1条 (目的)
1項 この法律は、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震による災害が甚大で、かつ、その被災地域が広範にわたるおそれがあることに鑑み、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域の指定、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進基本計画等の作成、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震津波避難対策特別強化地域の指定、津波避難対策緊急事業計画の作成及びこれに基づく事業に係る財政上の特別の措置について定めるとともに、地震観測施設等の整備等について定めることにより、 災害対策基本法 (1961年法律第223号)、 地震防災対策特別措置法 (1995年法律第111号)その他の地震防災対策に関する法律と相まって、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進を図ることを目的とする。
2条 (定義)
1項 この法律において「 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 」とは、房総半島の東方沖から三陸海岸の東方沖を経て択捉島の東方沖までの日本海溝及び千島海溝並びにその周辺の地域における地殻の境界又はその内部を震源とする大規模な地震をいう。
2項 この法律において「 地震災害 」とは、地震動により直接に生ずる被害及びこれに伴い発生する津波、火事、爆発その他の異常な現象により生ずる被害をいう。
3項 この法律において「 地震防災 」とは、 地震災害 の発生の防止又は地震災害が発生した場合における被害の軽減をあらかじめ図ることをいう。
3条 (日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域の指定等)
1項 内閣総理大臣は、 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 が発生した場合に著しい 地震災害 が生ずるおそれがあるため、 地震防災 対策を推進する必要がある地域を、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策 推進地域 (以下「 推進地域 」という。)として指定するものとする。
2項 内閣総理大臣は、前項の規定による 推進地域 の指定をするに当たっては、 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 として科学的に想定し得る最大規模のものを想定して行うものとする。
3項 内閣総理大臣は、第1項の規定による 推進地域 の指定をしようとするときは、あらかじめ中央防災会議に諮問しなければならない。
4項 内閣総理大臣は、第1項の規定による 推進地域 の指定をしようとするときは、あらかじめ関係都道県の意見を聴かなければならない。この場合において、関係都道県が意見を述べようとするときは、あらかじめ関係市町村の意見を聴かなければならない。
5項 内閣総理大臣は、第1項の規定による 推進地域 の指定をしたときは、その旨を公示しなければならない。
6項 前3項の規定は、内閣総理大臣が第1項の規定による 推進地域 の指定の解除をする場合に準用する。
4条 (基本計画)
1項 中央防災会議は、前条第1項の規定による 推進地域 の指定があったときは、 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 防災対策推進 基本計画 (以下「 基本計画 」という。)を作成し、及びその実施を推進しなければならない。
2項 基本計画 は、次に掲げる事項について定めるものとする。
1号 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に係る 地震防災 対策の円滑かつ迅速な推進の意義に関する事項
2号 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に係る 地震防災 対策の推進に関する基本的方針に関する事項
3号 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に係る 地震防災 対策の推進に関する基本的な施策に関する事項
4号 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 が発生した場合の災害応急対策の実施に関する基本的方針に関する事項
5号 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 防災対策推進計画( 災害対策基本法
第2条第9号
《定義 第2条 この法律において、次の各号…》
に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 1 災害 暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発そ
の防災業務計画、同条第10号の地域防災計画又は 石油コンビナート等災害防止法 (1975年法律第84号)
第31条第1項
《防災本部及びその協議会は、当該都道府県の…》
区域内にその全部の区域が含まれる特別防災区域防災本部の協議会にあつては、当該協議会を設置した二以上の都府県にわたつて所在する特別防災区域に係る石油コンビナート等防災計画以下「防災計画」という。を作成し
に規定する石油コンビナート等防災計画のうち、次条第1項各号に掲げる事項について定めた部分をいい、以下「推進計画」という。)の基本となるべき事項
6号 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 防災対策計画(
第6条第1項
《1の地域が特別防災区域となつた際現にその…》
地域に所在する第1種事業所に係る第1種事業者当該地域において第1種事業所の新設のための工事をしている者を含む。は、当該地域が特別防災区域となつた日から2月以内に、主務省令で定めるところにより、書面で、
又は第2項に規定する者が日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に伴い発生する津波からの円滑な避難の確保に関し作成する計画をいい、同条及び
第7条第1項
《第1種事業所に係る第5条第1項第1号から…》
第3号までに掲げる事項の一部の変更をしようとする者は、主務省令で定めるところにより、書面で、その者の氏名法人にあつては、その名称及び代表者の氏名及び住所、当該変更のための工事の開始の予定日並びに当該第
において「対策計画」という。)の基本となるべき事項
7号 前各号に掲げるもののほか、 推進地域 における 地震防災 対策の推進に関する重要事項
3項 前項第3号に掲げる事項については、原則として、その具体的な目標及びその達成の期間を定めるものとする。
4項 中央防災会議は、 基本計画 の作成及びその実施の推進に当たっては、次に掲げる事項について、適切に配慮するものとする。
1号 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 の発生の形態並びに日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に伴い発生する地震動及び津波の規模に応じて予想される災害の事態が異なることに鑑み、あらゆる災害の事態に対応することができるようにすること。
2号 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 による災害が甚大で、かつ、その被災地域が広範にわたるおそれがあることに鑑み、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に関する調査研究の成果その他の 地震防災 に関する最新の科学的知見及び情報通信技術その他の先端的な技術の活用を通じて、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策をより効果的に行うことができるようにすること。
5項 災害対策基本法
第34条第2項
《2 中央防災会議は、前項の規定により防災…》
基本計画を作成し、又は修正したときは、すみやかにこれを内閣総理大臣に報告し、並びに指定行政機関の長、都道府県知事及び指定公共機関に通知するとともに、その要旨を公表しなければならない。
の規定は、 基本計画 を作成し、又は変更した場合に準用する。
5条 (推進計画)
1項 第3条第1項
《内閣総理大臣は、日本海溝・千島海溝周辺海…》
溝型地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、地震防災対策を推進する必要がある地域を、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域以下「推進地域」という。として指定するものとする
の規定による 推進地域 の指定があったときは、 災害対策基本法
第2条第3号
《定義 第2条 この法律において、次の各号…》
に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 1 災害 暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発そ
の指定行政機関(以下この項及び
第8条
《施策における防災上の配慮等 国及び地方…》
公共団体は、その施策が、直接的なものであると間接的なものであるとを問わず、一体として国土並びに国民の生命、身体及び財産の災害をなくすることに寄与することとなるように意を用いなければならない。 2 国及
において単に「指定行政機関」という。)の長(指定行政機関が 内閣府設置法 (1999年法律第89号)
第49条第1項
《内閣府には、その外局として、委員会及び庁…》
を置くことができる。
若しくは第2項若しくは 国家行政組織法 (1948年法律第120号)
第3条第2項
《2 行政組織のため置かれる国の行政機関は…》
、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。
の委員会又は 災害対策基本法
第2条第3号
《定義 第2条 この法律において、次の各号…》
に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 1 災害 暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発そ
ロに掲げる機関若しくは同号ニに掲げる機関のうち合議制のものである場合にあっては当該指定行政機関をいい、指定行政機関の長から事務の委任があった場合にあっては当該事務については当該委任を受けた同条第4号の指定地方行政機関(第4号及び
第8条
《施策における防災上の配慮等 国及び地方…》
公共団体は、その施策が、直接的なものであると間接的なものであるとを問わず、一体として国土並びに国民の生命、身体及び財産の災害をなくすることに寄与することとなるように意を用いなければならない。 2 国及
において単に「指定地方行政機関」という。)の長をいう。)及び同法第2条第5号の指定公共機関(以下この項及び
第8条
《日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策…》
推進協議会 関係指定行政機関の長及び関係指定地方行政機関の長、関係地方公共団体の長並びに関係指定公共機関及び関係指定地方公共機関は、共同で、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震が発生した場合における災害
において単に「指定公共機関」という。)(指定公共機関から委任された業務については、当該委任を受けた同法第2条第6号の指定地方公共機関(第4号及び
第8条
《日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策…》
推進協議会 関係指定行政機関の長及び関係指定地方行政機関の長、関係地方公共団体の長並びに関係指定公共機関及び関係指定地方公共機関は、共同で、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震が発生した場合における災害
において単に「指定地方公共機関」という。))は、同法第2条第9号の防災業務計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
1号 避難施設その他の避難場所、避難路その他の避難経路、避難誘導及び救助活動のための拠点施設その他の消防用施設その他の 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に関し 地震防災 上緊急に整備すべき施設等で政令で定めるものの整備に関する事項
2号 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に伴い発生する津波からの防護、円滑な避難の確保及び迅速な救助に関する事項
3号 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に係る防災訓練に関する事項
4号 関係指定行政機関、関係指定地方行政機関、関係地方公共団体、関係指定公共機関、関係指定地方公共機関その他の関係者との連携協力の確保に関する事項
5号 前各号に掲げるもののほか、 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に係る 地震防災 上重要な対策に関する事項で政令で定めるもの
2項 第3条第1項
《内閣総理大臣は、日本海溝・千島海溝周辺海…》
溝型地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、地震防災対策を推進する必要がある地域を、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域以下「推進地域」という。として指定するものとする
の規定による 推進地域 の指定があったときは、 災害対策基本法
第21条
《関係行政機関等に対する協力要求 都道府…》
県防災会議及び市町村防災会議地方防災会議の協議会を含む。以下次条において「地方防災会議等」という。は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長及び関係地方行政機関の長、地方
に規定する地方防災会議等(市町村防災会議を設置しない市町村にあっては、当該市町村の市町村長)は同法第2条第10号の地域防災計画において、 石油コンビナート等災害防止法
第27条第1項
《特別防災区域が所在する都道府県に、石油コ…》
ンビナート等防災本部以下「防災本部」という。を置く。
に規定する石油コンビナート等防災本部及び同法第30条第1項に規定する防災本部の協議会は同法第31条第1項に規定する石油コンビナート等防災計画において、前項各号に掲げる事項を定めるよう努めなければならない。この場合において、市町村防災会議(市町村防災会議を設置しない市町村にあっては、当該市町村の市町村長。
第11条第1項
《第9条第1項の規定による特別強化地域の指…》
定があったときは、関係市町村長は、当該特別強化地域について、市町村防災会議が定める推進計画に基づき、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に伴い発生する津波から避難するため必要な緊急に実施すべき次に掲げる事
において同じ。)は、
第11条第1項
《第9条第1項の規定による特別強化地域の指…》
定があったときは、関係市町村長は、当該特別強化地域について、市町村防災会議が定める推進計画に基づき、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に伴い発生する津波から避難するため必要な緊急に実施すべき次に掲げる事
に規定する津波避難対策緊急事業計画の基本となるべき事項を定めることができる。
3項 第1項第1号に掲げる事項については、原則として、その具体的な目標及びその達成の期間を定めるものとする。
4項 推進計画は、 基本計画 を基本とするものとする。
6条 (対策計画)
1項 推進地域 内において次に掲げる施設又は事業で政令で定めるものを管理し、又は運営することとなる者(前条第1項に規定する者を除き、 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に伴い発生する津波に係る 地震防災 対策を講ずべき者として 基本計画 で定める者に限る。)は、あらかじめ、当該施設又は事業ごとに、対策計画を作成しなければならない。
1号 病院、劇場、百貨店、旅館その他不特定かつ多数の者が出入りする施設
2号 石油類、火薬類、高圧ガスその他政令で定めるものの製造、貯蔵、処理又は取扱いを行う施設
3号 鉄道事業その他一般旅客運送に関する事業
4号 前3号に掲げるもののほか、 地震防災 上の措置を講ずる必要があると認められる重要な施設又は事業
2項 第3条第1項
《内閣総理大臣は、日本海溝・千島海溝周辺海…》
溝型地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、地震防災対策を推進する必要がある地域を、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域以下「推進地域」という。として指定するものとする
の規定による 推進地域 の指定の際、当該推進地域内において前項の政令で定める施設又は事業を現に管理し、又は運営している者(前条第1項に規定する者を除き、 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に伴い発生する津波に係る 地震防災 対策を講ずべき者として 基本計画 で定める者に限る。)は、当該指定があった日から6月以内に、対策計画を作成しなければならない。
3項 対策計画を作成した者は、当該施設の拡大、当該事業の内容の変更等により、対策計画を変更する必要が生じたときは、遅滞なく当該対策計画を変更しなければならない。
4項 対策計画は、当該施設又は事業についての 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に伴い発生する津波からの円滑な避難の確保に関する事項その他政令で定める事項について定めるものとする。
5項 対策計画は、推進計画と矛盾し、又は抵触するものであってはならない。
6項 第1項又は第2項に規定する者は、対策計画を作成したときは、政令で定めるところにより、遅滞なく当該対策計画を都道県知事に届け出るとともに、その写しを市町村長に送付しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
7項 第1項又は第2項に規定する者が前項の届出をしない場合には、都道県知事は、その者に対し、相当の期間を定めて届出をすべきことを勧告することができる。
8項 都道県知事は、前項の勧告を受けた者が同項の期間内に届出をしないときは、その旨を公表することができる。
7条 (対策計画の特例)
1項 前条第1項又は第2項に規定する者が、次に掲げる計画又は規程において、法令の規定に基づき、同条第1項の政令で定める施設又は事業に関し同条第4項に規定する事項について定めたときは、当該事項について定めた部分(次項において「 日本海溝・千島海溝周辺海溝型 地震防災 規程 」という。)は、当該施設又は事業に係る対策計画とみなしてこの法律を適用する。
1号 消防法 (1948年法律第186号)
第8条第1項
《学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店…》
これに準ずるものとして政令で定める大規模な小売店舗を含む。以下同じ。、複合用途防火対象物防火対象物で政令で定める二以上の用途に供されるものをいう。以下同じ。その他多数の者が出入し、勤務し、又は居住する
若しくは
第8条の2第1項
《高層建築物高さ31メートルを超える建築物…》
をいう。第8条の3第1項において同じ。その他政令で定める防火対象物で、その管理について権原が分かれているもの又は地下街地下の工作物内に設けられた店舗、事務所その他これらに類する施設で、連続して地下道に
(これらの規定を同法第36条第1項において準用する場合を含む。)に規定する消防計画又は同法第14条の2第1項に規定する予防規程
2号 火薬類取締法 (1950年法律第149号)
第28条第1項
《製造業者は、災害の発生を防止するため、保…》
安の確保のための組織及び方法その他経済産業省令で定める事項について記載した危害予防規程を定め、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣の認可を受けなければならない。 これを変更するとき第10条第
に規定する危害予防規程
3号 高圧ガス保安法(1951年法律第204号)第26条第1項( 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律 (2024年法律第37号)
第16条第1項
《高圧ガス保安法第11条、第26条、第27…》
条第1項から第3項まで及び第5項、第27条の2第1項第2号を除く。、第2項及び第3項から第7項まで同条第1項第1号に係る部分に限る。、第27条の三、第32条第9項及び第10項、第33条第1項同号に係る
において準用する場合を含む。)に規定する危害予防規程
4号 ガス事業法(1954年法律第51号)第24条第1項、第64条第1項(同法第84条において準用する場合を含む。)及び第97条第1項に規定する保安規程
5号 電気事業法 (1964年法律第170号)
第42条第1項
《事業用電気工作物小規模事業用電気工作物を…》
除く。以下この款において同じ。を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため、主務省令で定めるところにより、保安を一体的に確保することが必要な事業用電気工作物の組織ごと
に規定する保安規程
6号 石油パイプライン事業法 (1972年法律第105号)
第27条第1項
《石油パイプライン事業者は、事業用施設につ…》
いての保安を確保するため、保安に関する組織及び教育に関する事項その他の主務省令で定める事項について、保安規程を定め、主務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更するときも、同様とする。
に規定する保安規程
7号 石油コンビナート等災害防止法
第18条第1項
《特定事業者は、主務省令で定めるところによ…》
り、自衛防災組織が行うべき防災業務に関する事項について防災規程を定め、市町村長等に届け出なければならない。 これを変更したときも、同様とする。
に規定する防災規程
8号 前各号に掲げる計画又は規程に準ずるものとして内閣府令で定めるもの
2項 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 防災規程を作成した者は、前条第6項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、その日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災規程の写しを市町村長に送付しなければならない。日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災規程を変更したときも、同様とする。
8条 (日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進協議会)
1項 関係指定行政機関の長及び関係指定地方行政機関の長、関係地方公共団体の長並びに関係指定公共機関及び関係指定地方公共機関は、共同で、 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 が発生した場合における災害応急対策及び当該災害応急対策に係る防災訓練の実施に係る連絡調整その他の日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る 地震防災 対策を相互に連携協力して推進するために必要な協議を行うための協議会(以下この条において単に「協議会」という。)を組織することができる。
2項 前項の規定により協議会を組織する関係指定行政機関の長及び関係指定地方行政機関の長、関係地方公共団体の長並びに関係指定公共機関及び関係指定地方公共機関は、必要と認めるときは、協議して、協議会に、 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に係る 地震防災 対策を実施すると見込まれる者その他の協議会が必要と認める者を加えることができる。
3項 第1項の協議を行うための会議(次項及び第5項において単に「会議」という。)は、第1項の規定により協議会を組織する関係指定行政機関の長及び関係指定地方行政機関の長、関係地方公共団体の長並びに関係指定公共機関及び関係指定地方公共機関並びに前項の規定により加わった協議会が必要と認める者をもって構成する。
4項 協議会は、会議において協議を行うため必要があると認めるときは、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長並びに指定公共機関及び指定地方公共機関その他の関係者に対して、資料の提供、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。
5項 会議において協議が調った事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。
6項 協議会の庶務は、内閣府において処理する。
7項 前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
9条 (日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震津波避難対策特別強化地域の指定等)
1項 内閣総理大臣は、 推進地域 のうち、 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に伴い津波が発生した場合に特に著しい津波災害が生ずるおそれがあるため津波避難対策を特別に強化すべき地域を、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震津波避難対策 特別強化地域 (以下「 特別強化地域 」という。)として指定するものとする。
2項 内閣総理大臣は、前項の規定による 特別強化地域 の指定をするに当たっては、 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 として科学的に想定し得る最大規模のものを想定して行うものとする。
3項 内閣総理大臣は、第1項の規定による 特別強化地域 の指定をしようとするときは、あらかじめ中央防災会議に諮問しなければならない。
4項 内閣総理大臣は、第1項の規定による 特別強化地域 の指定をしようとするときは、あらかじめ関係都道県の意見を聴かなければならない。この場合において、関係都道県が意見を述べようとするときは、あらかじめ関係市町村の意見を聴かなければならない。
5項 内閣総理大臣は、第1項の規定による 特別強化地域 の指定をしたときは、その旨を公示しなければならない。
6項 前3項の規定は、内閣総理大臣が第1項の規定による 特別強化地域 の指定の解除をする場合に準用する。
10条 (津波からの円滑な避難のための居住者等に対する周知のための措置)
1項 前条第1項の規定による 特別強化地域 の指定があったときは、関係市町村長は、居住者、滞在者その他の者の 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に伴い発生する津波からの円滑な避難に資するよう、内閣府令で定めるところにより、当該津波に関する情報の伝達方法、避難施設その他の避難場所及び避難路その他の避難経路に関する事項その他特別強化地域における円滑な避難を確保する上で必要な事項を居住者、滞在者その他の者に周知させるため、これらの事項を記載した印刷物の配布その他の必要な措置を講じなければならない。ただし、当該特別強化地域において、 津波防災地域づくりに関する法律 (2011年法律第123号)
第55条
《住民等に対する周知のための措置 警戒区…》
域をその区域に含む市町村の長は、市町村地域防災計画に基づき、国土交通省令で定めるところにより、人的災害を生ずるおそれがある津波に関する情報の伝達方法、避難施設その他の避難場所及び避難路その他の避難経路
に規定する措置が講じられているときは、この限りでない。
11条 (津波避難対策緊急事業計画)
1項 第9条第1項
《内閣総理大臣は、推進地域のうち、日本海溝…》
・千島海溝周辺海溝型地震に伴い津波が発生した場合に特に著しい津波災害が生ずるおそれがあるため津波避難対策を特別に強化すべき地域を、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震津波避難対策特別強化地域以下「特別強化
の規定による 特別強化地域 の指定があったときは、関係市町村長は、当該特別強化地域について、市町村防災会議が定める推進計画に基づき、 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に伴い発生する津波から避難するため必要な緊急に実施すべき次に掲げる事業に関する計画(以下「 津波避難対策緊急事業計画 」という。)を作成することができる。
1号 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に伴い発生する津波からの避難の用に供する避難施設その他の避難場所の整備に関する事業
2号 前号の避難場所までの避難の用に供する避難路その他の避難経路の整備に関する事業
3号 集団移転促進事業( 防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律 (1972年法律第132号。
第15条
《集団移転促進法の特例 津波避難対策緊急…》
事業計画に基づく集団移転促進事業を実施する場合における集団移転促進法第8条第1号に係る部分に限る。の規定の適用については、同号中「場合を除く」とあるのは、「場合であつて、当該譲渡に係る対価の額が当該経
において「 集団移転促進法 」という。)
第2条第2項
《2 この法律において「集団移転促進事業」…》
とは、この法律によつて地方公共団体が住宅の用に供する政令で定める規模以上の一団の土地以下「住宅団地」という。を整備して移転促進区域内にある住居の集団的移転を促進するために行なう事業をいう。
に規定する集団移転促進事業をいい、
第15条
《集団移転促進法の特例 津波避難対策緊急…》
事業計画に基づく集団移転促進事業を実施する場合における集団移転促進法第8条第1号に係る部分に限る。の規定の適用については、同号中「場合を除く」とあるのは、「場合であつて、当該譲渡に係る対価の額が当該経
の規定による特別の措置の適用を受けようとするものを含む。以下同じ。)
4号 集団移転促進事業に関連して移転が必要と認められる施設であって、高齢者、障害者、乳幼児、児童、生徒その他の迅速な避難の確保を図るため特に配慮を要する者が利用する施設で政令で定めるものの整備に関する事業
2項 前項各号に掲げる事業については、原則として、その具体的な目標及びその達成の期間を定めるものとする。
3項 第1項各号に掲げる事業には、関係市町村が実施する事業に係る事項を記載するほか、必要に応じ、関係市町村以外の者が実施する事業に係るものを記載することができる。
4項 関係市町村長は、 津波避難対策緊急事業計画 に関係市町村以外の者が実施する事業に係る事項を記載しようとするときは、当該事項について、あらかじめ、その者の同意を得なければならない。
5項 関係市町村長は、 津波避難対策緊急事業計画 を作成しようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議し、その同意を得なければならない。
6項 関係市町村長は、前項の協議をしようとするときは、あらかじめ、都道県知事の意見を聴き、 津波避難対策緊急事業計画 にその意見を添えて、内閣総理大臣に提出しなければならない。
7項 内閣総理大臣は、第5項の同意をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長と協議しなければならない。
8項 第2項から前項までの規定は、 津波避難対策緊急事業計画 の変更について準用する。ただし、内閣府令で定める軽微な変更については、この限りでない。
9項 関係市町村長は、前項ただし書の軽微な変更については、内閣総理大臣に届け出なければならない。
12条 (津波避難対策緊急事業に係る国の負担又は補助の特例等)
1項 津波避難対策緊急事業計画 に基づいて実施される事業(以下この条において「 津波避難対策緊急事業 」という。)のうち、別表上欄に掲げるもの(当該 津波避難対策緊急事業 に関する主務大臣の定める基準に適合するものに限る。第3項において同じ。)に要する経費に対する国の負担又は補助の割合(次項及び同表において「 国の負担割合 」という。)は、当該津波避難対策緊急事業に関する法令の規定にかかわらず、同表下欄のとおりとする。
2項 津波避難対策緊急事業 に係る経費に対する他の法令による 国の負担割合 が、前項の規定による国の負担割合を超えるときは、当該津波避難対策緊急事業に係る経費に対する国の負担割合については、同項の規定にかかわらず、当該他の法令の定める割合による。
3項 国は、 津波避難対策緊急事業 のうち、別表上欄に掲げるものに要する経費に充てるため政令で定める交付金を交付する場合においては、政令で定めるところにより、当該経費について前2項の規定を適用したとするならば国が負担し、又は補助することとなる割合を参酌して、当該交付金の額を算定するものとする。
13条 (移転が必要と認められる施設の整備に係る財政上の配慮等)
1項 国は、
第11条第1項第4号
《第9条第1項の規定による特別強化地域の指…》
定があったときは、関係市町村長は、当該特別強化地域について、市町村防災会議が定める推進計画に基づき、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に伴い発生する津波から避難するため必要な緊急に実施すべき次に掲げる事
の政令で定める施設の整備に関し、必要な財政上及び金融上の配慮をするものとする。
14条 (集団移転促進事業に係る農地法の特例)
1項 市町村( 農地法 (1952年法律第229号)
第4条第1項
《農地を農地以外のものにする者は、都道府県…》
知事農地又は採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に関する施策の実施状況を考慮して農林水産大臣が指定する市町村以下「指定市町村」という。の区域内にあつては、指定市町村の長。以下「都道府県知事
に規定する指定市町村を除く。)が 津波避難対策緊急事業計画 に基づき集団移転促進事業を実施するため、農地(耕作(同法第43条第1項の規定により耕作に該当するものとみなされる農作物の栽培を含む。以下この条において同じ。)の目的に供される土地をいう。以下この条において同じ。)を農地以外のものにし、又は農地若しくは採草放牧地(農地以外の土地で、主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいう。以下この条において同じ。)を農地若しくは採草放牧地以外のものにするためこれらの土地について所有権若しくは使用及び収益を目的とする権利を取得する場合において、都道県知事は、当該集団移転促進事業が次に掲げる要件に該当するものであると認めるときは、同法第4条第6項(第1号に係る部分に限る。)又は
第5条第2項
《2 第3条第1項の規定による推進地域の指…》
定があったときは、災害対策基本法第21条に規定する地方防災会議等市町村防災会議を設置しない市町村にあっては、当該市町村の市町村長は同法第2条第10号の地域防災計画において、石油コンビナート等災害防止法
(第1号に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、同法第4条第1項又は
第5条第1項
《第3条第1項の規定による推進地域の指定が…》
あったときは、災害対策基本法第2条第3号の指定行政機関以下この項及び第8条において単に「指定行政機関」という。の長指定行政機関が内閣府設置法1999年法律第89号第49条第1項若しくは第2項若しくは国
の許可をすることができる。
1号 関係市町村における 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に係る 地震防災 対策の円滑かつ迅速な推進のため必要かつ適当であると認められること。
2号 関係市町村の農業の健全な発展に支障を及ぼすおそれがないと認められること。
15条 (集団移転促進法の特例)
1項 津波避難対策緊急事業計画 に基づく集団移転促進事業を実施する場合における 集団移転促進法 第8条(第1号に係る部分に限る。)の規定の適用については、同号中「場合を除く」とあるのは、「場合であつて、当該譲渡に係る対価の額が当該経費の額以上となる場合を除く」とする。
16条 (集団移転促進事業に係る国土利用計画法等による協議等についての配慮)
1項 国の行政機関の長又は都道県知事は、 津波避難対策緊急事業計画 に基づく集団移転促進事業の実施のため 国土利用計画法 (1974年法律第92号)その他の土地利用に関する法律、 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律 (1955年法律第179号)その他の法律の規定による協議その他の行為又は許可その他の処分を求められたときは、当該集団移転促進事業に係る施設の整備が円滑に行われるよう適切な配慮をするものとする。
17条 (地方債の特例)
1項 地方公共団体が
第11条第1項第4号
《第9条第1項の規定による特別強化地域の指…》
定があったときは、関係市町村長は、当該特別強化地域について、市町村防災会議が定める推進計画に基づき、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に伴い発生する津波から避難するため必要な緊急に実施すべき次に掲げる事
の政令で定める施設その他 津波避難対策緊急事業計画 に基づく集団移転促進事業に関連して移転する公共施設又は公用施設の除却を行うために要する経費(公共的団体又は国若しくは地方公共団体が出資している法人で政令で定めるものが設置する同号の政令で定める施設その他当該集団移転促進事業に関連して移転する公共施設の除却に係る負担又は助成に要する経費を含む。)については、 地方財政法 (1948年法律第109号)
第5条
《地方債の制限 地方公共団体の歳出は、地…》
方債以外の歳入をもつて、その財源としなければならない。 ただし、次に掲げる場合においては、地方債をもつてその財源とすることができる。 1 交通事業、ガス事業、水道事業その他地方公共団体の行う企業以下「
の規定にかかわらず、地方債をもってその財源とすることができる。
18条 (地震観測施設等の整備)
1項 国は、 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に関する観測及び測量のための施設等の整備に努めなければならない。
19条 (地震防災上緊急に整備すべき施設等の整備等)
1項 国及び地方公共団体は、 推進地域 において、避難施設その他の避難場所、避難路その他の避難経路、避難誘導及び救助活動のための拠点施設その他の消防用施設その他の 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に関し 地震防災 上緊急に整備すべき施設等の整備等に努めなければならない。
2項 積雪寒冷地域において前項の 地震防災 上緊急に整備すべき施設等の整備等を行うに当たっては、交通、通信その他積雪寒冷地域における地震防災上必要な機能が確保されるよう配慮されなければならない。
20条 (津波避難対策上緊急に整備すべき施設等の整備等についての配慮)
1項 国及び地方公共団体は、 特別強化地域 において、積雪寒冷地域における津波からの円滑な避難を確保するために必要な避難施設その他の避難場所、避難路その他の避難経路その他の津波避難対策上緊急に整備すべき施設等の整備等を行うに当たっては、当該施設等について、交通、通信その他積雪寒冷地域における津波避難対策上必要な機能が確保されるよう特に配慮しなければならない。
21条 (財政上の配慮等)
1項 国は、この法律に特別の定めのあるもののほか、 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 に係る 地震防災 対策の推進のため必要な財政上及び金融上の配慮をするものとする。
22条 (政令への委任)
1項 この法律に特別の定めがあるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。