1章 総則
1条 (目的)
1項 この法律は、犯罪により害を被った者(以下「 被害者 」という。)及びその遺族がその被害に係る刑事事件の審理の状況及び内容について深い関心を有するとともに、これらの者の受けた身体的、財産的被害その他の被害の回復には困難を伴う場合があることにかんがみ、刑事手続に付随するものとして、 被害者 及びその遺族の心情を尊重し、かつその被害の回復に資するための措置を定め、並びにこれらの者による損害賠償請求に係る紛争を簡易かつ迅速に解決することに資するための裁判手続の特例を定め、もってその権利利益の保護を図ることを目的とする。
2章 公判手続の傍聴
2条
1項 刑事被告事件の係属する裁判所の裁判長は、当該被告事件の 被害者 等(被害者又は被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下同じ。)又は当該被害者の法定代理人から、当該被告事件の公判手続の傍聴の申出があるときは、傍聴席及び傍聴を希望する者の数その他の事情を考慮しつつ、申出をした者が傍聴できるよう配慮しなければならない。
3章 公判記録の閲覧及び謄写
3条 (被害者等による公判記録の閲覧及び謄写)
1項 刑事被告事件の係属する裁判所は、第一回の公判期日後当該被告事件の終結までの間において、当該被告事件の 被害者 等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、当該被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、閲覧又は謄写を求める理由が正当でないと認める場合及び犯罪の性質、審理の状況その他の事情を考慮して閲覧又は謄写をさせることが相当でないと認める場合を除き、申出をした者にその閲覧又は謄写をさせるものとする。
2項 裁判所は、前項の規定により謄写をさせる場合において、謄写した訴訟記録の使用目的を制限し、その他適当と認める条件を付することができる。
3項 第1項の規定により訴訟記録を閲覧し又は謄写した者は、閲覧又は謄写により知り得た事項を用いるに当たり、不当に関係人の名誉若しくは生活の平穏を害し、又は捜査若しくは公判に支障を生じさせることのないよう注意しなければならない。
4条 (同種余罪の被害者等による公判記録の閲覧及び謄写)
1項 刑事被告事件の係属する裁判所は、第一回の公判期日後当該被告事件の終結までの間において、次に掲げる者から、当該被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、第1号又は第2号に掲げる者の損害賠償請求権の行使のために必要があると認める場合であって、犯罪の性質、審理の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときは、申出をした者にその閲覧又は謄写をさせることができる。
1号 被告人又は共犯により被告事件に係る犯罪行為と同様の態様で継続的に又は反復して行われたこれと同一又は同種の罪の犯罪行為の 被害者
2号 前号に掲げる者が死亡した場合又はその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹
3号 第1号に掲げる者の法定代理人
4号 前3号に掲げる者から委託を受けた弁護士
2項 前項の申出は、検察官を経由してしなければならない。この場合においては、その申出をする者は、同項各号のいずれかに該当する者であることを疎明する資料を提出しなければならない。
3項 検察官は、第1項の申出があったときは、裁判所に対し、意見を付してこれを通知するとともに、前項の規定により提出を受けた資料があるときは、これを送付するものとする。
4項 前条第2項及び第3項の規定は、第1項の規定による訴訟記録の閲覧又は謄写について準用する。
4章 被害者参加旅費等
5条 (被害者参加旅費等の支給)
1項 被害者 参加人( 刑事訴訟法 (1948年法律第131号)
第316条の33第3項
《裁判所は、第1項の規定により被告事件の手…》
続への参加を許された者以下「被害者参加人」という。が当該被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人に該当せず若しくは該当しなくなつたことが明らかになつたとき、又は第312条の規定により罰条が撤回
に規定する被害者参加人をいう。以下同じ。)が同法第316条の34第1項(同条第5項において準用する場合を含む。次条第2項において同じ。)の規定により公判期日又は公判準備に出席した場合には、法務大臣は、当該被害者参加人に対し、旅費、日当及び宿泊料を支給する。
2項 前項の規定により支給する旅費、日当及び宿泊料(以下「 被害者参加旅費等 」という。)の額については、政令で定める。
6条 (被害者参加旅費等の請求手続)
1項 被害者 参加旅費等の支給を受けようとする被害者参加人は、所定の請求書に法務省令で定める被害者参加旅費等の算定に必要な資料を添えて、これを、裁判所を経由して、法務大臣に提出しなければならない。この場合において、必要な資料の全部又は一部を提出しなかった者は、その請求に係る被害者参加旅費等の額のうちその資料を提出しなかったため、その被害者参加旅費等の必要が明らかにされなかった部分の金額の支給を受けることができない。
2項 裁判所は、前項の規定により請求書及び資料を受け取ったときは、当該 被害者 参加人が 刑事訴訟法
第316条の34第1項
《被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は…》
、公判期日に出席することができる。
の規定により公判期日又は公判準備に出席したことを証明する書面を添えて、これらを法務大臣に送付しなければならない。
3項 第1項の規定による 被害者 参加旅費等の請求の期限については、政令で定める。
7条 (協力の求め)
1項 法務大臣は、 被害者 参加旅費等の支給に関し、裁判所に対して必要な協力を求めることができる。
8条 (日本司法支援センターへの被害者参加旅費等の支給に係る法務大臣の権限に係る事務の委任)
1項 次に掲げる法務大臣の権限に係る事務は、日本司法支援センター( 総合法律支援法 (2004年法律第74号)
第13条
《この章の目的 日本司法支援センター以下…》
「支援センター」という。の組織及び運営については、この章の定めるところによる。
に規定する日本司法支援センターをいう。以下同じ。)に行わせるものとする。
1号 第5条第1項
《総合法律支援の実施及び体制の整備に当たっ…》
ては、迅速かつ確実に国選弁護人刑事訴訟法1948年法律第131号の規定に基づいて裁判所若しくは裁判長又は裁判官が被告人又は被疑者に付する弁護人をいう。以下同じ。及び国選付添人少年法1948年法律第16
の規定による 被害者 参加旅費等の支給
2号 第6条第1項
《総合法律支援の実施及び体制の整備に当たっ…》
ては、被害者等犯罪により害を被った者又はその者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下同じ。が刑事手続に適切に関与するとともに、被
の規定による請求の受理
3号 前条の規定による協力の求め
2項 法務大臣は、日本司法支援センターが天災その他の事由により前項各号に掲げる権限に係る事務の全部又は一部を行うことが困難又は不適当となったと認めるときは、同項各号に掲げる権限の全部又は一部を自ら行うものとする。
3項 法務大臣は、前項の規定により第1項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を自ら行うこととし、又は前項の規定により自ら行っている第1項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を行わないこととするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。
4項 法務大臣が、第2項の規定により第1項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を自ら行うこととし、又は第2項の規定により自ら行っている第1項各号に掲げる権限の全部若しくは一部を行わないこととする場合における同項各号に掲げる権限に係る事務の引継ぎその他の必要な事項は、法務省令で定める。
9条 (審査請求)
1項 この法律の規定による日本司法支援センターの処分又はその不作為について不服がある者は、法務大臣に対して審査請求をすることができる。この場合において、法務大臣は、 行政不服審査法 (2014年法律第68号)
第25条第2項
《2 処分庁の上級行政庁又は処分庁である審…》
査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより又は職権で、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止その他の措置以下「執行停止」という。をとることができる。
及び第3項、
第46条第1項
《処分事実上の行為を除く。以下この条及び第…》
48条において同じ。についての審査請求が理由がある場合前条第3項の規定の適用がある場合を除く。には、審査庁は、裁決で、当該処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。 ただし、審査庁が処分庁
及び第2項、
第47条
《 事実上の行為についての審査請求が理由が…》
ある場合第45条第3項の規定の適用がある場合を除く。には、審査庁は、裁決で、当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、次の各号に掲げる審査庁の区分に応じ、当該各号に定める措置をとる。
並びに
第49条第3項
《3 不作為についての審査請求が理由がある…》
場合には、審査庁は、裁決で、当該不作為が違法又は不当である旨を宣言する。 この場合において、次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる。
の規定の適用については、日本司法支援センターの上級行政庁とみなす。
10条 (法務省令への委任)
1項 第5条
《被害者参加旅費等の支給 被害者参加人刑…》
事訴訟法1948年法律第131号第316条の33第3項に規定する被害者参加人をいう。以下同じ。が同法第316条の34第1項同条第5項において準用する場合を含む。次条第2項において同じ。の規定により公判
から前条までに定めるもののほか、 被害者 参加旅費等の支給に関し必要な事項(
第6条第1項
《被害者参加旅費等の支給を受けようとする被…》
害者参加人は、所定の請求書に法務省令で定める被害者参加旅費等の算定に必要な資料を添えて、これを、裁判所を経由して、法務大臣に提出しなければならない。 この場合において、必要な資料の全部又は一部を提出し
及び第2項の規定により裁判所が行う手続に関する事項を除く。)は、法務省令で定める。
5章 被害者参加弁護士の選定等
11条 (被害者参加弁護士の選定の請求)
1項 刑事訴訟法
第316条の34
《 被害者参加人又はその委託を受けた弁護士…》
は、公判期日に出席することができる。 公判期日は、これを被害者参加人に通知しなければならない。 裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士が多数である場合において、必要があると認めるときは、これ
から
第316条
《 地方裁判所において1人の裁判官のした訴…》
訟手続は、被告事件が合議体で審判すべきものであつた場合にも、その効力を失わない。
の三十八までに規定する行為を弁護士に委託しようとする 被害者 参加人であって、その資力(その者に属する現金、預金その他政令で定めるこれらに準ずる資産の合計額をいう。以下同じ。)から、手続への参加を許された刑事被告事件に係る犯罪行為により生じた負傷又は疾病の療養に要する費用その他の当該犯罪行為を原因として請求の日から6月以内に支出することとなると認められる費用の額(以下「 療養費等の額 」という。)を控除した額が基準額(標準的な6月間の必要生計費を勘案して一般に被害者参加弁護士(被害者参加人の委託を受けて同法第316条の34から第316条の三十八までに規定する行為を行う弁護士をいう。以下同じ。)の報酬及び費用を賄うに足りる額として政令で定める額をいう。以下同じ。)に満たないものは、当該被告事件の係属する裁判所に対し、被害者参加弁護士を選定することを請求することができる。
2項 前項の規定による請求は、日本司法支援センターを経由してしなければならない。この場合においては、 被害者 参加人は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める書面を提出しなければならない。
1号 その資力が基準額に満たない者資力及びその内訳を申告する書面
2号 前号に掲げる者以外の者資力及び 療養費等の額 並びにこれらの内訳を申告する書面
3項 日本司法支援センターは、第1項の規定による請求があったときは、裁判所に対し、これを通知するとともに、前項の規定により提出を受けた書面を送付しなければならない。
12条 (被害者参加弁護士の候補の指名及び通知)
1項 日本司法支援センターは、前条第1項の規定による請求があったときは、裁判所が選定する 被害者 参加弁護士の候補を指名し、裁判所に通知しなければならない。
2項 前項の規定にかかわらず、日本司法支援センターは、次条第1項各号のいずれかに該当することが明らかであると認めるときは、前項の規定による指名及び通知をしないことができる。この場合においては、日本司法支援センターは、裁判所にその旨を通知しなければならない。
3項 日本司法支援センターは、第1項の規定による指名をするに当たっては、前条第1項の規定による請求をした者の意見を聴かなければならない。
13条 (被害者参加弁護士の選定)
1項 裁判所は、
第11条第1項
《刑事訴訟法第316条の34から第316条…》
の三十八までに規定する行為を弁護士に委託しようとする被害者参加人であって、その資力その者に属する現金、預金その他政令で定めるこれらに準ずる資産の合計額をいう。以下同じ。から、手続への参加を許された刑事
の規定による請求があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、当該 被害者 参加人のため被害者参加弁護士を選定するものとする。
1号 請求が不適法であるとき。
2号 請求をした者が
第11条第1項
《刑事訴訟法第316条の34から第316条…》
の三十八までに規定する行為を弁護士に委託しようとする被害者参加人であって、その資力その者に属する現金、預金その他政令で定めるこれらに準ずる資産の合計額をいう。以下同じ。から、手続への参加を許された刑事
に規定する者に該当しないとき。
3号 請求をした者がその責めに帰すべき事由により 被害者 参加弁護士の選定を取り消された者であるとき。
2項 裁判所は、前項の規定により 被害者 参加弁護士を選定する場合において、必要があるときは、日本司法支援センターに対し、被害者参加弁護士の候補を指名して通知するよう求めることができる。この場合においては、前条第1項及び第3項の規定を準用する。
14条 (被害者参加弁護士の選定の効力)
1項 裁判所による 被害者 参加弁護士の選定は、審級ごとにしなければならない。
2項 被害者 参加弁護士の選定は、弁論が併合された事件についてもその効力を有する。ただし、被害者参加人が手続への参加を許されていない事件については、この限りでない。
3項 被害者 参加弁護士の選定は、 刑事訴訟法
第316条の33第3項
《裁判所は、第1項の規定により被告事件の手…》
続への参加を許された者以下「被害者参加人」という。が当該被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人に該当せず若しくは該当しなくなつたことが明らかになつたとき、又は第312条の規定により罰条が撤回
の決定があったときは、その効力を失う。
4項 裁判所により選定された 被害者 参加弁護士は、旅費、日当、宿泊料及び報酬を請求することができる。
5項 前項の規定により 被害者 参加弁護士に支給すべき旅費、日当、宿泊料及び報酬の額については、 刑事訴訟法
第38条第2項
《前項の規定により選任された弁護人は、旅費…》
、日当、宿泊料及び報酬を請求することができる。
の規定により弁護人に支給すべき旅費、日当、宿泊料及び報酬の例による。
15条 (被害者参加弁護士の選定の取消し)
1項 裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、 被害者 参加弁護士の選定を取り消すことができる。
1号 被害者 参加人が自ら 刑事訴訟法
第316条の34
《 被害者参加人又はその委託を受けた弁護士…》
は、公判期日に出席することができる。 公判期日は、これを被害者参加人に通知しなければならない。 裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士が多数である場合において、必要があると認めるときは、これ
から
第316条
《 地方裁判所において1人の裁判官のした訴…》
訟手続は、被告事件が合議体で審判すべきものであつた場合にも、その効力を失わない。
の三十八までに規定する行為を他の弁護士に委託したことその他の事由により被害者参加弁護士にその職務を行わせる必要がなくなったとき。
2号 被害者 参加人と被害者参加弁護士との利益が相反する状況にあり被害者参加弁護士にその職務を継続させることが相当でないとき。
3号 心身の故障その他の事由により、 被害者 参加弁護士が職務を行うことができず、又は職務を行うことが困難となったとき。
4号 被害者 参加弁護士がその任務に著しく反したことによりその職務を継続させることが相当でないとき。
5号 被害者 参加弁護士に対する暴行、脅迫その他の被害者参加人の責めに帰すべき事由により被害者参加弁護士にその職務を継続させることが相当でないとき。
2項 裁判所は、前項第2号から第4号までに掲げる事由により 被害者 参加弁護士の選定を取り消したときは、更に被害者参加弁護士を選定するものとする。この場合においては、
第13条第2項
《2 裁判所は、前項の規定により被害者参加…》
弁護士を選定する場合において、必要があるときは、日本司法支援センターに対し、被害者参加弁護士の候補を指名して通知するよう求めることができる。 この場合においては、前条第1項及び第3項の規定を準用する。
の規定を準用する。
16条 (虚偽の申告書の提出に対する制裁)
1項 被害者 参加人が、裁判所の判断を誤らせる目的で、その資力又は 療養費等の額 について虚偽の記載のある
第11条第2項
《2 前項の規定による請求は、日本司法支援…》
センターを経由してしなければならない。 この場合においては、被害者参加人は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める書面を提出しなければならない。 1 その資力が基準額に満たない者 資力及びその内
各号に定める書面を提出したときは、110,000円以下の過料に処する。
17条 (費用の徴収)
1項 被害者 参加人が、裁判所の判断を誤らせる目的で、その資力又は 療養費等の額 について虚偽の記載のある
第11条第2項
《2 前項の規定による請求は、日本司法支援…》
センターを経由してしなければならない。 この場合においては、被害者参加人は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める書面を提出しなければならない。 1 その資力が基準額に満たない者 資力及びその内
各号に定める書面を提出したことによりその判断を誤らせたときは、裁判所は、決定で、当該被害者参加人から、被害者参加弁護士に支給した旅費、日当、宿泊料及び報酬の全部又は一部を徴収することができる。
2項 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。この場合においては、即時抗告に関する 刑事訴訟法 の規定を準用する。
18条 (刑事訴訟法の準用)
1項 刑事訴訟法
第43条第3項
《決定又は命令をするについて必要がある場合…》
には、事実の取調をすることができる。
及び第4項の規定は 被害者 参加弁護士の選定及びその取消しについて、同条第3項及び第4項並びに同法第44条第1項の規定は前条第1項の決定について、それぞれ準用する。
6章 民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解
19条 (民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解)
1項 刑事被告事件の被告人と 被害者 等は、両者の間における民事上の争い(当該被告事件に係る被害についての争いを含む場合に限る。)について合意が成立した場合には、当該被告事件の係属する第一審裁判所又は控訴裁判所に対し、共同して当該合意の公判調書への記載を求める申立てをすることができる。
2項 前項の合意が被告人の 被害者 等に対する金銭の支払を内容とする場合において、被告人以外の者が被害者等に対し当該債務について保証する旨又は連帯して責任を負う旨を約したときは、その者も、同項の申立てとともに、被告人及び被害者等と共同してその旨の公判調書への記載を求める申立てをすることができる。
3項 前2項の規定による申立ては、弁論の終結までに、公判期日に出頭し、当該申立てに係る合意及びその合意がされた民事上の争いの目的である権利を特定するに足りる事実を記載した書面を提出してしなければならない。
4項 第1項又は第2項の規定による申立てに係る合意を公判調書に記載したときは、その記載は、裁判上の和解と同1の効力を有する。
20条 (和解記録)
1項 前条第1項若しくは第2項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、第3章及び 刑事訴訟法
第49条
《 被告人に弁護人がないときは、公判調書は…》
、裁判所の規則の定めるところにより、被告人も、これを閲覧することができる。 被告人は、読むことができないとき、又は目の見えないときは、公判調書の朗読を求めることができる。
の規定にかかわらず、裁判所書記官に対し、当該公判調書(当該合意及びその合意がされた民事上の争いの目的である権利を特定するに足りる事実が記載された部分に限る。)、当該申立てに係る前条第3項の書面その他の当該合意に関する記録(以下「 和解記録 」という。)の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は和解に関する事項の証明書の交付を請求することができる。ただし、 和解記録 の閲覧及び謄写の請求は、和解記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。
2項 前項に規定する 和解記録 の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は和解に関する事項の証明書の交付の請求に関する裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについては 民事訴訟法 (1996年法律第109号)
第121条
《裁判所書記官の処分に対する異議 裁判所…》
書記官の処分に対する異議の申立てについては、その裁判所書記官の所属する裁判所が、決定で、裁判をする。
の例により、和解記録についての秘密保護のための閲覧等の制限の手続については同法第92条第1項から第8項までの例による。この場合において、同条第1項中「に係る訴訟記録の閲覧等(非電磁的訴訟記録の閲覧等又は電磁的訴訟記録の閲覧等をいう。第133条第3項において同じ。)」とあるのは、「の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付」と読み替えるものとする。
3項 和解記録 は、刑事被告事件の終結後は、当該被告事件の第一審裁判所において保管するものとする。
21条 (民事訴訟法の準用)
1項 前2条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続については、その性質に反しない限り、 民事訴訟法 第1編第3章第1節(選定当事者及び特別代理人に関する規定を除く。)及び第4節(第60条を除く。)並びに第8章(第133条の2第5項及び第6項を除く。)の規定を準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
22条 (個人特定事項の秘匿)
1項 裁判所は、刑事被告事件の手続において 刑事訴訟法
第271条の2第4項
《裁判所は、第2項の規定による起訴状抄本等…》
の提出があつたときは、前条第1項の規定にかかわらず、遅滞なく起訴状抄本等を被告人に送達しなければならない。 この場合において、第255条及び前条第2項中「起訴状の謄本」とあるのは、「起訴状抄本等」とす
の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項(同法第201条の2第1項に規定する個人特定事項をいう。以下同じ。)のうち起訴状抄本等(同法第271条の2第2項に規定する起訴状抄本等をいう。
第46条第1項
《裁判所は、刑事被告事件の手続において刑事…》
訴訟法第271条の2第4項の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものが同条第1項第1号又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合であっ
において同じ。)に記載がないもの(同法第271条の5第1項の決定により通知することとされたものを除く。
第46条第1項
《裁判所は、刑事被告事件の手続において刑事…》
訴訟法第271条の2第4項の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものが同条第1項第1号又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合であっ
において同じ。)が同法第271条の2第1項第1号又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときは、
第19条
《民事上の争いについての刑事訴訟手続におけ…》
る和解 刑事被告事件の被告人と被害者等は、両者の間における民事上の争い当該被告事件に係る被害についての争いを含む場合に限る。について合意が成立した場合には、当該被告事件の係属する第一審裁判所又は控訴
及び
第20条
《和解記録 前条第1項若しくは第2項の規…》
定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、第3章及び刑事訴訟法第49条の規定にかかわらず、裁判所書記官に対し、当該公判調書当該合意及びその合意がされた民事上
に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続において、前条において準用する 民事訴訟法
第133条第2項
《2 前項の申立てをするときは、同項の申立…》
て等をする者又はその法定代理人以下この章において「秘匿対象者」という。の住所等又は氏名等次条第2項において「秘匿事項」という。その他最高裁判所規則で定める事項を書面その他最高裁判所規則で定める方法によ
に規定する秘匿事項のほか、当該個人特定事項について、決定で、その全部又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができる。刑事被告事件の手続において 刑事訴訟法
第312条の2第3項
《裁判所は、前項の規定による訴因変更等請求…》
書面抄本等の提出があつたときは、前条第5項の規定にかかわらず、遅滞なく訴因変更等請求書面抄本等を被告人に送達しなければならない。
の規定による措置をとった場合において、訴因変更等請求書面(同法第312条第4項に規定する訴因変更等請求書面をいう。
第46条第1項
《裁判所は、刑事被告事件の手続において刑事…》
訴訟法第271条の2第4項の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものが同条第1項第1号又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合であっ
において同じ。)に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等(同法第312条の2第2項に規定する訴因変更等請求書面抄本等をいう。
第46条第1項
《裁判所は、刑事被告事件の手続において刑事…》
訴訟法第271条の2第4項の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものが同条第1項第1号又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合であっ
において同じ。)に記載がないもの(同法第312条の2第4項において読み替えて準用する同法第271条の5第1項の決定により通知することとされたものを除く。
第46条第1項
《裁判所は、刑事被告事件の手続において刑事…》
訴訟法第271条の2第4項の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものが同条第1項第1号又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合であっ
において同じ。)が同法第271条の2第1項第1号又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときも、同様とする。
2項 民事訴訟法
第133条第5項
《5 裁判所は、秘匿対象者の住所又は氏名に…》
ついて第1項の決定以下この章において「秘匿決定」という。をする場合には、当該秘匿決定において、当該秘匿対象者の住所又は氏名に代わる事項を定めなければならない。 この場合において、その事項を当該事件並び
の規定は、前項の決定をする場合について準用する。この場合において、同条第5項中「当該秘匿決定」とあるのは「犯罪 被害者 等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第22条第1項の決定」と、「当該秘匿対象者の住所又は氏名」とあるのは「当該決定に係る個人特定事項」と、「当該事件並びにその事件」とあるのは「同法第19条及び
第20条
《和解記録 前条第1項若しくは第2項の規…》
定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、第3章及び刑事訴訟法第49条の規定にかかわらず、裁判所書記官に対し、当該公判調書当該合意及びその合意がされた民事上
に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続並びにその手続」と読み替えるものとする。
3項 民事訴訟法
第133条の2第2項
《2 前項の場合において、裁判所は、申立て…》
により、決定で、訴訟記録等中秘匿事項届出部分以外のものであって秘匿事項又は秘匿事項を推知することができる事項が記載され、又は記録された部分以下この条において「秘匿事項記載部分」という。に係る訴訟記録等
及び
第133条
《申立人の住所、氏名等の秘匿 申立て等を…》
する者又はその法定代理人の住所、居所その他その通常所在する場所以下この項及び次項において「住所等」という。の全部又は一部が当事者に知られることによって当該申立て等をする者又は当該法定代理人が社会生活を
の四(第4項第2号を除く。)の規定は、第1項の決定があった場合について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
23条 (執行文付与の訴え等の管轄の特則)
1項 第19条
《民事上の争いについての刑事訴訟手続におけ…》
る和解 刑事被告事件の被告人と被害者等は、両者の間における民事上の争い当該被告事件に係る被害についての争いを含む場合に限る。について合意が成立した場合には、当該被告事件の係属する第一審裁判所又は控訴
に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に係る執行文付与の訴え、執行文付与に対する異議の訴え及び請求異議の訴えは、 民事執行法 (1979年法律第4号)
第33条第2項
《2 前項の訴えは、次の各号に掲げる債務名…》
義の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める裁判所が管轄する。 1 第22条第1号から第3号まで又は第6号から第6号の五までに掲げる債務名義並びに同条第7号に掲げる債務名義のうち次号、第1号の三及び第6号
(同法第34条第3項及び
第35条第3項
《3 損害賠償命令の申立てについては、特別…》
の事情がある場合を除き、四回以内の審理期日において、審理を終結しなければならない。
において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当該被告事件の第一審裁判所(第一審裁判所が簡易裁判所である場合において、その和解に係る請求が簡易裁判所の管轄に属しないものであるときは、その簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所)の管轄に専属する。
7章 刑事訴訟手続に伴う犯罪被害者等の損害賠償請求に係る裁判手続の特例 > 1節 損害賠償命令の申立て等
24条 (損害賠償命令の申立て)
1項 次に掲げる罪に係る刑事被告事件( 刑事訴訟法
第451条第1項
《裁判所は、再審開始の決定が確定した事件に…》
ついては、第449条の場合を除いては、その審級に従い、更に審判をしなければならない。
の規定により更に審判をすることとされたものを除く。)の 被害者 又はその一般承継人は、当該被告事件の係属する裁判所(地方裁判所に限る。)に対し、その弁論の終結までに、損害賠償命令(当該被告事件に係る訴因として特定された事実を原因とする不法行為に基づく損害賠償の請求(これに附帯する損害賠償の請求を含む。)について、その賠償を被告人に命ずることをいう。以下同じ。)の申立てをすることができる。
1号 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪又はその未遂罪
2号 次に掲げる罪又はその未遂罪
イ 刑法 (1907年法律第45号)
第176条
《不同意わいせつ 次に掲げる行為又は事由…》
その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以
(不同意わいせつ)、
第177条
《不同意性交等 前条第1項各号に掲げる行…》
為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは
(不同意性交等)又は
第179条
《監護者わいせつ及び監護者性交等 18歳…》
未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条第1項の例による。 2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影
(監護者わいせつ及び監護者性交等)の罪
ロ 刑法
第220条
《逮捕及び監禁 不法に人を逮捕し、又は監…》
禁した者は、3月以上7年以下の拘禁刑に処する。
(逮捕及び監禁)の罪
ハ 刑法
第224条
《未成年者略取及び誘拐 未成年者を略取し…》
、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の拘禁刑に処する。
から
第227条
《被略取者引渡し等 第224条、第225…》
条又は前3条の罪を犯した者を幇助する目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、蔵匿し、又は隠避させた者は、3月以上5年以下の拘禁刑に処する。 2 第225条の2第1項の罪
まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等)の罪
ニ イからハまでに掲げる罪のほか、その犯罪行為にこれらの罪の犯罪行為を含む罪(前号に掲げる罪を除く。)
2項 損害賠償命令の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面を提出してしなければならない。
1号 当事者及び法定代理人
2号 請求の趣旨及び刑事被告事件に係る訴因として特定された事実その他請求を特定するに足りる事実
3項 前項の書面には、同項各号に掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項以外の事項を記載してはならない。
25条 (申立書の送達)
1項 裁判所は、前条第2項の書面の提出を受けたときは、
第28条第1項第1号
《裁判所は、次に掲げる場合には、決定で、損…》
害賠償命令の申立てを却下しなければならない。 1 損害賠償命令の申立てが不適法であると認めるとき刑事被告事件に係る罰条が撤回又は変更されたため、当該被告事件が第24条第1項各号に掲げる罪に係るものに該
の規定により損害賠償命令の申立てを却下する場合を除き、遅滞なく、当該書面を申立ての相手方である被告人に送達しなければならない。
26条 (管轄に関する決定の効力)
1項 刑事被告事件について 刑事訴訟法
第7条
《 土地管轄を異にする数個の関連事件が同一…》
裁判所に係属する場合において、併せて審判することを必要としないものがあるときは、その裁判所は、決定で管轄権を有する他の裁判所にこれを移送することができる。
、
第8条
《 数個の関連事件が各別に事物管轄を同じく…》
する数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定でこれを1の裁判所に併合することができる。 前項の場合において各裁判所の決定が一致しないときは、各裁判所に共通する直近上
、
第11条第2項
《各裁判所に共通する直近上級の裁判所は、検…》
察官又は被告人の請求により、決定で後に公訴を受けた裁判所にその事件を審判させることができる。
若しくは
第19条第1項
《裁判所は、適当と認めるときは、検察官若し…》
くは被告人の請求により又は職権で、決定を以て、その管轄に属する事件を事物管轄を同じくする他の管轄裁判所に移送することができる。
の決定又は同法第17条若しくは
第18条
《刑事訴訟法の準用 刑事訴訟法第43条第…》
3項及び第4項の規定は被害者参加弁護士の選定及びその取消しについて、同条第3項及び第4項並びに同法第44条第1項の規定は前条第1項の決定について、それぞれ準用する。
の規定による管轄移転の請求に対する決定があったときは、これらの決定により当該被告事件の審判を行うこととなった裁判所が、損害賠償命令の申立てについての審理及び裁判を行う。
27条 (終局裁判の告知があるまでの取扱い)
1項 損害賠償命令の申立てについての審理(請求の放棄及び認諾並びに和解(
第19条
《民事上の争いについての刑事訴訟手続におけ…》
る和解 刑事被告事件の被告人と被害者等は、両者の間における民事上の争い当該被告事件に係る被害についての争いを含む場合に限る。について合意が成立した場合には、当該被告事件の係属する第一審裁判所又は控訴
の規定による民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解を除く。)のための手続を含む。)及び裁判(次条第1項第1号又は第2号の規定によるものを除く。)は、刑事被告事件について終局裁判の告知があるまでは、これを行わない。
2項 裁判所は、前項に規定する終局裁判の告知があるまでの間、申立人に、当該刑事被告事件の公判期日を通知しなければならない。
28条 (申立ての却下)
1項 裁判所は、次に掲げる場合には、決定で、損害賠償命令の申立てを却下しなければならない。
1号 損害賠償命令の申立てが不適法であると認めるとき(刑事被告事件に係る罰条が撤回又は変更されたため、当該被告事件が
第24条第1項
《次に掲げる罪に係る刑事被告事件刑事訴訟法…》
第451条第1項の規定により更に審判をすることとされたものを除く。の被害者又はその一般承継人は、当該被告事件の係属する裁判所地方裁判所に限る。に対し、その弁論の終結までに、損害賠償命令当該被告事件に係
各号に掲げる罪に係るものに該当しなくなったときを除く。)。
2号 刑事訴訟法
第4条
《 事物管轄を異にする数個の関連事件が上級…》
の裁判所に係属する場合において、併せて審判することを必要としないものがあるときは、上級の裁判所は、決定で管轄権を有する下級の裁判所にこれを移送することができる。
、
第5条
《 数個の関連事件が各別に上級の裁判所及び…》
下級の裁判所に係属するときは、事物管轄にかかわらず、上級の裁判所は、決定で下級の裁判所の管轄に属する事件を併せて審判することができる。 高等裁判所の特別権限に属する事件が高等裁判所に係属し、これと関連
又は
第10条第2項
《上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求に…》
より、決定で管轄権を有する下級の裁判所にその事件を審判させることができる。
の決定により、刑事被告事件が地方裁判所以外の裁判所に係属することとなったとき。
3号 刑事被告事件について、 刑事訴訟法
第329条
《 被告事件が裁判所の管轄に属しないときは…》
、判決で管轄違の言渡をしなければならない。 但し、第266条第2号の規定により地方裁判所の審判に付された事件については、管轄違の言渡をすることはできない。
若しくは
第336条
《 被告事件が罪とならないとき、又は被告事…》
件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。
から
第338条
《 左の場合には、判決で公訴を棄却しなけれ…》
ばならない。 1 被告人に対して裁判権を有しないとき。 2 第340条の規定に違反して公訴が提起されたとき。 3 公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。 4 公訴提起の
までの判決若しくは同法第339条の決定又は 少年法 (1948年法律第168号)
第55条
《家庭裁判所への移送 裁判所は、事実審理…》
の結果、少年の被告人を保護処分に付するのが相当であると認めるときは、決定をもつて、事件を家庭裁判所に移送しなければならない。
の決定があったとき。
4号 刑事被告事件について、 刑事訴訟法
第335条第1項
《有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、…》
証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。
に規定する有罪の言渡しがあった場合において、当該言渡しに係る罪が
第24条第1項
《訴訟を遅延させる目的のみでされたことの明…》
らかな忌避の申立は、決定でこれを却下しなければならない。 この場合には、前条第3項の規定を適用しない。 第22条の規定に違反し、又は裁判所の規則で定める手続に違反してされた忌避の申立を却下する場合も、
各号に掲げる罪に該当しないとき。
2項 前項第1号に該当することを理由とする同項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
3項 前項の規定による場合のほか、第1項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
29条 (時効の完成猶予)
1項 損害賠償命令の申立てについて、前条第1項の決定(同項第1号に該当することを理由とするものを除く。)の告知があったときは、当該告知を受けた時から6月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
30条 (期日の呼出し)
1項 損害賠償命令の申立てに係る事件(以下「 損害賠償命令事件 」という。)に関する手続における期日の呼出しは、呼出状の送達、当該 損害賠償命令事件 について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によってする。
2項 呼出状の送達及び当該 損害賠償命令事件 について出頭した者に対する期日の告知以外の方法による期日の呼出しをしたときは、期日に出頭しない当事者、証人又は鑑定人に対し、法律上の制裁その他期日の不遵守による不利益を帰することができない。ただし、これらの者が期日の呼出しを受けた旨を記載した書面を提出したときは、この限りでない。
31条 (公示送達の方法)
1項 損害賠償命令事件 に関する手続における公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。
32条 (事件の記録の閲覧等)
1項 第45条
《民事訴訟法の準用 特別の定めがある場合…》
を除き、損害賠償命令事件に関する手続については、その性質に反しない限り、民事訴訟法第2条、第14条、第1編第2章第3節、第3章第5項各号及び第47条から第51条までを除く。、第4章第71条第2項を除く
において準用する 民事訴訟法
第132条の4第1項
《裁判所は、予告通知者又は前条第1項の返答…》
をした被予告通知者の申立てにより、当該予告通知に係る訴えが提起された場合の立証に必要であることが明らかな証拠となるべきものについて、申立人がこれを自ら収集することが困難であると認められるときは、その予
の処分の申立てをした者及び相手方(同項に規定する相手方をいう。次項において同じ。)は、裁判所書記官に対し、同条第1項の処分の申立てに係る事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は当該事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。
2項 前項の規定は、同項に規定する記録中の録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。この場合において、これらの物について申立人又は相手方の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。
3項 第1項に規定する記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、当該記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。
33条 (電子情報処理組織による申立て等)
1項 損害賠償命令事件 に関する手続における申立てその他の申述(以下この条において「 申立て等 」という。)のうち、当該 申立て等 に関するこの法律その他の法令の規定により書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。次項及び第4項において同じ。)をもってするものとされているものであって、最高裁判所の定める裁判所に対してするもの(当該裁判所の裁判長、受命裁判官、受託裁判官又は裁判所書記官に対してするものを含む。)については、当該法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この項及び第3項において同じ。)と申立て等をする者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を用いてすることができる。
2項 前項の規定によりされた 申立て等 については、当該申立て等を書面等をもってするものとして規定した申立て等に関する法令の規定に規定する書面等をもってされたものとみなして、当該申立て等に関する法令の規定を適用する。
3項 第1項の規定によりされた 申立て等 は、同項の裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に、当該裁判所に到達したものとみなす。
4項 第1項の場合において、当該 申立て等 に関する他の法令の規定により署名等(署名、記名、押印その他氏名又は名称を書面等に記載することをいう。以下この項において同じ。)をすることとされているものについては、当該申立て等をする者は、当該法令の規定にかかわらず、当該署名等に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、氏名又は名称を明らかにする措置を講じなければならない。
5項 第1項の規定によりされた 申立て等 が第3項に規定するファイルに記録されたときは、第1項の裁判所は、当該ファイルに記録された情報の内容を書面に出力しなければならない。
6項 第1項の規定によりされた 申立て等 に係るこの法律その他の法令の規定による 損害賠償命令事件 の記録の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付は、前項の書面をもってするものとする。当該申立て等に係る書類の送達又は送付も、同様とする。
2節 審理及び裁判等
34条 (任意的口頭弁論)
1項 損害賠償命令の申立てについての裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
2項 前項の規定により口頭弁論をしない場合には、裁判所は、当事者を審尋することができる。
35条 (審理)
1項 刑事被告事件について 刑事訴訟法
第335条第1項
《有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、…》
証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。
に規定する有罪の言渡しがあった場合(当該言渡しに係る罪が
第24条第1項
《訴訟を遅延させる目的のみでされたことの明…》
らかな忌避の申立は、決定でこれを却下しなければならない。 この場合には、前条第3項の規定を適用しない。 第22条の規定に違反し、又は裁判所の規則で定める手続に違反してされた忌避の申立を却下する場合も、
各号に掲げる罪に該当する場合に限る。)には、裁判所は、直ちに、損害賠償命令の申立てについての審理のための期日(以下「 審理期日 」という。)を開かなければならない。ただし、直ちに 審理期日 を開くことが相当でないと認めるときは、裁判長は、速やかに、最初の審理期日を定めなければならない。
2項 審理期日 には、当事者を呼び出さなければならない。
3項 損害賠償命令の申立てについては、特別の事情がある場合を除き、四回以内の 審理期日 において、審理を終結しなければならない。
4項 裁判所は、最初の 審理期日 において、刑事被告事件の訴訟記録のうち必要でないと認めるものを除き、その取調べをしなければならない。
36条 (審理の終結)
1項 裁判所は、審理を終結するときは、 審理期日 においてその旨を宣言しなければならない。
37条 (損害賠償命令)
1項 損害賠償命令の申立てについての裁判(
第28条第1項
《裁判所は、次に掲げる場合には、決定で、損…》
害賠償命令の申立てを却下しなければならない。 1 損害賠償命令の申立てが不適法であると認めるとき刑事被告事件に係る罰条が撤回又は変更されたため、当該被告事件が第24条第1項各号に掲げる罪に係るものに該
の決定を除く。以下この条から
第39条
《訴え提起の擬制等 損害賠償命令の申立て…》
についての裁判に対し適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てに係る請求については、その目的の価額に従い、当該申立ての時に、当該申立てをした者が指定した地その指定がないときは、当該申立ての
までにおいて同じ。)は、次に掲げる事項を記載した決定書を作成して行わなければならない。
1号 主文
2号 請求の趣旨及び当事者の主張の要旨
3号 理由の要旨
4号 審理の終結の日
5号 当事者及び法定代理人
6号 裁判所
2項 損害賠償命令については、裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言することができる。
3項 第1項の決定書は、当事者に送達しなければならない。この場合においては、損害賠償命令の申立てについての裁判の効力は、当事者に送達された時に生ずる。
4項 裁判所は、相当と認めるときは、第1項の規定にかかわらず、決定書の作成に代えて、当事者が出頭する 審理期日 において主文及び理由の要旨を口頭で告知する方法により、損害賠償命令の申立てについての裁判を行うことができる。この場合においては、当該裁判の効力は、その告知がされた時に生ずる。
5項 裁判所は、前項の規定により損害賠償命令の申立てについての裁判を行った場合には、裁判所書記官に、第1項各号に掲げる事項を調書に記載させなければならない。
3節 異議等
38条 (異議の申立て等)
1項 当事者は、損害賠償命令の申立てについての裁判に対し、前条第3項の規定による送達又は同条第4項の規定による告知を受けた日から2週間の不変期間内に、裁判所に異議の申立てをすることができる。
2項 裁判所は、異議の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、これを却下しなければならない。
3項 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
4項 適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てについての裁判は、仮執行の宣言を付したものを除き、その効力を失う。
5項 適法な異議の申立てがないときは、損害賠償命令の申立てについての裁判は、確定判決と同1の効力を有する。
6項 民事訴訟法
第358条
《異議申立権の放棄 異議を申し立てる権利…》
は、その申立て前に限り、放棄することができる。
及び
第360条
《異議の取下げ 異議は、通常の手続による…》
第一審の終局判決があるまで、取り下げることができる。 2 異議の取下げは、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。 3 第261条第3項から第6項まで、第262条第1項及び第263条の規定は、異
の規定は、第1項の異議について準用する。
39条 (訴え提起の擬制等)
1項 損害賠償命令の申立てについての裁判に対し適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てに係る請求については、その目的の価額に従い、当該申立ての時に、当該申立てをした者が指定した地(その指定がないときは、当該申立ての相手方である被告人の普通裁判籍の所在地)を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所に訴えの提起があったものとみなす。この場合においては、
第24条第2項
《2 損害賠償命令の申立ては、次に掲げる事…》
項を記載した書面を提出してしなければならない。 1 当事者及び法定代理人 2 請求の趣旨及び刑事被告事件に係る訴因として特定された事実その他請求を特定するに足りる事実
の書面を訴状と、
第25条
《申立書の送達 裁判所は、前条第2項の書…》
面の提出を受けたときは、第28条第1項第1号の規定により損害賠償命令の申立てを却下する場合を除き、遅滞なく、当該書面を申立ての相手方である被告人に送達しなければならない。
の規定による送達を訴状の送達とみなす。
2項 前項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、 損害賠償命令事件 に関する手続の費用は、訴訟費用の一部とする。
3項 第1項の地方裁判所又は簡易裁判所は、その訴えに係る訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、決定で、これを管轄裁判所に移送しなければならない。
4項 前項の規定による移送の決定及び当該移送の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
40条 (記録の送付等)
1項 前条第1項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、
第35条第4項
《4 裁判所は、最初の審理期日において、刑…》
事被告事件の訴訟記録のうち必要でないと認めるものを除き、その取調べをしなければならない。
の規定により取り調べた当該被告事件の訴訟記録(以下「 刑事関係記録 」という。)中、関係者の名誉又は生活の平穏を著しく害するおそれがあると認めるもの、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれがあると認めるものその他前条第1項の地方裁判所又は簡易裁判所に送付することが相当でないと認めるものを特定しなければならない。
2項 裁判所書記官は、前条第1項の地方裁判所又は簡易裁判所の裁判所書記官に対し、 損害賠償命令事件 の記録(前項の規定により裁判所が特定したものを除く。)を送付しなければならない。
41条 (異議後の民事訴訟手続における書証の申出の特例)
1項 第39条第1項
《損害賠償命令の申立てについての裁判に対し…》
適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てに係る請求については、その目的の価額に従い、当該申立ての時に、当該申立てをした者が指定した地その指定がないときは、当該申立ての相手方である被告人の
の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における前条第2項の規定により送付された記録についての書証の申出は、 民事訴訟法
第219条
《書証の申出 書証の申出は、文書を提出し…》
、又は文書の所持者にその提出を命ずることを申し立ててしなければならない。
の規定にかかわらず、書証とすべきものを特定することによりすることができる。
42条 (異議後の判決)
1項 仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について
第39条第1項
《損害賠償命令の申立てについての裁判に対し…》
適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てに係る請求については、その目的の価額に従い、当該申立ての時に、当該申立てをした者が指定した地その指定がないときは、当該申立ての相手方である被告人の
の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合において、当該訴えについてすべき判決が損害賠償命令と符合するときは、その判決において、損害賠償命令を認可しなければならない。ただし、損害賠償命令の手続が法律に違反したものであるときは、この限りでない。
2項 前項の規定により損害賠償命令を認可する場合を除き、仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について
第39条第1項
《損害賠償命令の申立てについての裁判に対し…》
適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てに係る請求については、その目的の価額に従い、当該申立ての時に、当該申立てをした者が指定した地その指定がないときは、当該申立ての相手方である被告人の
の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における当該訴えについてすべき判決においては、損害賠償命令を取り消さなければならない。
3項 民事訴訟法
第363条
《異議後の判決における訴訟費用 異議を却…》
下し、又は手形訴訟においてした訴訟費用の負担の裁判を認可する場合には、裁判所は、異議の申立てがあった後の訴訟費用の負担について裁判をしなければならない。 2 第258条第4項の規定は、手形訴訟の判決に
の規定は、仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について
第39条第1項
《共同訴訟人の1人の訴訟行為、共同訴訟人の…》
1人に対する相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の1人について生じた事項は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。
の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における訴訟費用について準用する。この場合において、同法第363条第1項中「異議を却下し、又は手形訴訟」とあるのは、「損害賠償命令」と読み替えるものとする。
4節 民事訴訟手続への移行
43条
1項 裁判所は、最初の 審理期日 を開いた後、審理に日時を要するため
第35条第3項
《3 損害賠償命令の申立てについては、特別…》
の事情がある場合を除き、四回以内の審理期日において、審理を終結しなければならない。
に規定するところにより審理を終結することが困難であると認めるときは、申立てにより又は職権で、 損害賠償命令事件 を終了させる旨の決定をすることができる。
2項 次に掲げる場合には、裁判所は、 損害賠償命令事件 を終了させる旨の決定をしなければならない。
1号 刑事被告事件について終局裁判の告知があるまでに、申立人から、損害賠償命令の申立てに係る請求についての審理及び裁判を民事訴訟手続で行うことを求める旨の申述があったとき。
2号 損害賠償命令の申立てについての裁判の告知があるまでに、当事者から、当該申立てに係る請求についての審理及び裁判を民事訴訟手続で行うことを求める旨の申述があり、かつ、これについて相手方の同意があったとき。
3項 前2項の決定及び第1項の申立てを却下する決定に対しては、不服を申し立てることができない。
4項 第39条
《訴え提起の擬制等 損害賠償命令の申立て…》
についての裁判に対し適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てに係る請求については、その目的の価額に従い、当該申立ての時に、当該申立てをした者が指定した地その指定がないときは、当該申立ての
から
第41条
《異議後の民事訴訟手続における書証の申出の…》
特例 第39条第1項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における前条第2項の規定により送付された記録についての書証の申出は、民事訴訟法第219条の規定にかかわらず、書証とすべきものを特
までの規定は、第1項又は第2項の規定により 損害賠償命令事件 が終了した場合について準用する。
5節 補則
44条 (損害賠償命令事件の記録の閲覧等)
1項 当事者又は利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、 損害賠償命令事件 の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は損害賠償命令事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。
2項 前項の規定は、 損害賠償命令事件 の記録中の録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。この場合において、これらの物について当事者又は利害関係を疎明した第三者の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。
3項 前2項の規定にかかわらず、 刑事関係記録 の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「 閲覧等 」という。)の請求については、裁判所が許可したときに限り、することができる。
4項 裁判所は、当事者から 刑事関係記録 の 閲覧等 の許可の申立てがあったときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、不当な目的によるものと認める場合、関係者の名誉又は生活の平穏を著しく害するおそれがあると認める場合、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれがあると認める場合その他相当でないと認める場合を除き、その閲覧等を許可しなければならない。
5項 裁判所は、利害関係を疎明した第三者から 刑事関係記録 の 閲覧等 の許可の申立てがあったときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、正当な理由がある場合であって、関係者の名誉又は生活の平穏を害するおそれの有無、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれの有無その他の事情を考慮して相当と認めるときは、その閲覧等を許可することができる。
6項 損害賠償命令事件 の記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、当該記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。
7項 第4項の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
8項 第5項の申立てを却下する決定に対しては、不服を申し立てることができない。
45条 (民事訴訟法の準用)
1項 特別の定めがある場合を除き、 損害賠償命令事件 に関する手続については、その性質に反しない限り、 民事訴訟法
第2条
《裁判所及び当事者の責務 裁判所は、民事…》
訴訟が公正かつ迅速に行われるように努め、当事者は、信義に従い誠実に民事訴訟を追行しなければならない。
、
第14条
《職権証拠調べ 裁判所は、管轄に関する事…》
項について、職権で証拠調べをすることができる。
、第1編第2章第3節、第3章(
第45条第5項
《5 次に掲げる請求に関する規定の適用につ…》
いては、補助参加人当事者が前条第1項の異議を述べた場合において補助参加を許す裁判が確定したもの及び当事者が同条第2項の規定により異議を述べることができなくなったものに限る。を当事者とみなす。 1 非電
各号及び
第47条
《独立当事者参加 訴訟の結果によって権利…》
が害されることを主張する第三者又は訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する第三者は、その訴訟の当事者の双方又は一方を相手方として、当事者としてその訴訟に参加することができる。 2
から
第51条
《義務承継人の訴訟参加及び権利承継人の訴訟…》
引受け 第47条から第49条までの規定は訴訟の係属中その訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したことを主張する第三者の訴訟参加について、前条の規定は訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である権利の
までを除く。)、第4章(
第71条第2項
《2 前項の申立ては、訴訟費用の負担の裁判…》
が確定した日から10年以内にしなければならない。
を除く。)、第5章(
第87条
《口頭弁論の必要性 当事者は、訴訟につい…》
て、裁判所において口頭弁論をしなければならない。 ただし、決定で完結すべき事件については、裁判所が、口頭弁論をすべきか否かを定める。 2 前項ただし書の規定により口頭弁論をしない場合には、裁判所は、当
、
第87条
《口頭弁論の必要性 当事者は、訴訟につい…》
て、裁判所において口頭弁論をしなければならない。 ただし、決定で完結すべき事件については、裁判所が、口頭弁論をすべきか否かを定める。 2 前項ただし書の規定により口頭弁論をしない場合には、裁判所は、当
の二、
第91条
《非電磁的訴訟記録の閲覧等 何人も、裁判…》
所書記官に対し、非電磁的訴訟記録訴訟記録中次条第1項に規定する電磁的訴訟記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。の閲覧を請求することができる。 2 公開を禁止した口頭弁論に係る非電磁的訴訟記録
から
第91条
《非電磁的訴訟記録の閲覧等 何人も、裁判…》
所書記官に対し、非電磁的訴訟記録訴訟記録中次条第1項に規定する電磁的訴訟記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。の閲覧を請求することができる。 2 公開を禁止した口頭弁論に係る非電磁的訴訟記録
の三まで、
第92条第9項
《9 裁判所は、第1項の申立て同項第2号に…》
掲げる事由があることを理由とするものに限る。次項において同じ。があった場合において、当該申立てに係る営業秘密がその訴訟の追行の目的以外の目的で使用され、又は当該営業秘密が開示されることにより、当該営業
及び第10項、
第92条の2第2項
《2 専門委員は、前項の規定による書面によ…》
る説明に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、当該書面に記載すべき事項を最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してファイルに記録する方法又は当該書面に記載すべき事項に係る電磁的記録を記録し
、第2節第2款、
第94条
《期日の呼出し 期日の呼出しは、次の各号…》
のいずれかに掲げる方法その他相当と認める方法によってする。 1 ファイルに記録された電子呼出状裁判所書記官が、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判長が指定した期日に出頭すべき旨を告知するために出頭
、
第100条第2項
《2 前項の場合において、送達をした者は、…》
同項の規定による書面の提出に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、当該書面に記載すべき事項を最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してファイルに記録し、又は当該書面に記載すべき事項に係る電
、第4節第3款、
第111条
《公示送達の方法 公示送達は、次の各号に…》
掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項を最高裁判所規則で定める方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置く措置をとるとともに、当該事項が記載された書面を裁判所の掲示場に掲示し、又は
、
第116条
《判決の確定時期 判決は、控訴若しくは上…》
告第327条第1項第380条第2項において準用する場合を含む。の上告を除く。の提起、第318条第1項の申立て又は第357条第367条第2項において準用する場合を含む。、第378条第1項若しくは第381
並びに
第118条
《外国裁判所の確定判決の効力 外国裁判所…》
の確定判決は、次に掲げる要件のすべてを具備する場合に限り、その効力を有する。 1 法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること。 2 敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達公示
を除く。)、第6章(
第132条の6第3項
《3 第132条の4第1項第2号若しくは第…》
3号の嘱託を受けた者又は同項第4号の命令を受けた者以下この項において「嘱託等を受けた者」という。は、前項の規定による書面による調査結果の報告又は意見の陳述に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、
及び
第132条の7
《事件の記録の閲覧等 第91条第2項を除…》
く。の規定は非電磁的証拠収集処分記録の閲覧等第132条の4第1項の処分の申立てに係る事件の記録ファイル記録事項に係る部分を除く。の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製をいう。
を除く。)及び第8章(
第133条の2第5項
《5 裁判所は、第2項の申立てがあった場合…》
において、必要があると認めるときは、電磁的訴訟記録等電磁的訴訟記録又は第132条の4第1項の処分の申立てに係る事件の記録中ファイル記録事項に係る部分をいう。以下この項及び次項において同じ。中当該秘匿事
及び第6項並びに
第133条の3第2項
《2 前条第5項及び第6項の規定は、前項の…》
規定による決定があった場合について準用する。
を除く。)、第2編第1章(
第134条
《訴え提起の方式 訴えの提起は、訴状を裁…》
判所に提出してしなければならない。 2 訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 1 当事者及び法定代理人 2 請求の趣旨及び原因
、
第134条
《訴え提起の方式 訴えの提起は、訴状を裁…》
判所に提出してしなければならない。 2 訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 1 当事者及び法定代理人 2 請求の趣旨及び原因
の二、
第137条第2項
《2 前項の場合において、原告が不備を補正…》
しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。
及び第3項、
第138条第1項
《訴状は、被告に送達しなければならない。…》
、
第139条
《口頭弁論期日の指定 訴えの提起があった…》
ときは、裁判長は、口頭弁論の期日を指定し、当事者を呼び出さなければならない。
、
第140条
《口頭弁論を経ない訴えの却下 訴えが不適…》
法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えを却下することができる。
、
第145条
《中間確認の訴え 裁判が訴訟の進行中に争…》
いとなっている法律関係の成立又は不成立に係るときは、当事者は、請求を拡張して、その法律関係の確認の判決を求めることができる。 ただし、その確認の請求が他の裁判所の専属管轄当事者が第11条の規定により合
並びに
第146条
《反訴 被告は、本訴の目的である請求又は…》
防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。 ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。 1 反訴の目的である請求が他の
を除く。)、第3章(
第151条第3項
《3 第1項の規定により提出された文書及び…》
前項の規定により提出された電磁的記録については、第132条の13の規定は、適用しない。
、
第156条
《攻撃防御方法の提出時期 攻撃又は防御の…》
方法は、訴訟の進行状況に応じ適切な時期に提出しなければならない。
の二、
第157条
《時機に後れた攻撃防御方法の却下等 当事…》
者が故意又は重大な過失により時機に後れて提出した攻撃又は防御の方法については、これにより訴訟の完結を遅延させることとなると認めたときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、却下の決定をすることができる。
の二、
第158条
《訴状等の陳述の擬制 原告又は被告が最初…》
にすべき口頭弁論の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は、その者が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなし、出頭した相手方に弁論をさせること
、
第159条第3項
《3 第1項の規定は、当事者が口頭弁論の期…》
日に出頭しない場合について準用する。 ただし、その当事者が公示送達による呼出しを受けたものであるときは、この限りでない。
、
第160条第2項
《2 裁判所書記官は、前項の規定により電子…》
調書を作成したときは、最高裁判所規則で定めるところにより、これをファイルに記録しなければならない。
、
第161条第3項
《3 相手方が在廷していない口頭弁論におい…》
ては、次の各号のいずれかに該当する準備書面に記載した事実でなければ、主張することができない。 1 相手方に送達された準備書面 2 相手方からその準備書面を受領した旨を記載した書面が提出された場合におけ
及び第3節を除く。)、第4章(
第185条第3項
《3 裁判所第1項の規定により職務を行う受…》
命裁判官及び前2項に規定する嘱託により職務を行う受託裁判官を含む。は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しなが
、
第187条第3項
《3 裁判所は、相当と認めるときは、最高裁…》
判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、参考人を審尋することができる。 この場合において、当事者双方に異議がないときは、
及び第4項、
第205条第2項
《2 証人は、前項の規定による書面の提出に…》
代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、当該書面に記載すべき事項を最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してファイルに記録し、又は当該書面に記載すべき事項に係る電磁的記録を記録した記録媒体を
、
第215条第2項
《2 前項の鑑定人は、同項の規定により書面…》
で意見を述べることに代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、当該書面に記載すべき事項を最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してファイルに記録する方法又は当該書面に記載すべき事項に係る電磁的
、
第227条第2項
《2 提出又は送付に係る文書については、第…》
132条の13の規定は、適用しない。
、
第232条
《検証の目的の提示等 第219条、第22…》
3条、第224条、第226条及び第227条第1項の規定は、検証の目的の提示又は送付について準用する。 2 第三者が正当な理由なく前項において準用する第223条第1項の規定による提示の命令に従わないとき
の二、
第235条第1項
《訴えの提起後における証拠保全の申立ては、…》
その証拠を使用すべき審級の裁判所にしなければならない。 ただし、最初の口頭弁論の期日が指定され、又は事件が弁論準備手続若しくは書面による準備手続に付された後口頭弁論の終結に至るまでの間は、受訴裁判所に
ただし書並びに
第236条
《相手方の指定ができない場合の取扱い 証…》
拠保全の申立ては、相手方を指定することができない場合においても、することができる。 この場合においては、裁判所は、相手方となるべき者のために特別代理人を選任することができる。
を除く。)、第5章(
第249条
《直接主義 判決は、その基本となる口頭弁…》
論に関与した裁判官がする。 2 裁判官が代わった場合には、当事者は、従前の口頭弁論の結果を陳述しなければならない。 3 単独の裁判官が代わった場合又は合議体の裁判官の過半数が代わった場合において、その
から
第255条
《電子判決書等の送達 電子判決書第253…》
条第2項の規定によりファイルに記録されたものに限る。次項、第285条、第355条第2項、第357条、第378条第1項及び第381条の7第1項において同じ。又は前条第2項の規定により当事者及び法定代理人
まで、
第256条第3項
《3 電子呼出状第94条第2項の規定により…》
ファイルに記録されたものに限る。により前項の判決の言渡期日の呼出しを行う場合においては、次の各号に掲げる送達の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める時に、その送達があったものとみなす。 1 第109条の
各号並びに
第259条第1項
《財産権上の請求に関する判決については、裁…》
判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言することができる。
及び第2項を除く。)及び第6章(
第262条第2項
《2 本案について終局判決があった後に訴え…》
を取り下げた者は、同1の訴えを提起することができない。
、
第263条
《訴えの取下げの擬制 当事者双方が、口頭…》
弁論若しくは弁論準備手続の期日に出頭せず、又は弁論若しくは弁論準備手続における申述をしないで退廷若しくは退席をした場合において、1月以内に期日指定の申立てをしないときは、訴えの取下げがあったものとみな
、
第266条第2項
《2 請求の放棄又は認諾をする旨の書面を提…》
出した当事者が口頭弁論等の期日に出頭しないときは、裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官は、その旨の陳述をしたものとみなすことができる。
及び
第267条第2項
《2 前項の規定によりファイルに記録された…》
電子調書は、当事者に送達しなければならない。 この場合においては、第255条第2項の規定を準用する。
を除く。)、第3編第3章、第4編並びに第9編(
第403条第1項第1号
《次に掲げる場合には、裁判所は、申立てによ…》
り、決定で、担保を立てさせて、若しくは立てさせないで強制執行の1時の停止を命じ、又はこれとともに、担保を立てて強制執行の開始若しくは続行をすべき旨を命じ、若しくは担保を立てさせて既にした執行処分の取消
、第2号及び第4号から第6号までを除く。)の規定を準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
46条 (個人特定事項の秘匿)
1項 裁判所は、刑事被告事件の手続において 刑事訴訟法
第271条の2第4項
《裁判所は、第2項の規定による起訴状抄本等…》
の提出があつたときは、前条第1項の規定にかかわらず、遅滞なく起訴状抄本等を被告人に送達しなければならない。 この場合において、第255条及び前条第2項中「起訴状の謄本」とあるのは、「起訴状抄本等」とす
の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものが同条第1項第1号又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときは、 損害賠償命令事件 に関する手続において、前条において準用する 民事訴訟法
第133条第2項
《2 前項の申立てをするときは、同項の申立…》
て等をする者又はその法定代理人以下この章において「秘匿対象者」という。の住所等又は氏名等次条第2項において「秘匿事項」という。その他最高裁判所規則で定める事項を書面その他最高裁判所規則で定める方法によ
に規定する秘匿事項のほか、当該個人特定事項について、決定で、その全部又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができる。刑事被告事件の手続において 刑事訴訟法
第312条の2第3項
《裁判所は、前項の規定による訴因変更等請求…》
書面抄本等の提出があつたときは、前条第5項の規定にかかわらず、遅滞なく訴因変更等請求書面抄本等を被告人に送達しなければならない。
の規定による措置をとった場合において、訴因変更等請求書面に記載された個人特定事項のうち訴因変更等請求書面抄本等に記載がないものが同法第271条の2第1項第1号又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合であって、相当と認めるときも、同様とする。
2項 民事訴訟法
第133条第5項
《5 裁判所は、秘匿対象者の住所又は氏名に…》
ついて第1項の決定以下この章において「秘匿決定」という。をする場合には、当該秘匿決定において、当該秘匿対象者の住所又は氏名に代わる事項を定めなければならない。 この場合において、その事項を当該事件並び
の規定は、前項の決定をする場合について準用する。この場合において、同条第5項中「当該秘匿決定」とあるのは「犯罪 被害者 等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第46条第1項の決定」と、「当該秘匿対象者の住所又は氏名」とあるのは「当該決定に係る個人特定事項」と、「当該事件並びにその事件」とあるのは「 損害賠償命令事件 (同法第30条第1項に規定する損害賠償命令事件をいう。)に関する手続並びにその手続」と読み替えるものとする。
3項 第1項の決定があった場合における
第25条
《申立書の送達 裁判所は、前条第2項の書…》
面の提出を受けたときは、第28条第1項第1号の規定により損害賠償命令の申立てを却下する場合を除き、遅滞なく、当該書面を申立ての相手方である被告人に送達しなければならない。
及び
第39条第1項
《損害賠償命令の申立てについての裁判に対し…》
適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てに係る請求については、その目的の価額に従い、当該申立ての時に、当該申立てをした者が指定した地その指定がないときは、当該申立ての相手方である被告人の
(
第43条第4項
《4 第39条から第41条までの規定は、第…》
1項又は第2項の規定により損害賠償命令事件が終了した場合について準用する。
において準用する場合を含む。第5項において同じ。)の規定の適用については、これらの規定中「書面を」とあるのは、「書面中
第46条第1項
《裁判所は、刑事被告事件の手続において刑事…》
訴訟法第271条の2第4項の規定による措置をとった場合において、起訴状に記載された個人特定事項のうち起訴状抄本等に記載がないものが同条第1項第1号又は第2号に掲げる者のものに該当すると認める場合であっ
の決定に係る個人特定事項が記載された部分について、当該個人特定事項に代えて同条第2項において読み替えて準用する 民事訴訟法
第133条第5項
《5 裁判所は、秘匿対象者の住所又は氏名に…》
ついて第1項の決定以下この章において「秘匿決定」という。をする場合には、当該秘匿決定において、当該秘匿対象者の住所又は氏名に代わる事項を定めなければならない。 この場合において、その事項を当該事件並び
前段の規定により定めた事項を記載した書面を」とする。
4項 民事訴訟法
第133条の2第2項
《2 前項の場合において、裁判所は、申立て…》
により、決定で、訴訟記録等中秘匿事項届出部分以外のものであって秘匿事項又は秘匿事項を推知することができる事項が記載され、又は記録された部分以下この条において「秘匿事項記載部分」という。に係る訴訟記録等
及び
第133条
《申立人の住所、氏名等の秘匿 申立て等を…》
する者又はその法定代理人の住所、居所その他その通常所在する場所以下この項及び次項において「住所等」という。の全部又は一部が当事者に知られることによって当該申立て等をする者又は当該法定代理人が社会生活を
の四(第4項第2号を除く。)の規定は、第1項の決定があった場合について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
5項 第1項の決定があった場合において、
第39条第1項
《共同訴訟人の1人の訴訟行為、共同訴訟人の…》
1人に対する相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の1人について生じた事項は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。
の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、裁判所は、 損害賠償命令事件 の記録( 刑事関係記録 を除く。)中、当該決定に係る個人特定事項が記載され、又は記録されたものであって、
第39条第1項
《共同訴訟人の1人の訴訟行為、共同訴訟人の…》
1人に対する相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の1人について生じた事項は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。
の地方裁判所又は簡易裁判所に送付することが相当でないと認めるものを特定しなければならない。この場合における
第40条第2項
《2 前項に規定する場合には、共同訴訟人の…》
1人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。
の規定の適用については、同項中「前項」とあるのは、「前項又は
第46条第5項
《5 第1項の決定があった場合において、第…》
39条第1項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、裁判所は、損害賠償命令事件の記録刑事関係記録を除く。中、当該決定に係る個人特定事項が記載され、又は記録されたものであって、第39条第1
前段」とする。
8章 雑則
47条 (公判記録の閲覧及び謄写等の手数料)
1項 第3条第1項
《刑事被告事件の係属する裁判所は、第一回の…》
公判期日後当該被告事件の終結までの間において、当該被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、当該被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があるときは、検察
又は
第4条第1項
《刑事被告事件の係属する裁判所は、第一回の…》
公判期日後当該被告事件の終結までの間において、次に掲げる者から、当該被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、第1号又は第2号に掲げる者の損害賠償請求権の行使の
の規定による訴訟記録の閲覧又は謄写をするには、 民事訴訟費用等に関する法律 (1971年法律第40号)別表第2の1の項下欄に掲げる額の手数料を納めなければならない。
2項 第19条第1項
《刑事被告事件の被告人と被害者等は、両者の…》
間における民事上の争い当該被告事件に係る被害についての争いを含む場合に限る。について合意が成立した場合には、当該被告事件の係属する第一審裁判所又は控訴裁判所に対し、共同して当該合意の公判調書への記載を
の規定による申立てをするには、2,000円の手数料を納めなければならない。
3項 第20条第2項
《2 前項に規定する和解記録の閲覧若しくは…》
謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は和解に関する事項の証明書の交付の請求に関する裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについては民事訴訟法1996年法律第109号第121条の例により、和解記録に
においてその例によることとされる 民事訴訟法
第121条
《裁判所書記官の処分に対する異議 裁判所…》
書記官の処分に対する異議の申立てについては、その裁判所書記官の所属する裁判所が、決定で、裁判をする。
の決定に対する同法の規定による抗告の提起をするには、1,000円の手数料を納めなければならない。
4項 第6章に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続の手数料については、その性質に反しない限り、 民事訴訟費用等に関する法律
第3条第1項
《別表第1の上欄に掲げる申立てをするには、…》
申立ての区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる額の手数料を納めなければならない。
及び
第7条
《裁判所書記官が保管する記録の閲覧、謄写等…》
の手数料 別表第2の上欄に掲げる事項の手数料は、同表の下欄に掲げる額とする。
並びに別表第1の45の項及び別表第2の1の項から3の項までの規定(同表1の項上欄中「(事件の係属中に当事者等が請求するものを除く。)」とある部分を除く。)を準用する。
5項 損害賠償命令の申立てをするには、2,000円の手数料を納めなければならない。
6項 第38条第1項
《当事者は、損害賠償命令の申立てについての…》
裁判に対し、前条第3項の規定による送達又は同条第4項の規定による告知を受けた日から2週間の不変期間内に、裁判所に異議の申立てをすることができる。
の規定による異議の申立てをするには、 民事訴訟費用等に関する法律 別表第1の45の項下欄に掲げる額の手数料を納めなければならない。
7項 損害賠償命令の申立てをした者は、
第39条第1項
《損害賠償命令の申立てについての裁判に対し…》
適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てに係る請求については、その目的の価額に従い、当該申立ての時に、当該申立てをした者が指定した地その指定がないときは、当該申立ての相手方である被告人の
(
第43条第4項
《4 第39条から第41条までの規定は、第…》
1項又は第2項の規定により損害賠償命令事件が終了した場合について準用する。
において準用する場合を含む。)の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、速やかに、 民事訴訟費用等に関する法律
第3条第1項
《別表第1の上欄に掲げる申立てをするには、…》
申立ての区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる額の手数料を納めなければならない。
及び別表第1の1の項の規定により納めるべき手数料の額から損害賠償命令の申立てについて納めた手数料の額を控除した額の手数料を納めなければならない。
48条 (手数料の納付方法)
1項 手数料は、申立書又は申立ての趣意を記載した調書に収入印紙を貼って納めなければならない。ただし、最高裁判所規則で定める場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、現金をもって納めることができる。
49条 (過納手数料の還付等)
1項 手数料が過大に納められた場合においては、裁判所書記官は、申立てにより、過大に納められた手数料の額に相当する金額の金銭を還付しなければならない。
2項 前項の申立ては、1の手数料に係る申立ての申立人が2人以上ある場合においては、当該各申立人がすることができる。
3項 第1項の申立ては、その申立てをすることができる事由が生じた日から5年以内にしなければならない。
4項 第1項の申立てについてされた裁判所書記官の処分に対しては、その告知を受けた日から1週間の不変期間内に、その裁判所書記官の所属する裁判所に異議を申し立てることができる。
5項 手数料還付事件(第1項の申立て及びその申立てについての裁判所書記官の処分並びに前項の規定による異議の申立て及びその異議の申立てについての裁判に係る事件をいう。以下この条において同じ。)に関する手続における期日の呼出しについては、
第30条
《期日の呼出し 損害賠償命令の申立てに係…》
る事件以下「損害賠償命令事件」という。に関する手続における期日の呼出しは、呼出状の送達、当該損害賠償命令事件について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によってする。 2 呼出状の送達及
の規定を準用する。
6項 手数料還付事件に関する手続における期日及び期間については、 民事訴訟法
第95条
《期間の計算 期間の計算については、民法…》
の期間に関する規定に従う。 2 期間を定める裁判において始期を定めなかったときは、期間は、その裁判が効力を生じた時から進行を始める。 3 期間の末日が日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律1948年法
から
第97条
《訴訟行為の追完 当事者が裁判所の使用に…》
係る電子計算機の故障その他その責めに帰することができない事由により不変期間を遵守することができなかった場合には、その事由が消滅した後1週間以内に限り、不変期間内にすべき訴訟行為の追完をすることができる
までの規定を準用する。
7項 手数料還付事件に関する手続における送達及び手続の中止については、その性質に反しない限り、 民事訴訟法 第1編第5章第4節(
第100条第2項
《2 前項の場合において、送達をした者は、…》
同項の規定による書面の提出に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、当該書面に記載すべき事項を最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してファイルに記録し、又は当該書面に記載すべき事項に係る電
、第3款及び
第111条
《公示送達の方法 公示送達は、次の各号に…》
掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項を最高裁判所規則で定める方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置く措置をとるとともに、当該事項が記載された書面を裁判所の掲示場に掲示し、又は
を除く。)及び
第130条
《裁判所の職務執行不能による中止 天災そ…》
の他の事由によって裁判所が職務を行うことができないときは、訴訟手続は、その事由が消滅するまで中止する。
から
第132条
《中断及び中止の効果 判決の言渡しは、訴…》
訟手続の中断中であっても、することができる。 2 訴訟手続の中断又は中止があったときは、期間は、進行を停止する。 この場合においては、訴訟手続の受継の通知又はその続行の時から、新たに全期間の進行を始め
まで(同条第1項を除く。)の規定を準用する。この場合において、同法第112条第1項本文中「前条の規定による措置を開始した」とあるのは「裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨の裁判所の掲示場への掲示を始めた」と、同項ただし書中「前条の規定による措置を開始した」とあるのは「当該掲示を始めた」と読み替えるものとする。
8項 前項において準用する 民事訴訟法
第110条第1項
《次に掲げる場合には、裁判所書記官は、申立…》
てにより、公示送達をすることができる。 1 当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合第109条の2の規定により送達をすることができる場合を除く。 2 第107条第1項の規定により送達をす
の規定による公示送達については、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。
9項 手数料還付事件に関する手続における申立てその他の申述については、
第33条
《外国人の訴訟能力の特則 外国人は、その…》
本国法によれば訴訟能力を有しない場合であっても、日本法によれば訴訟能力を有すべきときは、訴訟能力者とみなす。
の規定を準用する。
10項 特別の定めがある場合を除き、手数料還付事件に関しては、その性質に反しない限り、 非訟事件手続法 (2011年法律第51号)第2編(
第27条
《裁判所書記官への準用 この節の規定は、…》
裁判所書記官について準用する。 この場合においては、裁判は、裁判所書記官の所属する裁判所がする。
、第31条第2項、
第31条
《未成年者及び成年被後見人の訴訟能力 未…》
成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、訴訟行為をすることができない。 ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができる場合は、この限りでない。
の二、
第32条
《被保佐人、被補助人及び法定代理人の訴訟行…》
為の特則 被保佐人、被補助人訴訟行為をすることにつきその補助人の同意を得ることを要するものに限る。次項及び第40条第4項において同じ。又は後見人その他の法定代理人が相手方の提起した訴え又は上訴につい
の二、第34条第4項、
第38条
《共同訴訟の要件 訴訟の目的である権利又…》
は義務が数人について共通であるとき、又は同1の事実上及び法律上の原因に基づくときは、その数人は、共同訴訟人として訴え、又は訴えられることができる。 訴訟の目的である権利又は義務が同種であって事実上及び
、
第40条
《必要的共同訴訟 訴訟の目的が共同訴訟人…》
の全員について合1にのみ確定すべき場合には、その1人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。 2 前項に規定する場合には、共同訴訟人の1人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力
、
第42条
《補助参加 訴訟の結果について利害関係を…》
有する第三者は、当事者の一方を補助するため、その訴訟に参加することができる。
及び第57条第3項を除く。)の規定を準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
50条 (再使用証明)
1項 前条第1項の申立てにおいて、
第48条
《手数料の納付方法 手数料は、申立書又は…》
申立ての趣意を記載した調書に収入印紙を貼って納めなければならない。 ただし、最高裁判所規則で定める場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、現金をもって納めることができる。
の規定により納めた収入印紙を当該裁判所における他の手数料の納付について再使用したい旨の申出があったときは、金銭による還付に代えて、還付の日から1年以内に限り再使用をすることができる旨の裁判所書記官の証明を付して還付すべき金額に相当する収入印紙を交付することができる。
2項 前項の証明の付された収入印紙の交付を受けた者が、同項の証明に係る期間内に、当該収入印紙を提出してその額に相当する金額の金銭の還付を受けたい旨の申立てをしたときは、同項の裁判所の裁判所書記官は、当該収入印紙の額に相当する金額の金銭を還付しなければならない。
3項 前条第4項から第10項までの規定は、前項の規定による裁判所書記官の処分について準用する。
51条 (損害賠償命令事件に関する手続の費用)
1項 損害賠償命令事件 に関する手続の費用については、その性質に反しない限り、 民事訴訟費用等に関する法律 (同法第8条から
第10条
《法務省令への委任 第5条から前条までに…》
定めるもののほか、被害者参加旅費等の支給に関し必要な事項第6条第1項及び第2項の規定により裁判所が行う手続に関する事項を除く。は、法務省令で定める。
までを除く。)の規定を準用する。この場合において、同法第11条第1項第1号中「給付(郵便物の料金及び 民間事業者による信書の送達に関する法律 (2002年法律第99号)
第2条第6項
《6 この法律において「一般信書便事業者」…》
とは、一般信書便事業を営むことについて第6条の許可を受けた者をいう。
に規定する一般信書便事業者又は同条第9項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第2項に規定する信書便の役務に関する料金に充てるものを除く。)」とあるのは、「給付」と読み替えるものとする。
2項 裁判所は、郵便物の料金又は 民間事業者による信書の送達に関する法律 (2002年法律第99号)
第2条第6項
《6 この法律において「一般信書便事業者」…》
とは、一般信書便事業を営むことについて第6条の許可を受けた者をいう。
に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第2項に規定する信書便の役務に関する料金に充てるための費用に限り、金銭に代えて郵便切手又は最高裁判所が定めるこれに類する証票(次項及び第5項において「 郵便切手等 」という。)で予納させることができる。
3項 前項の規定により予納させた 郵便切手等 の管理に関する事務は、最高裁判所が指定する裁判所書記官が取り扱う。
4項 前項の裁判所書記官の責任については、 物品管理法 (1956年法律第113号)に規定する物品管理職員の責任の例による。
5項 前2項に定めるもののほか、第3項の 郵便切手等 の管理について必要な事項は、最高裁判所が定める。
52条 (最高裁判所規則)
1項 この法律に定めるもののほか、第3章に規定する訴訟記録の閲覧又は謄写、
第6条第1項
《被害者参加旅費等の支給を受けようとする被…》
害者参加人は、所定の請求書に法務省令で定める被害者参加旅費等の算定に必要な資料を添えて、これを、裁判所を経由して、法務大臣に提出しなければならない。 この場合において、必要な資料の全部又は一部を提出し
及び第2項の規定により裁判所が行う手続、第5章に規定する 被害者 参加弁護士の選定等、第6章に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解並びに 損害賠償命令事件 に関する手続について必要な事項は、最高裁判所規則で定める。