に関する事項

4号 移転者 住宅団地 における住宅の建設若しくは購入又は住宅用地の購入に対する補助に関する事項

5号 住宅団地 に係る道路、飲用水供給施設、集会施設その他の公共施設の整備に関する事項

6号 移転促進区域 内における農地、宅地その他の土地(以下「 農地等 」という。)の買取り及び植林その他 農地等 の利用に関する事項

7号 移転促進区域 内における建築制限その他土地利用の規制に関する事項

8号 移転者 の住居の移転に関連して必要と認められる農林水産業に係る生産基盤の整備及びその近代化のための施設の整備その他移転者の生活確保に関する事項

9号 移転者 の住居の移転に対する補助に関する事項

10号 集団移転促進事業 の実施に必要な経費及びその資金計画

3項 前項の場合において、同項各号に掲げる事項のうち、 第7条第2項 《2 集団移転促進事業のうち、その事業の規…》 模が著しく大であることその他の事由により市町村が実施することが困難な事業については、当該市町村の申出により、都道府県が実施することができる。 の規定により都道府県が実施する事業に係るものがあるときは、その旨を明らかにしなければならない。

4項 市町村は、第1項後段の協議をしようとするときは、都道府県知事を経由して、 集団移転促進事業 計画を国土交通大臣に提出しなければならない。この場合において、当該都道府県知事は、当該集団移転促進事業計画についてその意見を国土交通大臣に申し出ることができる。

5項 国土交通大臣は、 集団移転促進事業 計画に同意しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長と協議しなければならない。

6項 第1項、第4項及び前項の規定は、 集団移転促進事業 計画の変更について準用する。ただし、国土交通省令で定める軽微な変更については、この限りでない。

7項 市町村は、前項ただし書の軽微な変更については、都道府県知事を経由して、国土交通大臣に届け出なければならない。

8項 第4項前段(第6項において準用する場合を含む。及び前項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、 地方自治法 1947年法律第67号第2条第9項第1号 《この法律において「法定受託事務」とは、次…》 に掲げる事務をいう。 1 法律又はこれに基づく政令により都道府県、市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るものであつて、国においてその適正な処理を特に確保する必要 に規定する第1号法定受託事務とする。

4条 (市町村の配慮)

1項 市町村は、 集団移転促進事業 計画の策定に当たつては、 移転促進区域 内の住民の意向を尊重するとともに、移転促進区域内にあるすべての住居が移転されることとなるように配慮しなければならない。

5条 (他の計画との関係)

1項 集団移転促進事業 計画は、他の法令の規定に基づく防災又は地域振興に関する計画と調和が保たれるように定められなければならない。

6条 (都道府県の集団移転促進事業計画の策定)

1項 都道府県は、市町村から、 集団移転促進事業 につき1の市町村の区域を超える広域の見地からの調整を図る必要があること又は集団移転促進事業計画の策定のために必要な事務の実施体制を確保できないことにより当該市町村が当該集団移転促進事業に係る集団移転促進事業計画を定めることが困難である旨の申出を受けた場合においては、当該申出に係る集団移転促進事業計画を定めることができる。この場合において、 第3条第1項 《市町村は、集団移転促進事業を実施しようと…》 するときは、集団移転促進事業の実施に関する計画以下「集団移転促進事業計画」という。を定めなければならない。 この場合においては、あらかじめ、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない。 、第4項及び第7項並びに 第4条 《市町村の配慮 市町村は、集団移転促進事…》 業計画の策定に当たつては、移転促進区域内の住民の意向を尊重するとともに、移転促進区域内にあるすべての住居が移転されることとなるように配慮しなければならない。見出しを含む。)中「市町村」とあるのは「都道府県」と、 第3条第1項 《市町村は、集団移転促進事業を実施しようと…》 するときは、集団移転促進事業の実施に関する計画以下「集団移転促進事業計画」という。を定めなければならない。 この場合においては、あらかじめ、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない。 中「集団移転促進事業を実施しようとするときは、」とあるのは「 第6条 《都道府県の集団移転促進事業計画の策定 …》 都道府県は、市町村から、集団移転促進事業につき1の市町村の区域を超える広域の見地からの調整を図る必要があること又は集団移転促進事業計画の策定のために必要な事務の実施体制を確保できないことにより当該市町 の規定により同条の申出に係る」と、「定めなければならない。この場合においては」とあるのは「定める場合においては」と、同条第4項中「第1項後段」とあるのは「第1項」と、「都道府県知事を経由して、集団移転促進事業計画を」とあるのは「集団移転促進事業計画を」と、「当該都道府県知事は、当該集団移転促進事業計画についてその意見を国土交通大臣に申し出ることができる」とあるのは「当該都道府県は、当該集団移転促進事業計画について、あらかじめ、関係市町村の意見を聴かなければならない」と、同条第7項中「都道府県知事を経由して、国土交通大臣に」とあるのは「国土交通大臣に」とし、同条第8項の規定は、適用しない。

7条 (集団移転促進事業の実施)

1項 集団移転促進事業 は、次項に規定する場合を除き、市町村が実施するものとする。

2項 集団移転促進事業 のうち、その事業の規模が著しく大であることその他の事由により市町村が実施することが困難な事業については、当該市町村の申出により、都道府県が実施することができる。

8条 (国の補助)

1項 国は、 集団移転促進事業 を実施する市町村又は都道府県に対し、次の各号に掲げる経費について、政令で定めるところにより、それぞれ4分の3を下らない割合によりその一部を補助するものとする。

1号 住宅団地 の用地の取得及び造成に要する経費(当該取得及び造成後に譲渡する場合を除く。

2号 移転者 住宅団地 における住宅の建設若しくは購入又は住宅用地の購入に対する補助に要する経費

3号 住宅団地 に係る道路、飲用水供給施設、集会施設その他の政令で定める公共施設の整備に要する経費

4号 移転促進区域 内の 農地等 の買取りに要する経費

5号 移転者 の住居の移転に関連して必要と認められる農林水産業に係る生産基盤の整備及びその近代化のための施設の整備で政令で定めるものに要する経費

6号 移転者 の住居の移転に対する補助に要する経費

9条 (地方債)

1項 集団移転促進事業 につき市町村又は都道府県が必要とする経費については、 地方財政法 1948年法律第109号第5条 《地方債の制限 地方公共団体の歳出は、地…》 方債以外の歳入をもつて、その財源としなければならない。 ただし、次に掲げる場合においては、地方債をもつてその財源とすることができる。 1 交通事業、ガス事業、水道事業その他地方公共団体の行う企業以下「 各号に規定する経費に該当しないものについても、地方債をもつてその財源とすることができる。

2項 集団移転促進事業 につき市町村又は都道府県が必要とする経費の財源に充てるため起こした地方債は、国が、その資金事情の許す限り、財政融資資金をもつて引き受けるものとする。

10条 (援助)

1項 及び都道府県は、 集団移転促進事業 計画の策定及び集団移転促進事業の実施のために必要な助言、指導その他の援助を行なうように努めるものとする。

2項 国、都道府県及び市町村は、 移転者 に対し、資金の融通のあつせん、職業紹介、職業訓練その他移転者の生活確保に必要な援助を行なうように努めるものとする。

11条 (国の普通財産の譲与等)

1項 国は、市町村又は都道府県に対し、 集団移転促進事業 の円滑な実施のため必要があるときは、政令で定めるところにより、その事業の用に必要な普通財産を無償又は時価より低い価額で譲渡し、又は貸し付けることができる。

12条 (独立行政法人都市再生機構法の特例)

1項 独立行政法人都市再生機構は、 独立行政法人都市再生機構法 2003年法律第100号第11条第1項 《機構は、第3条の目的を達成するため、次の…》 業務を行う。 1 既に市街地を形成している区域において、市街地の整備改善を図るための建築物の敷地の整備当該敷地の周囲に10分な公共の用に供する施設がない場合において公共の用に供する施設を併せて整備する に規定する業務のほか、委託に基づき、同条第3項各号の業務( 集団移転促進事業 に係るものに限る。)を行うことができる。

13条 (政令への委任)

1項 この法律の実施のための手続その他その施行に関し必要な事項は、政令で定める。

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