特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法《本則》

法番号:1973年法律第102号

附則 >  

1条 (趣旨)

1項 この法律は、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化を図るに際し、これとあわせて、特定市街化区域農地の宅地化を促進するため行なわれるべき事業の施行、資金に関する助成、租税の軽減その他の措置につき必要な事項を定めるものとする。

2条 (定義)

1項 この法律において「 特定市街化区域農地 」とは、 地方税法 1950年法律第226号)附則第19条の2第1項に規定する市街化区域農地で、都の区域(特別区の存する区域に限る。)、 首都圏整備法 1956年法律第83号第2条第1項 《この法律で「首都圏」とは、東京都の区域及…》 び政令で定めるその周辺の地域を一体とした広域をいう。 に規定する首都圏、 近畿圏整備法 1963年法律第129号第2条第1項 《この法律で「近畿圏」とは、福井県、三重県…》 、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県及び和歌山県の区域政令で定める区域を除く。を一体とした広域をいう。 に規定する近畿圏又は 中部圏開発整備法 1966年法律第102号第2条第1項 《この法律で「中部圏」とは、富山県、石川県…》 、福井県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県及び滋賀県の区域を一体とした広域をいう。 に規定する中部圏内にある 地方自治法 1947年法律第67号第252条の19第1項 《政令で指定する人口五十万以上の市以下「指…》 定都市」という。は、次に掲げる事務のうち都道府県が法律又はこれに基づく政令の定めるところにより処理することとされているものの全部又は一部で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することがで の市の区域及びその他の市でその区域の全部若しくは一部が 首都圏整備法 第2条第3項 《3 この法律で「既成市街地」とは、東京都…》 及びこれと連接する枢要な都市を含む区域のうち、産業及び人口の過度の集中を防止し、かつ、都市の機能の維持及び増進を図る必要がある市街地の区域で、政令で定めるものをいう。 に規定する既成市街地若しくは同条第4項に規定する近郊整備地帯、 近畿圏整備法 第2条第3項 《3 この法律で「既成都市区域」とは、大阪…》 市、神戸市及び京都市の区域並びにこれらと連接する都市の区域のうち、産業及び人口の過度の集中を防止し、かつ、都市の機能の維持及び増進を図る必要がある市街地の区域で、政令で定めるものをいう。 に規定する既成都市区域若しくは同条第4項に規定する近郊整備区域又は 中部圏開発整備法 第2条第3項 《3 この法律で「都市整備区域」とは、中部…》 圏の地域のうち第13条第1項の規定により指定された区域をいう。 に規定する都市整備区域内にあるものの区域内に所在するもののうち、 地方税法 附則第19条の3の規定の適用を受ける市街化区域農地をいう。

3条 (土地区画整理事業の施行の要請)

1項 特定市街化区域農地 の所有者は、当該特定市街化区域農地を含む次に掲げる条件に該当する土地の区域について、市長の意見を聴き、かつ、次条第1項の規定による関係権利者の同意を得て、当該区域において施行されるべき土地区画整理事業( 土地区画整理法 1954年法律第119号)による土地区画整理事業をいう。以下同じ。)の事業概要(以下単に「事業概要」という。)を作成し、市に対し、その事業概要に係る土地区画整理事業を施行すべきことを要請することができる。

1号 当該区域内において建築物の敷地として利用されている土地が極めて少ないこと。

2号 当該区域の面積が二ヘクタール以上であること。

3号 当該区域内の 特定市街化区域農地 の面積が当該区域内の土地( 土地区画整理法 第2条第5項 《5 この法律において「公共施設」とは、道…》 路、公園、広場、河川その他政令で定める公共の用に供する施設をいう。 に規定する公共施設の用に供されている国又は地方公共団体の所有する土地を除く。以下同じ。)の面積の50パーセント以上であること。

4号 その他国土交通省令で定める基準に適合していること。

2項 前項の規定により土地区画整理事業の施行を要請しようとする者は、市長に対し、事業概要の作成のために、土地区画整理事業に関し専門的知識を有する職員の技術的援助を求めることができる。

3項 事業概要の作成に関し必要な技術的基準は、国土交通省令で定める。

4条 (事業概要についての土地の所有者及び借地権者の同意)

1項 前条第1項の規定により土地区画整理事業の施行を要請しようとする者は、事業概要について、同項の区域内の土地について所有権又は借地権( 借地借家法 1991年法律第90号第2条第1号 《定義 第2条 この法律において、次の各号…》 に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 1 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。 2 借地権者 借地権を有する者をいう。 3 借地権設定者 借地権者に対して借地権 に規定する借地権をいう。以下同じ。)を有するすべての者の3分の二以上及びその区域内の 特定市街化区域農地 の所有権を有するすべての者の3分の二以上の同意を得なければならない。この場合においては、同意した者が所有するその区域内の土地の地積と同意した者が有する借地権の目的となつているその区域内の土地の地積との合計がその区域内の土地の総地積と借地権の目的となつている土地の総地積との合計の3分の二以上であり、かつ、同意した者が所有するその区域内の特定市街化区域農地の地積がその区域内の特定市街化区域農地の総地積の3分の二以上でなければならない。

2項 土地区画整理法 第19条 《借地権の申告 前条に規定する同意を得よ…》 うとする者は、あらかじめ、施行地区となるべき区域の公告を当該区域を管轄する市町村長に申請しなければならない。 2 市町村長は、前項に規定する申請があつた場合においては、政令で定めるところにより、遅滞な 及び 第130条第1項 《宅地の共有者若しくは共同借地権者又は宅地…》 の同一部分に2人以上の借地権者がある場合のこれらの借地権者は、第8条第10条第3項において準用する場合を含む。、第18条第39条第2項において準用する場合を含む。、第25条第1項、第51条の六第51条 の規定は、前項の場合について準用する。

5条 (土地区画整理事業の施行)

1項 第3条第1項 《特定市街化区域農地の所有者は、当該特定市…》 街化区域農地を含む次に掲げる条件に該当する土地の区域について、市長の意見を聴き、かつ、次条第1項の規定による関係権利者の同意を得て、当該区域において施行されるべき土地区画整理事業土地区画整理法1954 の規定により土地区画整理事業の施行の要請を受けた市は、その要請された土地区画整理事業の施行の障害となる事由がない限り、当該土地区画整理事業を施行するものとする。

6条 (住宅金融公庫の資金の貸付けの特例)

1項 住宅金融 公庫 以下「 公庫 」という。)が、 特定市街化区域農地 を転用して、賃貸若しくは譲渡する住宅を建設しようとする当該特定市街化区域農地の所有者その他の者で政令で定めるもの又は住宅街区整備事業( 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 1975年法律第67号。以下この条において「 大都市地域住宅等供給促進法 」という。)による住宅街区整備事業をいう。)により特定市街化区域農地を転用して建設された施設住宅( 大都市地域住宅等供給促進法 第28条第4号に規定する施設住宅をいう。以下この条において同じ。)を購入して賃貸若しくは譲渡しようとする権利者(大都市地域住宅等供給促進法第74条第1項に規定する一般宅地である特定市街化区域農地の所有者その他の者で政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)に対し、住宅金融公庫法(1950年法律第156号)第20条第2項(同法第21条の3第1項において準用する場合を含む。)の規定による限度において同法第17条第1項の規定により資金を貸し付ける場合における当該貸付金の利率は、同法第21条第1項又は第7項の規定にかかわらず、同法第17条第1項第3号に該当する者に対する貸付金にあつては年4・5パーセント以内で公庫の定める率、同項第4号に該当する者に対する貸付金にあつては年6・8パーセント以内で公庫の定める率とする。公庫が、権利者に対し、住宅金融公庫法第21条の3第2項の規定の適用を受けている土地又は借地権の取得について同法第20条第2項の規定による限度において同法第17条第1項の規定により資金を貸し付ける場合において、同法第21条の3第2項の規定により当該土地又は借地権の取得が特定市街化区域農地を転用して建設された施設住宅の建設とみなされるときも同様とする。

7条 (農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の特例)

1項 特定市街化区域農地 を転用して賃貸住宅を建設する場合においては、当該賃貸住宅が、 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法 1971年法律第32号第2条第2項 《2 前項の特定賃貸住宅とは、大都市及びそ…》 の周辺の都市に係る都市計画区域都市計画法1968年法律第100号第4条第2項に規定する都市計画区域をいう。以下同じ。その他の政令で定める都市計画区域に係る市街化区域同法第7条第1項の規定による市街化区 に規定する特定賃貸住宅に該当しないものであつても、その規模、構造及び設備が同項の国土交通省令で定める基準に適合し、かつ、同項第1号に掲げる条件に該当する一団地の住宅の全部又は一部をなすと認められるときは、これを同項に規定する特定賃貸住宅とみなして、同法の規定を適用する。

8条 (特定市街化区域農地を転用して新築した貸家住宅等に係る固定資産税の軽減)

1項 特定市街化区域農地 特定市街化区域農地の上に存する権利を含む。)を有する者が、当該特定市街化区域農地を転用して、当該土地に、又は当該土地及びこれに隣接する土地にわたつて貸家住宅を新築した場合においては、 地方税法 で定めるところにより、当該貸家住宅及びその敷地の用に供する当該土地に係る固定資産税を軽減する。

9条 (国及び地方公共団体の援助)

1項 及び地方公共団体は、 特定市街化区域農地 の宅地化の促進を図るため、特定市街化区域農地の所有者の要請に係る土地区画整理事業の施行、特定市街化区域農地を転用して行なう住宅の建設等に関し、財政上、金融上及び技術上の援助に努めるものとする。

2項 国は、地方公共団体に対し、 特定市街化区域農地 の宅地化の促進に伴つて必要となる公共施設の整備について、財政上及び金融上の援助を与えるものとする。

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